Release : 2009

ACE FREHLEY / Anomaly

ACE FREHLEY / Anomaly
Release : 2009
Label : Bronx Born

Ace Frehley (ex-KISS/Gt) の 2nd ソロ・アルバム。


#1-3:退屈。#4SWEET のカバー。この曲が一番いい…。#5-11:退屈。#12:1st の Fractured Mirror 続編?


昔からの KISS ファンだし、1st も聴いていたがこれは…。劣化したとしか言いようがない。20年たっても成長してないなんて…。正直曲の魅力は 1st とそれほど変わらないんだけど、全然 “ロックしてる感じ” がないんだよね。1st には曲のつまらなさを吹き飛ばす圧倒的な勢いが音にも表れてたからこそ良かったのに…。てか、元 KISS のブランド効果ってまだあんの?

評価:13

ADAGIO / Archangels in Black

ADAGIO / Archangels in Black
Release : 2009
Label : Listenable

Stephan Forte 率いる ADAGIO の 4th アルバム。Vo が Gus Monsanto から Christian Palin にチェンジ。


#1:ダークでアグレッシヴな曲。早弾きぜずにメロディアスなソロを決める Stephan は流石。 #2:要所で顔を出すピアノが絶品。テクニカルでプログレッシヴなソロも素晴らしいね。 #3:コンパクトな中に封じ込められた難解さが美味しい。 #4:極めてダークな曲調が堪らんね。それでいて超キャッチーに攻めてくるソロが最高。 #5:オーケストレーションとバンドサウンドが完璧に近い同調率なのが素晴らしい。 #6:ピアノ・ブレイクが素晴らしすぎる。唄メロは弱いのが残念だ。 #7:9分の大曲。やり過ぎ感抜群のキーボード・ソロがいいね。 #8:完全にデス・メタルだな (笑) Stephan、でしゃばり過ぎだろ。壮大なオーケストレーションがいいね。 #9:月戦士? 表打ちなのが惜しい。しかし何故フランス人は日本語を使いたがるのか? 月光仮面にでも影響されたのか?


ダークで装飾過多な SYMPHONY X というのが相応しい。あまりに共通点が多いしね。しかし化けたな。3rd パワーメタル路線と 2nd の過度なオケアレンジ路線が見事に調和してる。Stephan のデス声も曲に合ってるし、これからが非常に楽しみだ。まぁ何より前作と比べて音質が見違えるほど良くなったのが嬉しいね。

評価:79

AGE STEN NILSEN / Glamunition

AGE STEN NILSEN / Glamunition
Release : 2009
Label : Universal

WIG WAMGlam が本名の AGE STEN NILSEN 名義でリリースした 2nd ソロ・アルバム。


#1:80’s なパーティー・ロック・ソング。ホーンセクションがいいね。 #2:アコースティックにロックする曲。短いのがアレ。 #3:ポップだ。 #4:超 QUEEN ライクな曲。レッドスペシャルみたいなギターも聴ける。 #5:哀愁のメロディが美味しい曲。しかし、2分半はちょっと短すぎじゃね。 #6:ノルウェーの売れ線ってこーゆーのなの? #7:爽やかなハードポップ。 #8:ホーン・セクションが楽しい。ギターソロが何気にテクニカルで美味しい。 #9:ポップ・ソング。デ○ズニー映画に使われてても違和感ないな。 #10:アコースティックなバラード。渋い大人のバラードって感じか。 #11:北欧ポップスってこんなのなのかな。日本産では聴かないタイプの曲だね。


HR/HM でも Rock ‘n’ Roll でもない。WIG WAM のソレとは全く違うポップなアルバム。しかし、彼も多才だね。1st も良さそうなんで入手しようかな。

評価:69

AGNES / Redemption

AGNES / Redemption
Release : 2009
Label : Marquee

フィンランドの “Idols” から生まれたシンガー AGNES の 2nd アルバム。


今作も相変わらず男勝りな枯れ声で唄っているが、#6. In My Dreams などでは女性的な唄声も聴かせてくれる。ただ、大物ゲストの曲提供が目立った前作と比べるとアルバム全体が地味な印象が強い。#3. Dont Fall in Love, #4. Wasn’t It Enough, #8. Seventeen なんかはキャッチーなサビメロをもってるし決して悪くはないんだけどね。

楽曲提供者に名を連ねるのが Timo Kotipelto (Vo/STRATOVARIUS), J.Ahola (Vo/TERASBETONI), Tuomas Gary Keskinen, Tuomas Heikkinen (Gt/LEVERAGE) という実に “微妙” な人選だけに、ある意味で予想通りの結果かと。次は Desmond Child とかに頼んだらいいんでない?(そんな予算はなさそうだけど…)

評価:34

ALESTORM / Black Sails at Midnight

ALESTORM / Black Sails at Midnight
Release : 2009
Label : Napalm

スコットランド産、パイレーツ・メタルバンド ALESTORM の 2nd アルバム。


#1:トレモノ・リフから RHAPSODY OF FIRE を彷彿させるエピック・メロまで。海賊っぽさはないが、いい曲だ。 #2:リヴァイアサンと戦ってるとしか思えない勇壮なメロディが美味しすぎる。 #3:これこそ大海原のクサメロ。 #4:これは面白い酒飲みソング。 #5:#4 とは打って変わってシリアスに…。この対比は面白いな。 #6:パイレーツっぽさの薄いスラッシュメタル風の曲。 #7:クサメロをまき散らすインスト。 #8:なんてストレートな曲名だ。…そのわりに地味だが。 #9:ファンファーレようなメロディが美味しすぎる曲。 #10:ユーロヴィジョンに出たらしい PIRATES OF THE SEA というバンドのカバー。これは、レッドカードだな (笑) これで気分が高揚しないヤツなんているのか?


前作と比べてインパクトは少ない ( 初見じゃないから仕方ないけど ) ものの、予想通りのパイレーツ・メタルで安心。音も良くなってるしね。願わくば来日公演をしてほしいけど、まだ無理かなぁ…。呑みながら Wolves of the Sea を大合唱とか、きっと最高だよな

評価:82

AMBERIAN DAWN / The Clouds of Northland Thunder

AMBERIAN DAWN / The Clouds of Northland Thunder
Release : 2009
Label : Ascendance

フィンランド産 Symphonic Metal Band、AMBERIAN DAWN の 2nd アルバム。


#1:目を閉じれば氷の王国が見えてきそうな寒々しい唄メロが堪らない曲。 #2:めろすぴ。SYMPHONITY + NIGHTWISH かな。 #3:キャッチーなサビメロが美味しいハードロック・ソング。 #4:哀愁の唄メロが涙を誘うバラード。 #5:初期の NIGHTWISH を彷彿させるシンフォニック・スピード・メタル。 #6:リフ裏のクワイアがアレ。 #7:#3 に同じ。 #8:3連の曲。素晴らしいギターソロが聴ける。 #9:リフのリズムを生かした曲だが、これまたギターソロが素晴らしくクサい (笑) #10:クラシカルな唄メロが美味しい。 #11:#3 に同じ。相変わらず弾きまくりなギターソロがいいね。 #12:アルバムを締めくくる煮え切らない唄メロのバラード。


所謂 NIGHTWISH タイプだが、そこに劇的なクサメロが散りばめられているのが強み。そして、ここぞとばかりにネオ=クラシカルに弾きまくるギターが素晴らしいとしか言いようがない。ソプラノ・シンガーはあまり得意な方じゃないが、このクサさがあればそんなのは大した問題じゃない。

評価:64

AMORAL / Show Your Colors

AMORAL / Show Your Colors
Release : 2009
Label : Fontana Universal

Ari Koivunen が加入したフィンランドのデス・メタル・バンド AMORAL の 4th アルバム。


#1:アコースティックなインスト。 #2:退屈。 #3:バックの演奏に対して Ari 君の歌唱が浮きまくり。 #4:それなりにキャッチーで聴きやすいが、退屈なのに変わりはない。 #5:退屈。 #6:ソフト・スラッシュ? #7:ヲーヲーヲーヲ。キャッチーで良い。 #8:唄メロが退屈。リフはいいのに…。 #9:#8 に同じ。 #10:アコースティックなバラード。 #11:退屈


このバンドが Ari 君加入以前にどういう音楽性だったかは知らないが、こらからもこの体制で行くなら Ari 君にあったメロディを書かないとお話にならないよね~ってことは言える。Ari 君の声の良さはソロで聴けるようなキャッチーでポップ寄りの Metal だと思うので、その辺を多少考慮しないとね。まぁ、頑張ってはいるものの彼のダミ声は明らかにパワー負けしてる気がするんだよね。Ari Koivunen というブランドネームを利用しただけなら成功したんじゃないかな。Ari 加入を知らなかったら聴かなかったって人もいるだろうしね。

評価:11

ANDRE MATOS / Mentalize

ANDRE MATOS / Mentalize
Release : 2009
Label : Avalon

シンフォニック・メタル・マエストロ、ANDRE “まとやん” MATOS の 2nd アルバム。


#1:キャッチーな Matos らしい唄メロが印象的な曲。 #2:メジャーキーの爽やかなメロハー風味の曲。曲構成も見事。 #3:ドゥーミーに始まるギターソロは鳥肌モノ。SHAMAN 風味。 #4EDGUY タイプの疾走曲。声が似てるってのもあるね。 #5:まとやん節パワーバラード。感動的。 #6:突発力のある唄メロで一気に駆け抜ける疾走曲。 #7:ギャロップ・ビートが微笑ましい。 #8:静と動のコントラストが程よいプログレ感を出してる。唄メロを追うギターも美味。 #9:Carry On っぽい。これは意図的だろうな (笑) #10EDGUY タイプの疾走曲、その弐。 #11:まとやんの歌唱が堪能できるバラード。 #12:アルバムを締めくくる疾走曲。パワーストリームって…。 #13:これがボートラって、まとやん どうかしてんじゃないの? #14QUEEN のカバー。個人的にも大好きな曲だ。原曲に忠実でよく出来てると思う。


まとやん に死角なし。完璧なアルバムだ。一撃必殺の曲はないものの、どの曲も綿密に練りこまれていて、聴くたびに新たな発見が出来る芸術的な側面もある。ただ、シンガーのソロ名義なこともあってか、Andre “Zaza” HernandesMariutti 兄弟Eloy 君は (絶妙なフィルイン、小技で何気に自己主張してるが) 完全に裏方。それを踏まえてもなお曲の魅力を損なわないのはやはり天才 Andre Matos のなせる業なんだろうね。歌詞も深くて聴きごたえがあるよ。

評価:97

ANUBIS GATE / The Detached

ANUBIS GATE / The Detached
Release : 2009
Label : Locomotive

デンマーク産 Progressive Power Metal Band、ANUBIS GATE の 4th アルバム。


#1:インスト。 #2:クサメロ炸裂の疾走チューン。緩急を使い分けた投球、じゃなくて展開は見事だ。 #3:透明感のあるサビメロだけはいいんだが…。 #4:リフのギターメロは良いんだけどね…。 #5:退屈。 #6:タイトル通り、エジプトを連想させる雰囲気を持つ曲。 #7:アコースティックなパワーバラード。 #8:退屈。 #9:アコースティックな小曲。 #10:退屈。 #11:唄メロが平坦過ぎるのがアレ。 #12:アウトロ。


Jacob Hansen (Vo/BEYOND TWILIGHT) の透明感のあるハイトーンを軸にした楽曲はそれなりにパワーもあって悪くはないんだが、いかんせん唄メロが面白くない。プログレッシヴ感の薄さにも物足りなさが残る。去年のベスト・アルバムにも選出した SEVENTH WONDER クラスかと期待したが、個人的な結果としては虚しかったとしかいいようがない。

評価:37

ARCH ENEMY / The Root of All Evil

ARCH ENEMY / The Root of All Evil
Release : 2009
Label : Century Media

ARCH ENEMYJohan Liiva 時代の初期3作を現ラインナップでリ・レコーディングした企画盤ベスト・アルバム。


#6,8,10,11:Black Earth
#2,4,13:Stigmata
#3,5,7,9,12:Burning Bridge


チューニングが半音上がったおかげかギター、ベースの音がかなりクリアで聴きやすくなり、Michael Amott のソロにいくらかの変更が見られる。Angela の Vo はモタリ気味で吐き捨てるタイプの Johan よりもリズムに忠実で整合性が取れているのが良い。この2つが原曲との大きな違いかな。ただ、どちらも聴きやすいという半面、ブルータルな攻撃性が失われてしまっているのが残念だ。

初期3作を聴いたことがない人と Johan の Vo に満足できない人向け。俺は Johan 時代のが好きだけど、音がクリアだからどうしてもこっちをかけてしまうという、Amott 兄さんの策略にまんまとハマってます (笑)

Fields of Desolation もやってほしかったと思ってるのは俺だけじゃないよね…。

評価:78

ARI KOIVUNEN / Becoming

ARI KOIVUNEN / Becoming
Release : 2008
Label : Sony

フィンランドのメタル・アイドル Ari Koivunen の 2nd アルバム。


#1:モダンだ。1曲目にも関わらず地味な曲を持ってきたな・・・。 #2:アートワークをそのまま表現したかのような暗い曲。こういう曲はアルバムの後半にあって欲しいんだけどな。 #3:地味。こういう曲はアルバムの後半に (以下略) #4:くっさー (笑) 4曲目にしてやっとキャッチーな曲。 #5:北欧らしい透明感のあるシンセが隠れがちなのが惜しいところ。 #6:バラード。特に特筆することがない・・・。 #7:キャッチーで聴きやすい曲ではあるが、いまいちこないね。 #8:退屈。 #9:Xametal 一直線。素直にこれを1曲目にすればいいのに。 #10:退屈。 #11:勢いのある曲だね。ひたすらバス連打なドラムはアレ。 #12:典型的なメロディック・メタル。”なんとか VARIUS” とか “なんとか ARCTICA” が失くした何かがここにあるかもしれない。


前作のヒットを意識したような楽曲は健在。疾走感を得られる曲もあって、より Heavy Metal な方向にシフトしてきたなぁという印象。

評価:62

ARMOUR / Armour

ARMOUR / Armour
Release : 2009
Label : Primitive Reaction
HMV で買う
フィンランドの Black Metaer の重鎮がメンバーらしい 80’s ハードロック・バンド ARMOUR の 1st アルバム。


KISS 風のゴキゲンな HardRock な #1. Rock’nroll Tonite,こりゃスラッシュ・メタルか初期ジャーマン・メタルだろ、と思わせられる #5. Satans Knights,典型的HRリフを持ったリーダートラックの #8. Hellfire,古き良き? HR/HM を思い起こさせる #10. Heavy Metal Drinkers、となかなか充実したアルバムだと言える。ただ、音質まで 80’s にしなくてもいいような…。Vo が Blackie Lawless に似てるのもあって、初期の W.A.S.P. か小型 ACCEPT ってな印象が強いな。

最近の 80’s 風バンドの中でもダントツでそれっぽさはあるね。

評価:43

ASTRA / From Within

ASTRA / From Within
Release : 2009
Label : Lion Music

Titta “谷さん” Tani (ex-DGM/Vo) 率いる? DREAM THEATER のトリビュート・バンド・コンテスト初代王者 ASTRA の 2nd アルバム。


#1:唄メロのセンスが良くなった SYMPHONY X のような曲。 #2:ここ最近多くなってきた Prog Power Metalic な曲。飛翔感のあるギターソロが素晴らしいね。 #3:突進力のあるリフが印象的な佳曲。唄メロもキャッチーでいいね。 #4:アコースティックな小曲。 #5DREAM THEATER の Another Day を彷彿させる ( 曲名もそういう意味? ) 曲。初期 DT のエッセンスが上手く消化されてるね。 #6:時折、Daniel Heiman を彷彿させる谷さんが素晴らしい。緊張感のある曲展開も流石 DGM ファミリー。 #7:小気味悪い独特のキーボード・アレンジが印象的な曲。 #8:DT 風味の強い曲。 #9:ベースが大活躍なリフがいいね。キャッチーなキーボード・ソロも美味しい。 #10QUEEN を彷彿させるピアノ主体のバラード。谷さん、ホント上手いわ。


DREAM THEATER の影響が濃い内容に DGM の遺伝子が入り込む事によって生み出されるパワーは凄まじいものがあるね。分裂してしまった DGM も見事に復活したしイタリアン・プログレッシヴ・メタル、目が離せないな。

評価:81

AT VANCE / Ride the Sky

AT VANCE / Ride the Sky
Release : 2009
Label : Afm

Olaf Lenk 率いる AT VANCE の 8th アルバム。


#1:Only Human タイプ、なのだがなぜこうも煮え切らないんだ。 #2:煮え切らなさが充満したダークな曲。 #3:キャッチーな唄メロもギターワークも良いんだけど、何この分離のない音は…。 #4:良くも悪くも普通のロック。 #5:クラシカル。 #6:ヴィヴァルディの四季より、夏の2楽章。Uli の足元にも及ばない。 #7:煮え切らない。Olaf さんならもっといいメロディ書ける気がするんだけどなぁ…。 #8:バラード。ギターソロ以外退屈。 #9:疾走曲。ギターソロ以外退屈。 #10:退屈。Vo の声質のせいか、MASTERPLAN っぽく聴こえるな…。 #11:動きまくるベースは良いが、退屈…。


Oliver HartmanMats Leven がいた頃は、すごくいいバンドだと思ってたんだけどな。お得意のクッサーいメロディも控えめだし、何があったんだ? ドラムも打ち込みっぽいし。こういう中堅の人がいいメンバーに恵まれてないのは非常に残念だ。てか、この手の音には Jorn タイプじゃなくて Oliver Hartman タイプのシンガーがいいと思うんだけどなぁ。

評価:29

BAD HABIT / Above and Beyond

BAD HABIT / Above and Beyond
Release : 2009
Label : AOR Heaven

スウェーデン産 Melodious Hard、BAD HABIT の 5th アルバム。


#1:哀愁のメロディが美味しい佳曲。 #2:哀愁抜群のサビメロが強力過ぎる。サビまでが弱いのが惜しい。 #3:#2 同様最高クラスの哀愁が良い。#2 よりも全体的なまとまりが感じられる。 #4:清涼感のあるメロディがいいね。テレキャスのような繊細で枯れたギターのオブリも上手い。 #5:最近の BON JOVI っぽい曲。 #6:モダンな音作りがアレ。 #7:耳に障るキーボードが・・・。ギターはいちいち美味しいところを持ってくな。 #8:アルバム中でも浮いた曲だが、一番ハードロックしてる曲。晴天時のドライヴに最適。 #9:#5 に同じ。 #10:地味。 #11:地味。 #12:唄メロはいい。アレンジがもっと大仰なら良かったのかも。 #13:地味。


アルバム前半で感じられる強烈な哀愁メロは素晴らしいが、トラックが進むにつれてダレてくる。全ての曲がコンパクトにまとまり過ぎているせいか、物足りなさも・・・。まぁ、前半の 3 曲と #8 だけでも十分満足感は得られるね。

評価:56

BIBLEBLACK / The Black Swan Epilogue

BIBLEBLACK / The Black Swan Epilogue
Release : 2009
Label : Spiritual Beast

スウェーデンの暗黒様式ギタリスト Mike Wead (KING DIAMOND) 率いる BIBLEBLACK の 1st アルバム。


#1:ダーク・クラシカルなインスト。 #2:スラッシュ的なヴァースから劇的暗黒様式美に変わるサビメロが素晴らしいとしか言いようがない。 #3:トライトーンの醸し出す陰鬱でダークな雰囲気が堪らないね。 #4EMPEROR のスローパートを彷彿させるブラック・メタル風味が素晴らしい。 #5:ソロパートがやヴぁいわ。漆黒の美しさだな。 #6:インスト。曲のどこをとっても暗黒美一色。 #7:要所でのクリーン Vo が印象的だね。それでいて他と変わらぬダークさもある。 #8:これは反則。スウェーデン産特有のウェット感のあるメロディを支える暗黒の美旋律が絶妙である上に、哀愁の唄メロまで飛び出し、ワウ半止めサウンドでの泣きのギターソロ、ここまでやられたらもう…。 #9BEATLES のカバー。なかなか面白いアレンジでいいね。


ギタリスト中心のバンドだけにギターサウンドが前に出てシンガーの出番も多くない。だが、それが功を得て暗黒の美旋律がこれでもかと押し寄せてくる。唯一の問題は、バンド名を検索しても結果は同名のエロアニメが大半だということだな…。本人たちは知る由もないだろうが。

評価:96

BLOODBOUND / Tabula Rasa

BLOODBOUND / Tabula Rasa
Release : 2009
Label : Marquee

スウェーデン産メタル・バンド BLOODBOUND の 3rd アルバム。Michael Bormann は脱退…。


#1-11:退屈。


前作と同じようなアルバムだと思うと確実に失敗する。キャッチーかつ疾走感のある曲は消え、ミドル・テンポで押す退屈な曲にシフト・チェンジ。しかし、ここまで極端に音楽性を変えてしまうとは…。同郷の NOCTURNAL RITES は同じような変化をして、より魅力的なバンドになったが、こっちはどうかねぇ…。次のアルバムが生死をかけた勝負か?

評価:0

BON JOVI / The Circle

BON JOVI / Circle
Release : 2009
Label : Island

前作で見事にカントリー化した BON JOVI の 11th アルバム。


Final Fantasy の CM 曲になった #1. We Weren’t Born to Follow をはじめ、前作のカントリー風味を感じさせないロックな曲が続くも、ハードなタッチの曲が少ないせいか凄く穏やかな印象だ。前々作 Have a Nice Day の後にリリースされてたら、もしかしたら違った印象だったのかもしれないな。

評価:44

CAIN’S OFFERING / Gather the Faithful

CAIN'S OFFERING / Gather the Faithful
Release : 2009
Label : Marquee

Jani Liimatainen (ex-SONATA ARCTICA) 率いる CAIN’S OFFERING の 1st アルバム。


#1SONATA ARCTICA を彷彿させる疾走曲。 #2:SONATA っぽいコード進行が印象深いミドルテンポの佳曲。 #3:北欧らしい透明感のあるメロディが美しい曲。 #4:インスト。 #5:バラード。哀愁メロが美味しい。 #6:”Wolf and Raven” を彷彿させるイントロがいいね。唄メロもキャッチー。 #7:個人的には当アルバムのベストチューン。スペーシーなキーボード・リフが強力だからね。 #8:無駄にプログレシヴな上に唄メロが平淡気味なのが残念。ここに取り出せば悪くはないんだが…。 #9:リフが #7 に似てる・・・。Jani のソロらしいソロが聴ける唯一の曲。 #10:ボートラ。日本人が好きそうな明快な疾走曲。 #11:バラード。最後を奇麗なバラードで終わらせてくれるってのは凄く好きなんだよね。


元 SONATA ARCTICA が2人 (Jani,Mikko Harkin) に Vo は Timo Kotipelto (STRATOVARIUS) とくればどんな音なのは容易に想像でき、実際そのまんま。若干プログレッシヴだが、唄メロは分かりやすくキャッチーで SONATA ARCTICA の初期作を彷彿させるし、疾走曲も充実しているので、現在の SONATA ARCTICA の代替品としても十分通用する。気になるのは Jani が徹底的に裏方に回ってしまっていることくらい ( おかげで Mikko が大活躍 ) か。まぁ元々前に出て弾きまくるタイプじゃないし、曲がいいからそれほど問題でもないか。

評価:88

CARDIANT / Tomorrow’s Daylight

CARDIANT / Tomorrow's Daylight
Release : 2009
Label : Marquee

フィンランド産パワーメタル・バンド CARDIANT の 2nd アルバム。


初期の SONATA ARCTICA を手本にしたような典型的な北欧パワーメタルって感じだけど、正直、AXENSTAR みたいなのがまた出てきたな、っていう印象。あれか、もうフィンランドの人材も出尽くしたか…。
しかし、フィンランド産のパワーメタルは STRATOVARIUS と (初期の) SONATA ARCTICA の壁が大きすぎるな。その SONATA ARCTICA に果敢に挑戦した Jani Liimatainen は対抗馬になりうるいいアルバムを作ってきたが、せめてそれと同レベルくらいじゃないと。

録音技術の進歩で音はマシになっても中身は結局何年か前のB級めろすぴと一緒なんじゃ全然お話にならないってことだね。

評価:17

CHICKENFOOT / Chickenfoot

CHICKENFOOT / Chickenfoot
Release : 2009
Label : Redline

Sammy Hagar, Joe Satriani, Michael Anthony, Chad Smith という信じられないメンバーによって結成されたロック・バンド CHICKENFOOT の 1st アルバム。


#1:Joe のギターノイズから始まるキャッチーなロック。 #2:リフ主体 (この手のジャンルじゃ当たり前か) の骨太なアメリカン・ロック。 #3:ライブで盛り上がりそうな曲。 #4:ソロ裏のリズムが面白い。 #5:#2 に同じ。 #6:#2 に同じ。 #7:#2 に同じ。 #8:大衆性の高いアップテンポの曲。運転中のBGMに良さそうだ。 #9:産業ロック的な雰囲気を持つバラード。 #10:Joe のソロが凄まじい。やり過ぎだろ。 #11:#10 に同じ。


いい歳のオジサン達が今の時代の若い軟弱なロックバンドに「Rock ってのはこうやるんだぜ」と言っているかのようなアルバム。野太く爆発力のある音がそう物語っている。ただ、どう考えてもジャムってるうちに出来たような構築感のない展開が “普段から HR/HM を聴いている俺の耳” には残らない。ほぼインプロであろう Joe の素晴らしいソロ、低音で地を固めながらも主張を忘れない M.Anthony と Chad など、いいと思える要素は多いのは確かだが…。唄メロは重要だってことだな。

評価:21

CONSTANCIA / Lost and Gone

CONSTANCIA / Lost and Gone
Release : 2009
Label : Frontiers

Mikael Rosengren が珠玉のメロディを探求し躍進するらしいプロジェクト CONSTANCIA の 1st アルバム。


#1:ウェット感のあるメロディが印象的な曲。 #2:ダークで地味な曲。 #3:聴きやすいメロディではあるものの煮え切らないね。 #4:バラード。退屈。 #5-7:退屈。 #8:アルバム中一番マシな曲。しかし、唄メロのキメを幾度となく外してるのは意図的なものなのか? #9:退屈なバラード、その2。 #10:イントロで「いい曲かも」と思った瞬間、唄メロが始まって落胆するタイプの曲。 #11-12:退屈。


「珠玉のメロディにプログレッシヴな展開、アグレッシヴなメタルを融合」という宣伝文句だったが、全然プログレッシヴでもないB級メロディック・メタル…。中心人物の Mikael さんはこの程度で珠玉のメロディだとでも思ってるのか? てか、ここ数年でそれ系のプログレ・メタルバンドが増えてきてるので全く目新しくないコンセプトもアレ。とりあえず次のアルバムに期待か。

評価:25

CRASH THE SYSTEM / The Crowning

CRASH THE SYSTEM / The Crowning
Release : 2009
Label : Frontiers

Daniel Flores (Ds/MIND’S EYE)Soren Kronqvist、両氏による 80’s メロハープロジェクト CRASH THE SYSTEM の 1st アルバム。
ゲスト・シンガーに Goran Edman, Mats Leven, Thomas Vikstrom, Bjorn Jansson が参加。


シンガー達の名前からは想像できないくらいハードポップなアルバム。ハードロックと言えるような曲も少ないが、北欧代表とも言えるシンガーがメロディアスなリレーを繰り広げるという、それだけでもう十分。秋冬のドライブにぜひ持っていきたい1枚 (笑) 。

評価:83

CRYSTAL VIPER / Metal Nation

CRYSTAL VIPER / Metal Nation
Release : 2009
Label : Twilight

ポーランド産 80’s ジャーマン風・メタル・バンド CRYSTAL VIPER の 2nd アルバム。


#1:民謡調のインスト。 #2:#1 のメロディーをリフに使った疾走曲。 #3GAMMA RAY 風の唄メロが微笑ましい曲。 #4:唄メロが煮え切らないものの、この初期 HELLOWEEN タイプの曲調が堪らんね。 #5:これまた初期 HELLOWEEN …。 #6DRAGONFORCE みたいなギターメロがアレ。 #7Leather Wych (Vo) 嬢の男らしい (笑) 歌唱が光るパワーバラード。 #8:完璧に HELLOWEEN だこりゃ。しかも Lars Ramcke (Vo/STORMWARRIOR) がゲスト参加して Kai Hansen 風味を…。 #9:今度は MANOWAR か? #10AGENT STEEL のカバー。この曲が一番いいな・・・。


今になって初期ジャーマン・メタルがいくらか再加熱してきているのは嬉しいが、オリジナリティーが皆無なのは非常に残念だ。どの曲も悪くはないが、これといった1曲がないのも厳しいところ。

評価:40

DARK ILLUSION / Where the Eagles Fly

DARK ILLUSION / Where the Eagles Fly
Release : 2009
Label : Battlefield

スウェーデン産メタルバンド DARK ILLUSION の 2nd アルバム。


正統派 Heavy Metal 一直線な #1. My Heart Cries Out for You#7. Running Out of Time, #8. spellbound、ジャーマン・メタル風の疾走曲 #2. Dark Journey、疾走感はないものの Thomas Vikstrom (Vo/THERION) の天を貫くようなハイトーンが冴え渡る名曲 #3. Land of Street Survivor、キャッチーなメロディが心地よい疾走感と共にドライヴする #4. Pay the Price, #9. Only the Strong Will Survive、3連でシンプルに聴かせる #5. Destinys CallBLACK SABBATH 風のドゥーミーさで魅せる #6. Evil Masquerade、そして、まさに抒情的な展開とメロディが散りばめられた #10. Epic、と気がつけば全曲素晴らしいという…。


北欧らしい透明感はないが、正統派メタルの理想の形だとも言える素晴らしいアルバムだ。80’s 回帰路線 or 低速化が進む中、スピードチューンが多いのもポイント高し。こりゃ 1st もチェックしないと。しかしアレだ。Thomas Vikstrom マジで上手いな。

評価:89

DAWN OF DESTINY / Human Fragility

DAWN OF DESTINY / Human Fragility
Release : 2009
Label : Shark

DAWN OF DESTINY の 3rd アルバム。


#1:陰鬱なピアノ・インスト。 #2:リフのショボいヴァイオリン音が気になるも Tanja のキャッチーな唄メロがある程度帳消しに。 #3Ian Parry (Vo/ELEGY) がゲスト参加。Ian が全部唄えばいいのに、 #4:シンフォニックなオカズが盛り沢山。 #5:哀愁の唄メロとメロディアスなギターソロが美味しい。Bass の人は唄わなくていいんだが…。 #6:取って付けたような無駄にプログレッシヴな展開がアレ。 #7:だから全部 Ian Parry が…。 #8:安易で4分音符多用の単調な唄メロがアレ。 #9:アラビアンな曲。雰囲気は出てるが…。 #10:無駄なブラストビートとかがアレ。失笑モノ。 #11:退屈。 #12:曲名通りのダークな雰囲気は出せてるが…。 #13:こういうメロディはもっと遅いテンポの曲で聴かせてくれ。 #14:単調なリズムに乗るリピートの多いサビメロがアレ。 #15:無駄に Heavy にしないで純粋なバラードにすればいいのに。


緩急の使い方がメチャクチャ。プログレッシヴだと言えばそうだが、あまりに急なテンポチェンジが素人臭さすら感じさせてしまう。いくら Tanja の健気な Vo は良くてもカバーしきれない。曲数はいらないからもっと1曲を煮詰めて欲しいね。それか、いい曲を書けるソングライターを…。
でか、ギターの人、どんだけ Yngwie が好きなのかは知らんが、せめてバッキングの時くらいハムバッカー搭載のギターを使ってくれ。ブリッジミュートの音がまんま王者だ。

評価:47

DECADENCE / Chargepoint

DECADENCE / Chargepoint
Release : 2009
Label : Spiritual Beast

美獣 Metallic Kitty こと Kitty Saric 擁するスウェーデン産スラッシュメタル・バンド、DECADENCE の 4th アルバム。


メロディアスなメロディが少なめの ARCH ENEMY ってとこか。綺麗なオネーチャンがシンガーだという点もある意味では比較対象になるか…。ただ、こっちの方が正統的なスラッシュ・メタルなのでストレートに聴けていいね。変わり映えのない曲が多いが #6. Strength of Mind は強力無比なリフから雪崩れ込むギターソロが秀才。

評価:51

DELAIN / April Rain

DELAIN / April Rain
Release : 2009
Label : Seoul

オランダ産ゴシック・メタルバンド DELAIN の 2nd アルバム。


多くのゴシック・メタルバンドの例にもれず、NIGHTWISH, WITHIN TEMPTATION 系の音。それだけ。しかしここで重要なのは Marco Hietala (Ba,Vo/NIGHTWISH, TAROT) がゲストで唄っているということ。ただ、それでさえも曲の印象を押し上げられていないのは残念で仕方ない。

評価:19

DGM / Frame

DGM / Frame
Release : 2009
Label : Listenable

バンド名の由来であるメンバーどころか看板シンガーの Titta Tani までもが脱退した DGM の 7th アルバム。


#1:疾走するキャッチーな唄メロに緩急を使い分けた展開…見事だね。 #2:いいリフだ。それ以外は煮え切らないが…。 #3:曲調の割に壮大な唄メロが陳腐に聞こえてしまうのが残念。 #4:デス声パートがアクセントになってはいるものの、退屈だ。 #5:大仰なインスト。 #6:#1 に同じ。唄メロは弱い。 #7:#6 に同じ。曲調は好きなんだけどね。 #8:テクノ風のイントロから超キャッチーなメロディに繋がった瞬間は思わずニヤけてしまった。いい曲だ。 #9:煮え切らない。 #10:疾走曲。バカテクユニゾンから哀愁を爆発させるソロパートが素晴らしい。ダークなアウトロもいいね。 #11:アルバムを締めくくるパワーバラード。終わり方が面白い。


創設メンバーに看板シンガーが抜けた穴をまったく感じさせない良いアルバムだ。方向性がそれほど変化ないのもポイント高し。新任シンガーは野太い Michele Luppi って感じでなかなかいいね。できればバンドに居続けてほしいが、どうなるやら。
アートワークは09年7月現在ダントツで No.1 だな。

評価:56

DISARMONIA MUNDI / The Isolation Game

DISARMONIA MUNDI / The Isolation Game
Release : 2009
Label : Coroner

Ettore Rigotti 率いる DISARMONIA MUNDI の 4th アルバム。


どの曲も一定以上の品質を保ってるし、高品質でいいんだけど、全部同じ曲に聴こえるよ。完璧な金太郎飴アルバム。Vo が他の音にかき消され気味なのもアレ。全曲同じだけど(笑)もし1曲だけ挙げるとしたら #9. Ties That Bind かな。リフがキャッチーなうえに緩急を分けた展開、そしてメロディアスなソロが見事。

評価:45

DREAM THEATER / Black Clouds & Silver Linings

DREAM THEATER / Black Clouds & Silver Linings
Release : 2009
Label : Roadrunner

超絶技巧楽団 DREAM THEATER の 10th アルバム。


#1:前作の延長上にあるかのようなダークな曲。 #2:メロウな唄メロとテクニカルなインストパートが美味しい佳曲。 #3:唯一の5分台の曲。Petrucci の叙情的でクラシカルなソロが堪らんわ。 #4:「アルコール依存症を克服する12のステップ」最終章。過去の楽曲からの引用が多い ( というかメドレーみたいなもんだな ) 。 #5Portnoy が亡き父に捧げた曲。”ARCH ENEMY / Nemesis” のソロを更に劇的に練り直したかのような哀愁メロが堪らない。泣ける…。 #6PINK FLOYD 的なプログレ・ワールドが素晴らしい曲。


Octavarium 以降に目立ってきたメロウ・サイドの比率が多く、初期よりもかなり聴きやすい内容になっているのと同時にある種の ‘ネタ切れ’ 感も充満している。予定調和過ぎて DREAM THEATER を聴いているとは思えないほどだ。まぁ、ポジティヴな見方をすれば、バンドの方向性に明確な一貫性が見えてきたと言えるのかもしれないね。ただ、どうしても求めてしまうんだよね、彼らならではの革新的な音と展開を…。

評価:71

ENSIFERUM / From Afar

ENSIFERUM / From Afar
Release : 2009
Label : Fontana

ENSIFERUM の 4th アルバム。


#1:いつものインスト。 #2:勇壮なクサメロを放出しながら疾走する曲。笛が美味しすぎるな。 #3:勇壮なクサメロを撒き散らしながら疾走する曲 (笑) 素晴らしきクサメロに万歳。 #4:11分の大曲。「詰め込んだ!」って感じだな。 #5:アコースティック・パートなしで疾走するシンプルな曲。その分ギターソロがピロピロ。 #6:十八番のギャロップビートが登場し疾走…。そして哀愁の口笛パートから圧倒的な劇メロのバンジョーソロへ。これはやばい。名曲 Iron を超えたな。 #7:アコースティック・サイドの強い曲。 #8:フィンランド語?の唄い。 #9:#5.Heathen Throne の Part.2 にして12分の大曲。ヲーヲーはいいな (笑)


前作の Deathbringer from the Sky のようなキラーチューンはないものの、前後半を大曲2曲で分けた聴きやすい曲配置で楽しめる。クサメロの質はいつも通り水準以上。とくに #6 のバンジョーソロは素晴らしく、(このサイトでも) 09年 Best Tunes Top10 に確実に入ってくるだろうね。

評価:72

ERIC MARTIN / Mr. Vocalist 2

ERIC MARTIN / Mr. Vocalist 2
Release : 2009
Label : Sony

MR.BIG のシンガー Eric Martin のカバー企画第2弾。


#1~12:どれも原曲を無視したカラオケ状態。聴いたことなかった曲も多いけど、おそらくどれも原曲に勝ったものはないだろうな。Amazing Glace を本来のキーで唄ってたら「これは凄い」ってなっただろうけどね。


元の歌詞が英語だったってだけでも彼にとっては楽だったろうね。MR. BIG のおこずかい回収活動のプロモーションとしてはかなり上手くいったんじゃない?
評価は前作と同じく=曲数。

評価:12

ETERNAL TEARS OF SORROW / Children of the Dark Waters

ETERNAL TEARS OF SORROW / Children of the Dark Waters
Release : 2009
Label : Massacre

フィンランド産デスメタル・バンド ETERNAL TEARS OF SORROW の 6th アルバム。


所謂 CHILDREN OF BODOM 界隈のバンドだと思ってたし実際そうだったと記憶しているが、ここで聴けるのは重厚なシンフォニック・デスメタルだ。冷え切った慟哭を撒き散らしながらゴージャスに進軍するヘヴィ・サイドの曲も美味しいんだけど、#5. Sea of Whispers#9. Nocturne Thule での普通声シンガーの導入も “もはや定番の手法ではあっても” 耳を引くものがあるな。

評価:53

EUROPE / Last Look at Eden

EUROPE / Last Look at Eden
Release : 2009
Label : Victor

EUROPE の 8th アルバム。


ヘヴィかつダークなゴシック・メタル・チューン #2. Last Look at Eden, #8. No Stone Unturned と、いかにも産業ロック的なバラード #5. New Love in Town 以外はブルージーなロック・ナンバーが盛り沢山。…と数曲を除いてレイドバックし過ぎな印象が強い曲ばかりだが、John Norum のソロだけはその中で小さくもハッキリとした輝きを放っている。特に #12. In My TimeGary Moore を彷彿させる泣きの哀愁ソロなんてもう…。Les Paul の甘い音色も堪らんね。ただ、そんな素晴らしいソロがあっても曲がこれじゃあね。厳しいわ。

評価:38

FAIR WARNING / Aura

FAIR WARNING / Aura
Release : 2009
Label : Marquee

ドイツ産メロディアス・ハード FAIR WARNING の復活第2段にして 6th アルバム。


#1:Burning Heart タイプ。ネタ切れですか? まぁ、いい曲であるんだが…。 #2:いい曲ではあるんだけど、唄メロが焼き直し気味…。残念だ。 #3:哀愁のバラード。ギターソロが控えめなのが残念。 #4:レイドバックしてるとしか言いようがない Helge の曲。しかしこの曲が個人的に一番マシ。 #5:リズムギターにまでエフェクト掛けなくても…。 #6:ドラマチックなバラード。 #7:ソロはいいんだけどね。 #8:ヌルい。これも焼き直しにしか聴こえん。 #9:煮え切らない唄メロが悲しい。 #10:Four までの Helge はどこにいったんだ…。 #11:退屈。 #12:退屈なバラード。


勢いのある曲は #1,2 だけで ( その #1,2 も焼き直し感は否めないが ) その後は絶えずヌルい曲が続く。いつもなら一撃必殺力のある Helge の曲も DREAMTIDE の 3rd に同じく…。まぁ一定以上の質は保っているので ( Dreamtide の 3rd ほど ) 聴けないことはないのだが、過去このバンドが作ってきた多くの名曲に比べたら “確実に質が落ちている” としか言いようがない。もし今 FAIR WARNING のベスト・アルバムを作るとしても、このアルバムからは1曲も入らないだろうな…。

評価:39

FAIRYLAND / Score to a New Beginning

FAIRYLAND / Score to a New Beginning
Release : 2009
Label : Napalm

リーダー、Philippe Giordana (Key) 以外のメンバー全員が脱退し、仏 Metaler のサポートの上に完成させたらしい FAIRYLAND の 3rd アルバム。


#1:インスト。 #2:なんでパート2なのかと思ったら前作のボートラか…。 #3:大仰で高揚感のあるサビメロが素晴らしい。キーボードの音色がショボイのは仕方ないのか…。 #4SYMPHONY X のランクを下げてシンフォ度が増したらこんな感じか。 #5:クサいメロディを分厚いクワイアが、って曲。 #6:#4 に同じ。 #7:初期 RHAPSODY を若干プログレッシヴにしたかのような曲。 #8:シンセだけで作ったにしては素晴らしいインスト。 #9:クサ過ぎて死ぬ…。サビメロのクサさは今年一番だな。誰が弾いてるかしらないけど、(短い…) ギターソロもなかなかいいね。 #10:エンディングなのにギャロップ・ビートで疾走するってのが美味しい。Never Ending Story のラストを思い出したよ。


余計なメンバー (失礼) がいなくなって曲の焦点が合っているのかなかなかいいアルバムだ。前作のアレが嘘のようだな。これでオーケストレーションの音が良くなれば言うことないんだけどね。

評価:58

GEFF / Land of the Free

GEFF / Land of the Free
Release : 2009
Label : Metal Heaven

スウェーデンのギタリスト Ralf Jedestedt のメロハープロジェクト GEFF の 1st アルバム。メンバーは Goran Edman, Anders Johansson, Par Stadin (ex-Silver Mountain), Mats Olausson。そして Jens Johansson がゲスト参加。


#1:キャッチーな唄メロが美味しい様式美ハードロック。 #2:AOR 風味の強い曲。ハモンドの音がいいね。 #3:#2 に同じく AOR 気味。Goran の細い声に合ったいい曲だ。 #4:北欧メタルの理想的な形だな、この曲は。輝きを放つ Jens のソロも素晴らしい。 #5:落ち着いた深みのあるロック。 #6:バラード。愁いのあるギターソロがいいね。 #7:#3 に同じ。 #8:クッサーい (笑) 80s な音な上に様式美でクサいって、最高過ぎるだろ。(当事者じゃないけどね。) #9:退屈。リフは面白いんだけどね。 #10:これまた 80s 。ギターソロ以外退屈。


北欧メタルの代表が勢ぞろいの凄いメンツだが、このメンツで考えられるような音楽性 ( Yngwie Malmsteen タイプ ) ではなく ( まぁその要素もあるっちゃあるが… ) かなりメロハー or AOR 寄り。#1,4,8 などはメタル・ファンにも通用するハードロックな曲でかなりいい出来だし、単発プロジェクトで終わらず次作を作ってくれることを期待したいね。てか、どこかのレーベルは日本盤出してあげて…。

評価:77

GOTTHARD / Need to Believe

GOTTHARD / Need to Believe
Release : 2009
Label : Nuclear Blast

スイスの国民的ハード・ロック・バンド GOTTHARD の 9th アルバム。


#1:東洋風のメロディが美味しい曲。 #2:耳に残るキャッチーなコーラスが印象的な佳曲。 #3:#2 に同じ。 #4:爽やかな唄メロがいいね。 #5:80’s なリフが絶妙な Rock’n’Roll を出してる曲。 #6:3拍子の曲。哀愁のある唄メロがいいね。 #7:夕焼け空の下のドライヴに合いそうな曲。 #8:ライブで聴きたい曲だね。やはり「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」は美味しいな (笑) #9:グルーヴ感のある重いリズムがいいね。 #10:リズム隊とギターが一体となって生み出す強力なリフが美味しい。それでいて唄メロはキャッチーだってのが罪だよね~ (笑) #11:パワーバラード。キーボードの音が無駄にゴージャスじゃないのがあくまで “ロック・バラード” って感じでいいね。


相変わらず “これといったキラーチューンはないが全ての曲で高品質” なアルバムだ。枚数を重ねてもこの方向性を失わないのは素晴らしいね。FAIR WARNING に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。

評価:77

GRAVE DIGGER / Ballads of A Hangman

GRAVE DIGGER / Ballads of A Hangman
Release : 2009
Label : Napalm

ドイツのベテラン・メタル・バンド、GRAVE DIGGER の 14th アルバム。


#1:鼻歌風のイントロ。 #2:リフ作り、ソロは流石だが、唄メロが弱い…。 #3:こういう曲こそライブで聴きたいね。 #4:サビ裏のギターが絶品。素晴らしい。疾走してるしね。 #5:#2 に同じ。 #6QUEENSRYCHE っぽいドラマ性が感じられる曲。 #7:当アルバムのリーダー・トラック。ライブで聴けば何倍も良くなりそうだね。 #8:シンプルなリフで押す曲。やはり唄メロが弱いな。 #9:アコーステッィクなパートが美味しい3連の曲。 #10:いいリフにいい唄メロ。流石だ。 #11:ドラマチックなメロディが光る佳曲。 #12THIN LIZZY のカバー。


金太郎飴状態は相変わらずだが、ここまで徹底してくれれば言うことないね。いいリフが詰まったいいアルバムだ。ライブでシンガロングできる曲が多いのも好印象。

評価:64

GWYLLION / The Edge of All I Know

GWYLLION / The Edge of All I Know
Release : 2009
Label : Black Bards

ベルギー産シンフォニック・メタル・バンド GWYLLION の 2nd アルバム。


#1:シンフォニックなインスト。 #2:シンフォニックに疾走するリーダートラック。 #3:退屈。 #4:余計なアレンジで粗が目立つ疾走曲。 #5-8:退屈。 #9:イントロの勢いをその後にも保てればいい曲になったのかもね。 #10:ピアノとシンガーのみのバラード。つまらん。


初期の DARK MOOR に近いような音かな。ただ、それよりも格下なのは否めない。
アルバム制作後に Vo がクラシックを勉強した人に変わったそうです。

評価:12

HALFORD / Winter Songs

HALFORD / Halford III : Winter Songs
Release : 2009
Label : Metal God Entertainment

Rob Halford のソロ・アルバム第3弾にしてクリスマス・ソングのカバー集。


唯一の新曲 #1. Get Into the Spirit は Rob の十八番であるスクリームが聴け、ギターソロ前のピアノ・バッキングなど、アレンジに秀でた佳曲。#1 以外で Metalic なのは #2. We Three Kings くらい。#3~10 はロック調にアレンジされた冬モノ・ソング。

正直、クリスマスにコレを聴こうとは思えないし、イヴのデート用 BGM にコレを用意するなんてのは勿論あり得ない。「クリスマス・ソングも Metal じゃなきゃイヤだ!」という人がいるかどうかは判らないけど、そういう人には向いてるんじゃないかな。まぁ “メタル・ゴッドの気まぐれ” だと思えばね。

ただ、次作は真っ当な Metal Album を期待したいね。

評価:40

HAMMERFALL / No Sacrifice, No Victory

HAMMERFALL / No Sacrifice, No Victory
Release : 2009
Label : Nuclear Blast

北欧最大の ‘金太郎飴’ バンド、HAMMERFALL の 7th アルバム。Gt に Pontus Norgren (ex-THE POODLES) が加入。


#1:シンガロングが楽しそうな曲。 #2:劣化した IRON MAIDEN としか言いようがないな。 #3:いかにも、なリフはいいが、唄メロがつまらん。 #4:疾走曲。速いだけで面白みがない。 #5:イントロの大仰なオルガンのみが最高。 #6:なんて曲名だ…。 #7:インスト。鬼才 Jens Johannsson がゲスト参加。他の曲でもこのくらいダサーいメロディを使わんとな…。しかし、Jens は流石。 #8:移民の歌…。 #9:退屈。 #10:Andi 期 HELLOWEEN みたいな曲。こういう曲だと Vo の線の細さがよけいに致命的に聞こえるな。 #11:リフが面白い。


Gt が変わっても従来の ‘金太郎飴’ 具合は相変わらず。インストの #7 みたいな曲を唄有りで作れれば何も言うことはないんだが、このバンドの歴史を考えると、奇跡でも起こらない限り無理そうだってのが残念でならない。

評価:31

HARDLINE / Leaving the End Open

HARDLINE / Leaving the End Open
Release : 2009
Label : Frontiers

Johnny Gioeli (Vo) 率いる メロディアス・ロック・バンド、HARDLINE の7年ぶりの 3rd アルバム。


親しみやすい哀愁メロディが軽快なリズム (このハイハットのパターンはかなり気に入った。) に乗る佳曲 #2. Falling Free,Josh Ramos (Gt) の素晴らしいソロがフューチャーされた #3. Start Again,美しすぎるメロディを持つ感動的なバラード #7. In This Moment、などの強力な曲が絶妙なバランスでアルバムに統一感を与え、引き締めている。AOR 的なハード過ぎない曲調も心地いい。
しかしアレだ。RAMOS-HUGO といいコレといい、Josh Ramos 、ホントいいメロディを弾くなぁ。

評価:67

HARTMANN / 3

HARTMANN / 3
Release : 2009
Label : Sonic11

Oliver Hartmann (Vo,Gt/ex-AT VANCE) 率いる HARTMANN の 3rd アルバム。


#1. I Won’t Get Fooled Again こそキャッチーでメロハーな曲だが、それ以降は退屈なハードポップ風の曲が続く。AVANTASIA の活動で盟友となった? Tobias Sammet (Vo/EDGUY, AVANTASIA) がゲスト参加した #10. Brothers も “Tobias と唄う曲なのにこの程度でいいのか?” と思わせられてしまう。自分の名前を冠したバンドだし、好きなようにやればいいと思うけど、これじゃ Oliver Hartmann 自身の飼い殺しだとしか思えない。

評価:15

HEARTLYNE / No Retreat No Surrender

HEARTLYNE / No Retreat No Surrender
Release : 2009 (1986)
Label : King

Tommy Heart (Vo/FAIR WARNING, SOUL DOCTOR)FAIR WARNING 加入前に Chris Lyne (Gt/SOUL DOCTOR) と共に結成したハードロック・バンド HEARTLYNE の幻のデビュー・アルバム。初 CD 化。


現在の SOUL DOCTOR と同様に ( 初期の ) FAIR WARNING ほど魅力のある曲はないが ( ドイツ産 VAN HALEN って感じ ) 、Tommy の若い頃の唄声が聴けるのは嬉しい。そういう意味では価値のあるアルバムなんじゃないかと。

評価:28

HEAVEN & HELL / The Devil You Know

HEAVEN & HELL / The Devil You Know
Release : 2009
Label : Rhino

Dio 期 BLACK SABBATH のメンバーでツアー限定の再結成をし、大成功。その勢いに乗って作った HEAVEN & HELL の 1st アルバム。


#1:後期 Dio SABBATH そのもの。 #2:#1 とどう違うのか? #3:Iomi 特有のドゥーミーなリフが程よい様式 ( 名曲 Heaven & Hell を彷彿させる ) と共に迫ってくる曲。 #4:おどおどしいリフに絡みつくような唄メロが美味しい曲。 #5:展開が他の曲と一緒・・・。 #6:テンポがもっと速ければこの最高のリフが映えたのにな・・・。 #7:アルバムのリーダートラック。アルバム “Heaven & Hell” 路線好きにはこの曲。 #8:#1 に同じ。 #9:せっかくのアップテンポなのに唄メロで損してる感が否めない。 #10:ドゥームさはアルバム中最高。唄メロがしんどい・・・。


HEAVEN & HELL という名義なだけに、名盤 Heaven & Hell 路線を期待してしまうが、出来上がってきたものを聴けば事前の予想 ( The Dio Years 収録の新曲 ) どおり “Dehumanizer” の方向性。もはや第2の Die Young を作ってくれとは言えないし、進化し続ける事を願うのも酷だ。まぁ、アルバムがリリースされただけでも奇跡だということで。

評価:50

HEAVENLY / Carpe Diem

HEAVENLY / Carpe Diem
Release : 2009
Label : Marquee

フランス産パッチワーク・メタルバンド HEAVENLY の 5th アルバム。


モダンなリフで幕を開けるも EDGUY 風のミドルチューンを展開する #1. Carpe Diem,終始キャッチーなメロディで耳を引く #2. Lost in Your Eyes,QUEEN へのオマージュ全開のバラード #3. Farewell,彼ららしい劇的な展開を演出する #5. A Better Me,2nd に収録されてても違和感のない劇メロを持つ #6. Ashen Paradise,そして、Beethoven の Symphony No.9 のメロディを引用したメロディック・スピードメタルの王道 #8. Ode to JoyOliver Hartmann (Vo/HARTMANN, ex-AT VANCE) がゲストで唄う #9. Save Our Soul 。と、今作も前作に引き続き捨て曲が見当たらない素晴らしい出来だ。いやぁ、ここまで強力なアルバムだとは思ってなかったよ。

日本盤ボーナストラックは Kiko Loureiro っぽいテクニカルなギタープレイが大活躍するインスト。

評価:89

HELLOWEEN / Unarmed: Best of 25th Anniversary

HELLOWEEN / Unarmed: Best of 25th Anniversary
Release : 2009
Label : Steamhammer

メロディック・パワーメタルの権化 HELLOWEEN の25周年記念アコースティック・ベストアルバム。


いきなりホーンセクションで驚かせてくれる #1. Dr.Stein から始まり、シンプルなアレンジの #2. Future World,あのイントロのピアノメロすら排除した #3. If I Could Fly,唄メロのアレンジが大人過ぎな #4. Where the Rain Grows,そして何故か疾走するドラムの上に (ティンパニにすれば良かったのに…) 重厚なオーケストラアレンジがのる #5. The Keeper’s Trilogy ( Halloween~The Keeper of the Seven Keys~The King for a 1000 Years ),遊び心が出過ぎちゃった感の強い “永遠の名曲/アルプス一万弱” #6. Eagle Fly Free,原曲のイメージをあまり変えずに “コレは成功かな” と思える #7. Perfect Gentleman,シンプルなピアノの伴奏のみにする事で曲の魅力を最高に引き出せたであろう #8. Forever and One,アコースティックと言うよりハードポップ・アレンジされ ( Michael Shenker へのオマージュ・ソロも残った ) #9. I Want Out,唯一最新作からの選曲となった #10. Fallen to Piaces,そして最後は Waikath が元恋人への恨み節を見事に表現した曲だってのに、素晴らしく壮大なオーケストラ・アレンジで感動的にすら聴こえるバンド史上最高のバラード #11. A Tale That Wasn’t Right。と、想像してた以上になかなか楽しめる。

Michael KiskePast in Different Ways で表現した生真面目なアレンジとは違ってドイツ人らしい非常に遊び心に溢れた内容になっている。ある意味で迷作と言われた(個人的には好きだけど)アルバム、Chameleon にも近い雰囲気があると思う。

唯一の誤算は Keeper 時代の名曲を、アレンジしたとはいえ唄いこなせていない Andi Deris がアレ。特に A Tale That Wasn’t Right なんて Kiske が唄ってたら、それはそれは悶絶どころじゃ済まない素晴らしい名曲に生まれ変わっていただろう。まぁ、Andi も良くやったと思うけどね。

評価:65

HOUSE OF LORDS / Cartesian Dreams

HOUSE OF LORDS / Cartesian Dreams
Release : 2009
Label : Frontiers

アメリカ産メロハー・バンド HOUSE OF LORDS の 7th アルバム。


前作同様に高品質なメロディック・ロック。安心して聴けるレベルなアルバムであることは間違いないのだが、これといって光る曲がないのが残念。イントロの強力なギターメロとギャロップ・ビートが印象的な #8.The Bigger They Come はなかなか良い出来だとは思うんだけどね。

評価:58

IMPELLITTERI / Wicked Maiden

IMPELLITTERI / Wicked Maiden
Release : 2009
Label : Victor

Mr.Melodic Metal Singer, Rob Rock が電撃復帰した IMPELLITTERI の 9th アルバム。


#1:P.H. 連発のリフがいいね。幸先のいいオープニング曲だ。 #2:アグレッシヴな曲。メロデス風のリフもいい感じだ。 #3:これまた攻撃的なリフが美味しい。とってつけたようなキーボードはアレだが・・・。 #4IRON MAIDEN みたいなリフの王道メタル。 #5:劇的マイナー調イントロの雰囲気を一気にぶち壊す構成が・・・。 #6:”RAINBOW / I Surrender” 風のピアノが印象的。 #7:なぜここでオールドスクールなロックンロール?六ヶ国協議にサンバカーニバルが迷い込んだのか?ってくらいの違和感がある。 #8:最低なキーボード・アレンジ。 #9:退屈。 #10:どっかで聴いたことのあるような唄メロだけはマシ。


特筆するほどではない、いつもの彼。原点復帰と銘打つ割には近作のメロデスからの影響は濃いし、初期の音楽性と比較するのは不可能。終始確信犯的に登場する最低なキーボード・アレンジが耳に付くのもアレ・・・。第2の Rat Race を作ってくれとは言わないが、それを期待してしまうのは仕方ないことか。

評価:46

JADED HEART / Perfect Insanity

JADED HEART / Perfect Insanity
Release : 2009
Label : Frontiers

過去 Michael Bormann (Vo/ZENO etc) も在籍した、ドイツとスウェーデンの2国籍メタル・バンド、JADED HEART の 9th アルバム。


Bormann 時代よりも Power Metalic になった。特に #2. Love Is A Killer, #6. Freedom Call はそれが顕著で、しかもギターソロが典型的なネオ=クラシカル。この2曲のインパクトが強すぎる為か他の曲の印象は薄いが、メロハー時代を彷彿させる時もあって Power Metal と Melodious Hard の中間的な楽しみ方が出来る。そうは言っても、よく聴くのは #2 と #4 なわけだが…。

評価:67

JORN / Spirit Black

JORN / Spirit Black
Release : 2009
Label : Frontiers

MASTERPLAN に正式に復帰した歌鬼 Jorn Lande の 6th アルバム。


#1:ブルージーで唄メロの弱い曲。テンポを落とした ACCEPT / Metal Heart みたいだな…。 #2:退屈。 #3:アートワークのような情景を思わせる曲。 #4:これまた退屈。歌唱自体は鬼なんだけどね…。 #5:VAGABOND の 1st にあった曲のリメイク。 #6:退屈。 #7:RAINBOW を彷彿させるリフが印象的な曲。ソロも Blackmore タイプだな (笑) 短いのが惜しい。 #8:曲調は悪くないんだけど、唄メロがね…。 #9Tarja Turunen (Vo/ex-NIGHTWISH) のソロからのカバー。原曲の北欧の雪原を思わせるような透明感とはかけ離れた Heavy な曲に生まれ変わっている。 #10:退屈なボートラ。


カバー曲が一番いいってのが非常に残念。Daniel HeimanTim ‘Ripper’ Owens と同様、いいシンガーにはいいソングライターがいないと、だな。そういう意味では MASTERPLAN に復帰してくれたことは嬉しいね。てか、Frontiers Records ならその他のシンガー企画みたいに外部ライターに書いてもらってセンスのいい社長に選曲してもらえばいいのに。

評価:38

KATSU OHTA (太田カツ) / Eternal and External

KATSU OHTA (太田カツ) / Eternal and External
Release : 2009
Label : King

ARK STORM の Gt、太田カツ の 2nd ソロ・アルバム。


#1:どこをどうとっても Yngwie Malmsteen 一色。 #2:退屈。Yngwie も時々こういうブルージーな曲を書くよね。 #3:いんぐヴぇー 。 #4:バッハの小フーガみたいなフレーズに「もういいから、小フーガをやってくれ!」と思わせられるインスト。 #5:退屈。 #6:やっちゃったよ (笑) 相当な Yngwie 好きなんだな。 #7:退屈。 #8:退屈。 #9:Yngwie の模倣だと言う以外の言葉が見つからん。 #10:Vo は専門の人に任せた方が…。 #11:インスト。


Yngwie フォロワー。ただ、外国産のよくある劣化版とは違って音が綺麗。事故前の Yngwie までとはいかないもののそれに限りなく近いんじゃないかと。…と、ネオ=クラシカルタイプのギタリストとしては超一級だが、没個性=個性なのか。オリジナリティが皆無。まぁある意味でそれを期待してたわけだが、フレーズもほぼ聴いたことがあるようなものだと流石にね…。ARK STORM は聴いたことないから判らないけど、もっと耳に残る唄メロを書かないとアレなんじゃない?

評価:32

KIKO LOUREIRO / Full Blast

KIKO LOUREIRO / Full Blast
Release : 2009
Label : Victor

新世代ギターヒーロー Kiko Loureiro のソロ 3rd アルバム。


#1:ワウを効果的に使ったメロディが印象的な曲。 #2:キャッチーなメロディにバカテク・パートも充実した曲。 #3:プログレッシヴな上にどうやって弾いてるのかすら分らないほどテクニカルな曲。 #4:ジャズ・フュージョン風ながらもメロディがしっかりしてるのがいいね。 #5:ブラジリアン・ジャズな中でメタリックな奏法が光る。 #6:シングルコイルの良さが全面的に表れた音が心地よい。これを BGM に水割りなんて最高かも。 #7:#3 に同じ。 #8:いちいち音がクリアで上手い。溜息が出るね。 #9:哀愁のアコ・パートから爆走しさらに哀愁を増す…。最高峰のギターインストだとしか言いようがない。。 #10:ジャズ。速い曲の後にこういうのを入れてくるセンスは流石。 #11:#4 に同じ。リードメロは相変わらず素晴らしい。 #12:アルバムを最後を締める哀愁・ジャズ。


Metal の要度は勿論必要だとは思うが、2nd の密度の高い音に惚れてしまった者からすれば若干物足りない。1st と 2nd の中間に位置するアルバムって事だし仕方ないが、個人的には 2nd の方向性に Metal で養ったキャッチーなメロディセンスをふりかけた、メロディ至上主義者も納得できるようなアダルティな音が欲しいんだよな…。まぁ何はともあれ凄まじいギター・アルバムであることには変わりない。俺のようなヘタレ・ギタリストはこれを聴いてその実力の天文学的な差に目の前が真っ暗になることは間違いない。

評価:55

KILLING TOUCH / One of a Kind

KILLING TOUCH / One of a Kind
Release : 2009
Label : Marquee

VISION DIVINE をクビになった Michele Luppi 率いる KILLING TOUCH の 1st アルバム。


#1:爽やかさと力強さが競合する曲。VISION DIVINE っぽい。 #2:アコースティックな小曲。 #3:程よい Heavy さがあるものの唄メロが面白くない。 #4:#3 に同じ。 #5:前半の疾走感を後半まで残してほしかったね。ギターソロはなかなか。 #6:パワーバラード。唄メロがつまらん。 #7:無駄にバス連打する退屈な曲。 #8:ピアノ・インスト。 #9:唄メロが退屈。 #10:メロハーちっくな爽やかな曲。 #11:バラード。エンディングのソロが素晴らしいね。 #12:退屈。 #13:ボートラ。アコースティック・バージョン。


当然ながら Luppi の歌は超一級、他の演奏陣も非常に上手いが、耳に残るメロディが皆無。ここまで的を外していると意図的だとしか思えないね。従来のパワーメタルやメロディアス・ハードにモダニズムを導入したとでも書けばいいのか…。唯一足りないのはこの手のメタルに必要不可欠な “高揚感のある叙情的なメロディ” だな。

評価:48

KISS / Sonic Boom

KISS / Sonic Boom
Release : 2009
Label : KISS Records

地獄からの使者 KISS の 19th アルバム。


どの曲も KISS らしい Rock ‘n’ Roll ないい曲なのは間違いないのだが、唯一らしくないメロディック・ロックな曲があり、それが Eric Singer が Vo をとる #7. All for the Groly だ。過去の名曲ほどではないけどこの曲は凄くいいね。当サイトで多くみられる、所謂メロディック・メタル系のバンドの曲と比較しても何ら遜色のない曲だ。他の曲は今までの KISS を知っている人ならかなり予定調和なので、正直そんなに印象に残らなかった…。


KISS 名義で新譜を出した事自体が奇跡みたいなものなので、非常に嬉しいが、重要なのはこのアルバムを引っ提げて来日公演を行うかどうか、だな。てか、日本盤が出ないのは何故?

3枚組の限定盤を買ったんだけど、日本限定でリリースされたリ・レコーディング・アルバム “地獄列伝” が入ってるってどーゆーことよ (知ってたら買わなかった…) 。DVDはボーナス・ディスクとは思えないほど良かったけど…。

評価:52

KREATOR / Hordes of Chaos

KREATOR / Hordes of Chaos
Release : 2009
Label : SPV

三大ジャーマン・スラッシュの一角、KREATOR の 12th アルバム。


屈強な突進力とアグレッションがアルバムを支配する一方 #4. Amok Run での抒情的ソロや #10. Demon Prince の強力なメロディも曲に花を添えている。

評価:46

LACUNA COIL / Shallow Life

LACUNA COIL / Shallow Life
Release : 2009
Label : Century Media

イタリア産ゴシックメタル・バンド LACUNA COIL の 5th アルバム。


前作の東洋的な雰囲気はどこへやら。ノーマルなゴシックロックになってしまった。アメリカ進出を意識し過ぎなんだろうね。ただ、#3. Not Enough, #5. I Like It は従来の哀愁メロディを聴くことができるので、それが救いか…。

評価:35

LAST AUTUMN’S DREAM / Dreamcatcher

LAST AUTUMN'S DREAM / Dreamcatcher
Release : 2009
Label : Escape Music

毎年恒例 (日本盤は 08 年リリース) LAST AUTUMN’S DREAM の 6th アルバム。


#1:一昔前の SF 映画風なインスト。 #2:哀愁の唄メロが素晴らしい佳曲。 #3:これまた哀愁のメロディが堪らない曲。 #4:後ろのアルペジオをなぞる様な唄メロがいいね。 #5:ヴァース、ブリッジと、溜めに溜めた後のとんでもない哀愁サビメロに昇天。素晴らしい。名曲だ。しかもエンディング・ソロがまた・・・堪らんわコレ。 #6:Burning Heart に通じるリフのメロディが秀才。 #7:韓国ドラマにでも使われそうなくらいの哀愁。まじかよ。 #8:明るいアップテンポの曲。 #9:古臭いシンセ・アレンジがいいね。 #10:これまた Burning Heart っぽいメロディが・・・。ネタ切れか? #11:地味。 #12:地味。 #13:リズミカルな曲。 #14:素晴らしいギターソロが聴けるバラード。ただ、弾いてるのは Andy じゃない・・・。


その生産性からか、同じような曲が詰まったアルバムをリリースしてきた彼らだが、やっと一歩踏み出た感じがする。予定調和とは言え、いいメロディーが多いのは強みだからね。ところで、もう元 Fair Warning の彼はスペシャル・ゲストとかでいいんじゃない?

評価:68

LEAVES’ EYES / Njord

LEAVES' EYES / Njord
Release : 2009
Label : Napalm

独産ゴシックメタル・バンド LEAVES’ EYES の 3rd アルバム。


ヘヴィでないケルティックな曲は良い印象なんだけど、どうも Metalic な曲になるとその音の弱さが気になって…特にギターの音の分離が。まぁ、オーケストレーションは見事だし展開がヴァイキング・メタルっぽい民謡調だったりで楽しめるのは間違いないんだけどね。

評価:37

LION’S SHARE / Darkest Hours

LION'S SHARE / Darkest Hours
Release : 2009
Label : Blistering

スウェーデン産、正統派メタル・バンド LION’S SHARE の 6th アルバム。


#1:じゅーぅだす!じゅーぅだす!こういう曲はライブでシンガロングするのが最高なんだよね。 #2:地味な3連の曲。 #3:いい曲なんだけど、地味すぎる…。 #4:彼らのルーツである BLACK SABBATH っぽさが全開。 #5Nils Patrik Johansson の声はエフェクトと相性が悪いって事が証明されたな。 #6:映画が元ネタかな? サビ裏のギターがいいね。 #7:もう少し曲にフックがあればね…。 #8:キャッチーではあるが、いまいち唄メロが弱い。 #9:ここまで一辺倒だと厳しいな。 #10:#9 に同じ。 #11:これまた SABBATH。Patrik はこういう曲が似合うね。


Nils Patrik Johansson の熱血 Dio 歌唱は相変わらず素晴らしいんだけど、曲がそれを生かせていないような気がしてならない。ライブで聴けば印象が変わるのだろうか?

評価:42

LIV MOON / Double Moon

LIV MOON / Double Moon
Release : 2009
Label : Victor

元タカラジェンヌの歌姫 Akane Liv を擁するシンフォニックメタル・バンド LIV MOON の 1st アルバム。


Akane Liv の強力でオペラチックな Vo を軸に聴きやすい唄メロで惹きつけるという点ではほぼ全ての曲で一貫していてその点ではいいと思うんだけど、何?作曲者はホントに Metal を知ってんの?って感じが梅雨時の湿気みたいにジメジメ漂ってる。
クリーンなトーンで聴かせるパートはシンセ主体でそれほど違和感がないんだけど、一転ヘヴィになるパートではよくある J-POP 系のギターの GAIN をただ上げただけの陳腐なサウンドになっている。ギターソロも少ないし…。ついでに、ベースは無駄に音量が大きく音がぼやけてしまい、本来のリズム隊としての役割が全く出来ていない。
(勝手な憶測だけど)これは恐らく普段 Metal を聴いてないから、Metal の音作りが全く判ってないんだろう。さらに、作曲の中心人物である Key は ( #2. 月架 の冒頭で ) 安易な音色チョイスで笑わせてくれるし、#4. The Phantom of the Opera では興味深い ( 褒めてません ) Vo を聴かせてくれる。


マーケティングに国内最高の組織(笑)が絡んでるようなのでこのアルバムとライブで稼げたら、次のアルバムではもっとまともな HR/HM を知る人材で作ってほしいね。Vo のパフォーマンスは素晴らしいわけだし、キチンとした Metal 畑の人たち(もしくはプロデューサーと)で制作すればもっと良いものが出来ると思うよ。まぁ、Vo 以外のメンバーを一新するのが理想だけどね…。

評価は、今後への期待を込めたのと音質さえ気にならなければそれなりに良いんじゃないかと思ったから。( Akane Liv が超美人だってのを評価に入れる場合は +10 で ) ただね、あんだけ Symphonic Metal と宣伝しておいてこの程度だってのはちょっとガッカリしたな。

評価:66

LUNATICA / New Shores

LUNATICA / New Shores
Release : 2009
Label : Napalm

もはや、Andrea の声質だけではどうしようもなくなってきた LUNATICA の 4th アルバム。


#1:良くあるゴシックとメロディックなメタルとの間を彷徨ってる感が漂う曲。サビメロ以外つまらない。 #2:哀愁のメロディーが美味しいが、まだまだこんなもんじゃないハズ・・・。 #3:B級サスペンスのエンディングテーマみたい。 #4:もう少し抑揚があればね。 #5:受けそうな曲調ではあるが、唄メロがいまいち。 #6:男シンガー主体のバラード。「なぜお前が歌うんだ?」と嘆きたくなるね。 #7:モダンな曲。つまらない。 #8Michael Kiske 辺りがゲストでデュエットしたら素晴らしい曲になっていただろうな。 #9:哀愁のある唄メロだけは聴ける。 #10:なんてことないバラード。 #11:退屈。


再び 2nd の奇跡を期待するも、予想どおり。いい意味で期待を裏切って欲しかったが・・・。まぁそれは前作ですでに感じられたことなんだけどね。音楽性は定まっているので、あとはいい曲を書いてくれさえすれば・・・ “Avalon” みたいな劇的な曲をね。

評価:33

MAGNUM / Into the Valley of the Moonking

MAGNUM / Into the Valley of the Moonking
Release : 2009
Label : SPV

大英帝国が誇る老舗ハード・ロックバンド MAGNUM の 14th アルバム。


#1:インスト。 #2:哀愁のメロディと渋みのある Bob Catley の歌唱が光る佳曲。 #3:まさに英国産ロックな湿り気のあるメロディが特徴的。かなり POP な曲調だけどそれがまたいいね。 #4:こりゃまた伝統的な HR だね。 #5:クランチぎみのギターがいい味だしてるね。ギターソロの哀愁も素晴らしいし、言うことないな。 #6:単調なストリングスが気になるものの、Bob Catley の哀愁歌唱が全部帳消しにしてくれてるな。 #7:#2 に同じ。 #8:ライブ・アレンジ? いいバラードだ。 #9:#6 に同じ。もう少しキーボードの音に厚みがあればいいんだけどね。 #10:Bob Catley、こういうソフトなバラードだと他にも増して哀愁が滲み出てくるな。 #11:哀愁ハードロックってのはこうでないと。ギターがいちいちオカズを入れてくるもの美味しい。 #12:大人のロック。渋いねぇ…。


重鎮バンドなだけあって、安定した曲が聴ける。Bob Catley の声は (もう61だしね) 衰えてはいるものの、その衰えを渋みという武器に変えてしまっているのだからまた素晴らしい。そんな超一流の歌唱を陰で支える他のメンバーの演奏のタイトさも凄いの一言。ソロ活動と同様にこっちも出来るだけ続けてほしいね。

評価:62

MARTY FRIEDMAN / Tokyo Jukebox

MARTY FRIEDMAN / Tokyo Jukebox
Release : 2009
Label : Avex

仙神との感動的な共演も記憶に新しいお茶の間メタル・ギタリスト、Marty Friedman が J-POP をカバーしたアルバム。


#1:原曲のメタルっぽさをそのまま引き継いだヘヴィな曲。 #2:ディスコみたいなアレンジがアレ。 #3:コブシの効いた叙情的なメロディが素晴らしい名曲を100% Heavy Metal で再現。最高だとしか言いようがない。 #4:軽い J-POP なメロディが Marty のおかげでマシに聴こえる。 #5:ギターオーケストレーションは見事。 #6:#4 に同じ。 #7:アレンジが素晴らしいね。原曲の Vo もこのくらいエモーショナルに唄えればねぇ…。 #8:#4 に同じ。 #9:原曲無視のヘヴィなアレンジがいいね。( 原曲聴いたことないけど、多分こんな曲じゃないことは確かだ。 ) #10:LoudSpeaker に入ってたヤツ? #11:そこらじゅうのスキー場の BGM 。ここまで哀愁のある曲に変わるとは…。これは普段でもアコ・インストものとして聴きたいね。 #12:中国風の曲。映画のサントラみたいだな。DRAGONFORCE の Gt は少しくらいこの叙情さを見習ってくれ。


シンガーが有名曲をカバーするのが流行ってるが、Marty もその波に乗ったか…。しかし、”天城越え” 以外は全く重要じゃないな、と思ったが全くその通りだった。J-POP も隅々まで聴ける HR/HM ギターファンなら気にいるかもね。俺には天城越えだけでも十分3000円の価値があった。#3 天城越え は2009年度のベストカバーに決定。

評価:55

MASTODON / Crack the Skye

MASTODON / Crack the Skye
Release : 2009
Label : Warner

ジョージア州アトランタを拠点にするプログレッシヴ・メタル・バンド MASTODON の 4th アルバム。


独特の、と言うだけでは言い表せない音世界を今作でも展開している。DREAM THEATERRUSH の系譜ならこっちは PINK FLOYD ( Frank Zappa 色も濃いが ) と言ったところか…。特に #4. The Czar で感じられる不安感と浮遊感が入り交ざる前半は鳥肌モノ。Vo がモロ Ozzy Osbourne なのはアレだが…。

評価:52

MEAN STREAK / Metal Slave

MEAN STREAK / Metal Slave
Release : 2009
Label : Sound Pollution

スウェーデン産正統派メタル・バンド MEAN STREAK の 1st アルバム。


NWOBHM 時代に消えていったバンドたちを彷彿させる所謂 IRON MAIDEN, SAXON の二番煎じ的な印象。キャッチーな唄メロは多いし疾走感もあって悪くはないんだが、如何せん Vo が…。キーの不安定さが数倍増した Kai Hansen だ…。

曲のセンスはいいだけに勿体ないとしか言いようがない。Daniel Heiman とか Thomas Vikstrom が唄ったら最高なんだけどね…。

評価:36

MEGADETH / Endgame

MEGADETH / Endgame
Release : 2009
Label : Roadrunner

Dave Mustain 率いる MEGADETH の 12th アルバム。


#1Dave Mustain と 新加入の Chris Broderick (Gt) が怒涛のバトルを繰り広げるインスト。 #2:初期の勢いを彷彿させる。これは凄い…。 #3:キャッチー&メロウサイドの曲。唄の至らないところを完全に払拭するギターが素晴らしい。 #4:これこそインテレクチュアル・スラッシュなリフが最高。ギターバトルも素晴らしい。 #5:2つの強力なリフが構築する曲展開は見事の一言。 #6:ミッドテンポの本篇から一気に疾走するソロへと流れ込むことがもう…これだよ大佐。 #7:捻くれた展開が Mustain らしい曲。 #8:アコースティックな前半からシンフォニックな後半へ2部展開する名曲。 #9:#8 の静寂感を粉砕する強烈なリーダートラック。この曲順は最高だとしか言いようがないね。 #10:アルバム中で最も唄メロがしっかりしてる曲。ライブで聴きたいね。 #11:地を這うようなリフから Hangar 18 風のリフへ…。そしてソロはスピードアップ。いいねぇ。


初期4作の頃の MEGADETH が帰ってきた。あえて言えば、Rust in Peace の再来だ。MEGADETH 完全復活。バンド史上最高クラスのテクニカル・ギタリスト Chris Broderick の加入は大成功だったと言えるね。強力な名曲がある Rust in Peace と比べたら曲単体での魅力では劣るもののアルバムとしては ( 個人的には ) 最高傑作だと思う。願わくばこのメンバーで続いてほしいね。

評価:91

METALIUM / Grounded ~ Chapter 8

METALIUM / Grounded ~ Chapter 8
Release : 2009
Label : Massacre

男の中の漢 Lars Ratz (ba) 率いる METALIUM の 8th アルバム。


「ヘーーヴィーー・メートゥ!」という無駄にクドいサビメロで耳を惹きつける #1. Heavy MetalJUDAS PRIEST 風味が美味しい #6. Falling Into Darkness 、力強い唄メロと疾走感がヘッドバンギングを誘発する #9. Once Loyal 。と、良いと思える曲も少なからずあるものの、ここ数作に見え隠れする異常なまでの地味さは払拭できず。彼ら独特の暑苦しさが全く衰えていないのは嬉しいが、やはり聴きたいのは Henning Basse (Vo) の強烈なハイトーンが縦横無尽に飛び交う疾走曲なんだよね。

評価:53

MIND KEY / Pulse for a Graveheart

MIND KEY / Pulse for a Graveheart
Release : 2009
Label : Frontiers

DREAM THEATER のサポート・アクトを務めた、イタリア産プログレッシヴ・メタルバンド MIND KEY の 2nd アルバム。


#1:リズムが主体となって唄メロを引っ張っていくような曲。おかげでリズム隊の2人が目立ち具合が凄い。 #2:キラキラ・シンセの音 ( ハープシコードじゃないよ ) が曲を豪華に聴こえさせるが、それが逆に耳触り。 #3:超 DREAM THEATER タイプ。曲調はいいんだけど、唄メロがアレ。 #4:キャッチーな唄メロを曲の中で消化できてないように感じる。 #5:ギターソロの哀愁加減が美味しい。 #6:アコギ1本のインスト。 #7:キーボードソロ裏のリズム Gt がいいね。てかシンセ、こんなに音量いらんだろ。 #8:インスト・パートは凄くいいんだけど、唄メロが煮え切らない。 #9:Jazz パートが素晴らしすぎる。Vo の出番が少ないのもポイント高い…。 #10:アコースティックなバラード。唄メロが聴ける (笑)


シンガーの Aurelio Fierro Jr. さん、Russell AllenJorn Lande タイプの声質でどう考えても “オイシイ” ハズなのに、肝心の唄メロにフックがなく “唄メロが曲の足を引っ張ってるな” と思ってしまう。他のプログレ・ハードなバンドを見習ってもっと耳に残るメロディを書かないと、( この手のバンドが増えてきてるだけに ) アレなんじゃないかな

評価:40

MISSING TIDE / Follow the Dreamer

MISSING TIDE / Follow the Dreamer
Release : 2009
Label : Lion Music

ROYAL HUNTHenrik Brockmann (Vo), Jacob Kjaer (Gt) 率いるオールドスクール・メタルバンド MISSING TIDE の 1st アルバム。


様式美センスが素晴らしい #1. Follow the Dreamer , JUDAS PRIEST を彷彿させるリフが美味しい #3. Traces of Fire , NWOBHM を匂わせる #8. Push It to the Limit , そして、HR/HM の伝説的な名曲の名が歌詞に刻まれた #11. Long Live the Heroes , と 元 ROYAL HUNT 組が作ったとは思えないほど正統派な音だ。アルバム全体から感じられるのは “初期 DIO” の現代版とでも表現できそうな感触で、ある意味で懐かしさも感じられるかもしれないな。
目新しさは皆無だが、十分メロディックだし ROYAL HUNT 脱退後の Henrik のキャリアから見てもトップ3には入るんじゃないかな。

評価:76

NORTHERN KINGS / Rethroned

NORTHERN KINGS / Rethroned
Release : 2009
Label : Warner

フィンランドの名シンガー4人にシンフォニック・アレンジされた 80 年代の名曲を唄わせるプロジェクト、NORTHERN KINGS の 2nd アルバム。


#1:VINCE DICOLA ( Rocky IV ):インスト。
#2:BON JOVI
#3:SEAL
#4:SINEAD O’CONNOR
#5:DURAN,DURAN
#6:FRANK SINATRA
#7:DEPECHE MODE
#8:A-HA
#9:KYLIE MINOGUE:見事なドゥーム・メタル。
#10:SEAL
#11:THIN LIZZY


当然全て有名な曲が選ばれているんだが、そのバンドの曲なら他にも、とどうしてもツッコミたくなる。どうせなら誰もが知る名曲中の名曲を思いっきりアレンジしてくれれば良いんだけど・・・。前作の Don’t Stop Believin’ くらいの衝撃が欲しかったね。

評価:22

陰陽座 / 金剛九尾

陰陽座 / 金剛九尾
Release : 2009
Label : King

妖怪ヘヴィ・メタル・バンド、陰陽座 の九尾の狐をコンセプトに 2009/9/9 にリリースされた 9th アルバム。


#1:映画のエンディングのような爽快感のある曲。飛翔メロが美味しい。 #2:典型的な陰陽座ソング。 #3:ブリッジのハイハットのリズムが印象的。 #4:哀愁のギターメロが曲を引っ張る曲。 #5LOUDNESS を彷彿させるリフが印象深い疾走曲。サビを中盤まで溜めておくのはズルイよ (笑) #6Gary Moore かよ…。このギターソロは明らかに Blues サイドの Gary Moore だ。 #7:何かのゲームのテーマソング。キャッチーで一般受けが良さそうだ。 #8:何かのゲームのテーマソング その弐。いつもならシングルのB面に入ってそうな曲。 #9:九尾組曲その壱。和エロ・ソング (笑)。静かに激しいな (笑) 黒猫姉さんのしっとり濡れ濡れ歌唱が堪らん…。 #10:九尾組曲その弐。正体がバレたって感じがちゃんと出てる。 #11:九尾組曲その参。ラストバトル。スラッシュ・メタル気味。 #12:タイトル連呼型。Cry Out に聴こえるのは意図的なものか?


前作が “最高傑作の後の生ぬるいアルバム” だっただけに凄くよく聴こえる。曲もいつも通りの金太郎飴状態なのだが、九尾組曲の情景描写力は実に見事。前回の義経組曲のソレをはるかに上回るいい曲だ。てか、#7,8 は収録しなくてもよかったような気がするんだけど。それと、大して評価には影響しないことだが、黒猫姉さんの語尾の母音を無視したビブラートが気になる…。
しかし、アレだ。ジャケの黒猫姐さんが堪らん (笑)

評価:75

OUTLOUD / Outloud

OUTLOUD / Outloud
Release : 2009
Label : Frontiers

FIREWINDBob Katsionis (Key, Gt), Mark Cross (Ds) 率いる 80’s テイスト・メタル・バンド OUTLOUD の 1st アルバム。


#1:嫌でも DEEP PURPLE を彷彿させてしまうリフがまさに 80’s 。 #2:4WD 車の CM にも使えそうなハードロック・ナンバー。サビ裏でさり気なくギター切り込んでくるラストがいいね。 #3:まさにこれこそ 80’s な “BON JOVI / Runaway” を彷彿させるリフがアレ。これは卑怯だぞ (笑) #4:80’s LA METAL 風。 #5:パワー・バラード。優しいメロディが心地いい。 #6:絶品なギターメロが光る佳曲。起承転結の効いたソロも素晴らしい。 #7:NWOBHM 風。 #8:NWOBHM を匂わせるヴァースからキャッチーなメロハーへの移行が美味しい曲。 #9:ギャロップ・ビートが美味しい曲。 #10:アコースティック・バラード。 #11:王道パワー・メタル・ソング。”スネア裏打ち → バス連打疾走” はやはり強力だな。キャッチーなギターソロもいいね。


見事に 80’s HR/HM を再現し、且つそれを現代的なサウンドで聴かせてくれる。80’s を匂わせるバンドは多いけどここまでやってくれてるのは他にはいないだろうな。程よいオーマージュも好印象。化粧の濃いオネーチャンを呼ぶ STEEL PANTHER , 猪突猛進型 HR/HM オヤジを呼ぶ OUTLOUD って構図で来日公演なんてどうですか?

評価:85

PATHOSRAY / Sunless Skies

PATHOSRAY / Sunless Skies
Release : 2009
Label : Frontiers

イタリア産プログレッシヴ・メタルバンド PATHOSRAY の 2nd アルバム。


#1:曲名通りのダークさが美味しい。何気にキャッチーな唄メロもいいね。初期 DREAM THEATER の雰囲気がある。 #2:哀愁の唄メロが素晴らしい佳曲。 #3:静と動のコントラストが美しい曲。 #4ANGRA を彷彿させる Jazz 風味のアコ・インストからハモンド・オルガンまで…。多彩だな。 #5:プログレッシヴ・パワーバラード。 #6:全然先が読めない展開に、アコースティックなソロ、そして哀愁のギターソロ。堪らんね。 #7:ブリッジの女性 Vo がいいアクセントになってるね。 #8:#9 へのイントロ。 #9DREAM THEATER / Metropolis Pt.2 を1つの曲にまとめたかのような曲。PINK FLOYD / Dark Side of the Moon を躊躇するアウトロが秀逸。 #10:アコースティック・バラード。


2人のシンガー ( Bass の人もリード・パートを唄ってる ) がいることで曲に良いアクセントが作れてるのがいいね。それこそが他のプログレ・ハードと呼ばれる CIRCUS MAXIMUSSEVENTH WONDER との差別化につながるわけだしね。てか、最近こういうバンド増えたよね ( 特にイタリア産のが ) 。

評価:68

PERSEFONE / Shin-Ken

PERSEFONE / Shin-Ken
Release : 2009
Label : Soundholic

アンドラ公国 (スペインとフランスの間らしい) 産のプログレ・デスメタル・バンド PERSEFONE の “サムライの死生観” をコンセプトにした 3rd アルバム。


#1:「五輪の書」その壱。 #2:時々顔を出す日本的なフレーズが美味しい。爆走するソロパートもいいね。 #3:琴ソロが最高。日本モノのコンセプトなのにギターソロでネオクラになってしまうのは御愛嬌か (笑) #4:「五輪の書」その弐。 #5:劇的な展開は見事。Vo の音域とバッキングの音域が被ってるのが残念。 #6:「五輪の書」その参。ジャズ風。 #7:All クリーン Vo の曲。いいね。OPETH の Damnation を彷彿させる雰囲気がある。 #8:インスト・パートの充実度が半端ないね。 #9:「五輪の書」その四。 #10:初期プログレ風のパートも盛り込まれた印象深い曲。 #11:「真剣」組曲その壱。DREAM THEATER 風味全開。 #12:「真剣」組曲その壱。#7 に同じ。 #13:「五輪の書」その伍。 #14:インスト。和音階が心地よい。 #15CACOPHONY のカバー。このバンドのカバーをやろうと思うこと自体が素晴らしいね。


海外のバンドが日本の歴史をコンセプトにすると、その結果、非常に陳腐に聴こえてしまいがち ( EUROPE の Ninja とか ) だが彼らはきちんとリサーチしたらしく非常にマトモな出来。特に「五輪の書」のインスト5曲は素晴らしいとしか言いようがない。陰陽座ほど顕著ではないが、いい具合にジャパンチックな雰囲気を味あわせてくれる。

評価:60

PLACE VENDOME / Streets of Fire

PLACE VENDOME / Streets of Fire
Release : 2009
Label : King

伝説の人 Michael Kiske の為の AOR プロジェクト PLACE VENDOME の 2nd アルバム。


#1:美しいピアノの調べから哀愁のメロディへと流れる。前作の1曲目と同様、ハード・ロックよりな曲。 #2:Frontiers 御用達、Magnus Karlsson 作曲の素晴らしい曲。 #3:まさに AOR な美しい曲。珍しくファルセットを使っている。 #4:前作における “I Will be Waiting” な位置づけかな。 #5CASTING CROWNS というバンドのカバー。原曲のポスト・グランジっぽさを払拭する Kiske とバックの面々は見事だね。 #6:前作の Place Vendome に通ずる明るいアップテンポの曲。 #7:HR/HM 畑のミュージシャンは絶対に書きそうにないソフトなタッチのロック。 #8:北欧ロック風のアレンジが美味しい佳曲。Kiske、ハイトーン余裕じゃないか・・・。 #9:前作の “Right Here” 系の曲。 #10:一般受けの良さそうな明るいロック・ナンバー。こういうポップなセンスは好きだな。 #11:まさに AOR な大人な曲。 #12:あまりに感動的で劇的な悶絶必死バラード。SOLEIL MOON というバンドのカバーだが、軽く原曲を超えている。素晴らしすぎる。 #13:#2 のアコースティック・バージョン。俺はこっちの方が好き。


外部ライターを採用したにも関わらず、前作と変わらないクオリティの曲を聞かせてくれるのは流石。Frontiers 社長の選曲力とバックのアレンジの貢献度は大きい。それでもやはりキモになるのは Kiske の歌唱で、全盛期と変わらない素晴らしさを保っているのは素晴らしいとしか言いようがない。本人はソロでのライブを先にしたいようだが、PLACE VENDOME としての来日を期待せずにはいられない。( もしソロで来日したとしても100%行くけどね。)

評価:94

PORCUPINE TREE / The Incident

PORCUPINE TREE / The Incident
Release : 2009
Label : Roadrunner

Steve Wilson 率いるプログレ・サイケ・ハードロック・バンド PORCUPINE TREE の 10th アルバム。


プログレシヴメタル、プログレッシヴロックの名盤と言えば PINK FLOYD / The Darkside of the MoonKING CRIMSON / In the Court of the Crimson KingDREAM THEATER / Metropolis Pt.2 などが挙げられるが、そこにもう一つこのアルバムを加えたいほどの素晴らしいアルバムだ。
OPETH / Damnation を彷彿させるメロウでダークな曲から爽やか系 HR までカバーし、PINK FLOYD クラスの浮遊感とサイケな雰囲気を持ち合わせ、David Gilmour のようなギターまで聴かせてくれる。素晴らしすぎて文句の付けようがないね。中でも圧巻なのは11分の大曲 #9. Time File だ。PINK FLOYD / The Darkside of the Moon を初めて聴いたときと同じようなトリップ感すら感じさせてくれるこの “70’s プログレな” 音世界はもはや彼らにしか出せない芸当だろう。


前作はやや薄味だったし、前々作はメタル過ぎた。ここにきて “本来の意味でのプログレッシヴ・ロック” に近づいた感があるな。

評価:99

PRAYING MANTIS / Sanctuary

PRAYING MANTIS / Sanctuary
Release : 2009
Label : Frontiers

NWOBHM 時代からの老舗、Troy 兄弟率いる PRAYING MANTIS の 8th アルバム。


#1:ROYAL HUNT っぽい疾走曲。ROYAL HUNT っぽく聴こえるのは Mike Freeland の声質のせいか…。 #2:唄メロは煮え切らないものの、この独特の哀愁ハードポップは流石。 #3:退屈。 #4:これぞ PRAYING MANTIS 節。素晴らしい哀愁ハードロックだ。 #5:素晴らしい哀愁メロが聴けるバラード。 #6:#4 に同じ。いいねぇ…。 #7:キャッチーな唄メロが美味しい佳曲。 #8:#4 に同じ。この哀愁メロは、ホント、素晴らしいとしか言いようがない。 #9:これまた良質なハードポップ。 #10:#2 に同じ。


いつもの PRAYING MANTIS 節が余すところなく聴ける。NWOBHM 30周年と言われるにも関わらず、1st から質を保ち続けているのには感服させられる。キラーチューンがないようにも思えるが、個人的には #4 が多少パワー不足は否めないが十分その役割を果たしてると思う。

評価:71

PRIMAL FEAR / 16.6 ( Before the Devil Knows You’re Dead )

PRIMAL FEAR / 16.6 ( Before the Devil Knows You're Dead )
Release : 2009
Label : King

新ギタリストに Magnus Karlsson が加入した、ドイツの Metal God、PRIMAL FEAR の 8th アルバム。


#1:インスト。 #2:キャッチーな唄メロが美味しい典型的ジャーマン・メタル。 #3:モダンでダークな曲調が印象的な曲。ライブでシンガロングしたい曲だね。 #4:スローテンポのヘヴィな曲。イラク戦争のニュースらしき語りが入る。 #5:#2 に同じ。 #6:極めてダークな曲。要所でのストリングス・アレンジが美味しい。 #7:新機軸か。緩急を使い分けた展開は見事だ。 #8:”HELLOWEEN / Gorgar” の PRIMAL FEAR 版か? #9:パワーバラード。唄メロが煮え切らないのが残念。 #10:#2 に同じ。 #11JUDAS PRIEST 風のリフがいいね。 #12:アルバム、Painkiller での PRIEST を彷彿させる攻撃的な曲だ。 #13:PRIMAL FEAR とは思えないほど産業ロック的な曲。 #14:ボートラ。リミックス・バージョン。


初期のモロ JUDAS PRIEST な音楽性から抜け出し、ある程度のらしさを持ててきたように感じる。ただ、前作から Metal is Forever クラスの強力な曲が見当たらない (いい疾走曲はあるんだけど、過去の名曲と比べるとどうしても…) 。とりあえず、Magnus Karlsson の活躍に期待かな。ライブは最高なんだけどね…。

評価:74

QUEENSRŸCHE / American Soldier

QUEENSRŸCHE / American Soldier
Release : 2009
Label : Rhino

Geoff Tate が戦争を最前線で戦った兵士にインタビューし、それを元に、”戦争” をテーマに作られた QUEENSRŸCHE の 10th アルバム。


#1-12:退屈。


前作は 歴史的名盤 “Operation : Mindcrime” の続編だったというだけで、そのフタをとって見れば、寝かしすぎてカビの生えたカレー ( そんなのは見たこともないけど ) のように散々な状態。音楽的な面白みは皆無だが、実際の兵士の心境を音で表現するとこんな感じになるのかもしれない。けど、流石にここまでつまらないと擁護のしようがない。

評価:1

RAVEN / Walk Through Fire

RAVEN / Walk Through Fire
Release : 2009
Label : King

英国産老舗メタル・バンド RAVEN の 14th アルバム。


#1:インスト。 #2:イントロリフがカッコ良過ぎる疾走曲。 #3:NWOBHM の息吹がそのまま時を経て、って感じの曲だね。 #4:#3 に同じ。 #5:Metalic な Rock ‘n’ Roll 。 #6:曲名通りだ (笑) #7:#3 に同じ。 #8:#3 に同じ。 #9:#3 に同じ。 #10:#5 に同じ。 #11:#5 に同じ。 #12:曲調はいいんだが、唄メロの非力さがどうしても気になってしまう。 #13:#5 に同じ。 #14:#5 に同じ。 #15MONTROSE のカバー。


NWOBHM の息吹がそのまま時を経て、って感じのアルバム。こういうバンドはライブで観てこそのバンドだね。( 先日の来日公演、行けなかったのが残念だ。)

評価:54

REVOLUTION RENAISSANCE / Age of Aquarius

REVOLUTION RENAISSANCE / Age of Aquarius
Release : 2009
Label : Scarlet

Timo Tolkki のバンド REVOLUTION RENAISSANCE の 2nd アルバム。


#1:メロディアスなメタル。こういうのは2,3曲目にあるといいんだけどね。 #2:勢いのあるリフだけはいいが、唄メロが入った瞬間に地味になる曲。 #3:イントロが長く期待感は高まるが、それを完璧に打ち砕いてくれる。 #4:正統派メタルっぽい曲。唄メロの立案者は Gus かな?Tolkki が書かなそうなメロディだ。 #5:後期 STRATOVARIUS によくあった退屈なバラードを彷彿させる。 #6:スローテンポの退屈極まりない曲。 #7:#5 に同じ。 #8:#5 に同じ。 #9:”SONATA ARCTICA / Victoria’s Secret” のカバーかと思った。たまたま同じになったなんて言い訳は通用しないな。これじゃ・・・。


ダブル・バス・ドラムを駆使した所謂 “めろすぴ” が完全に消え、ゴシック・メタルやメロディアス・ハード的な方向性が強くなっている。後期 STRATOVARIUS に見られた ( Eagleheart のような ) ポップなメロディも少なく、Timo Tollki のコンポーザーとしての資質は完全に枯れたのではないかと思わせられるのは ( 今更だが ) 悲しいことだ。
まぁ、前作はゲスト陣にギリギリ支えられていたようなアルバムだったので、ある意味では予想通りの内容かな・・・。

評価:27

RICHIE KOTZEN / Peace Sign

RICHIE KOTZEN / Peace Sign
Release : 2009
Label : R&C

マルチプレイヤー Richie Kotzen の 16th アルバム。


今作は全楽器・全パート弾きまくりなのだが、楽曲の魅力が乏しいとしか言いようがないくらい退屈。一番マシなのが JACKSON5 のカバー #13. I Want You Back って一体…。

「タマ・ホーーム!」とかやってる場合じゃないだろ(笑)

評価:23

ROSWELL SIX / Terra Incognita

ROSWELL SIX / Terra Incognita
Release : 2009
Label : Progrock

STAR WARS のスピンオフも書いてる SF 小説家 Kevin J. Anderson の小説と連動したロック・オペラ・プロジェクト ROSWELL SIX の 1st アルバム。


#1:オルガン・ソロのイントロが美味しい大曲。ロック・オペラ。疾走するクサメロ・パートが素晴らしいね。 #2:キーボードの宇宙的シンセ音中心の様式美ハードロック。てか、キーボードの人どんだけクサメロ好きなの? #3:シンフォニック・メタル化した BLACKMORE’S NIGHT みたいな曲。リード Vo は James LaBrie (DREAM THEATER)#4:哀愁のメロディが美味しすぎるアコースティック・バラード。 #5:Lana Lane が歌う、まんま LANA LANE な曲。 #6:これまた BLACKMORE’S NIGHT をハードにしたような曲。 #7:地味。 #8DREAM THEATER 的なフログレ要素の強いインスト。 #9:クサい…。この曲でこそ LaBrie に唄ってほしかったなぁ。 #10:サントラ風。小説をベースにしてる以上は仕方ないのか…。 #11:アコースティックなバラード。 #12:哀愁のメロディが光る曲。 #13:スペーシーなインスト。疾走する劇的なクサメロが最高。2009年最高峰のクサメロだ


LANA LANE のキーボードの人が中心人物なだけあってキーボード・ソロがその凄まじいクサメロでもって美味しいところを全部持っていってしまう。ただ、そのクサメロが所謂 “めろすぴ” のソレとは比較にならないほど劇的で、演じ手に回り素晴らしい歌唱を披露している Lana LaneJames LaBrie をも霞ませてしまうほど。これだけいいアルバムだと、次のアルバムも期待したいが、きっと単発企画なんだろうなぁ…。

評価:78

SAINT DEAMON / Pandeamonium

SAINT DEAMON / Pandeamonium
Release : 2009
Label : Frontiers

Ronny Milianowicz (Ds/ex-DIONYSUS) 率いるスウェーデン産メタル・バンド SAINT DEAMON の 2nd アルバム。


#1:ブリッジ~コーラスのキャッチーな唄メロが美味しい曲。 #2:リズム隊が主役のヴァースが印象的。テンポアップするギターソロもいいね。 #3:スウェーデン産らしいウェット感のある唄メロが素晴らしい。 #4:テンポを落とした剛健なサビが印象的。 #5:絶妙にキメれてない唄メロがアレ。雰囲気はいいんだけどね。 #6:哀愁抜群の唄メロがいいね。短いのが難点。 #7:ヴァースとブリッジの勢いをコーラスまで保っててくれればねぇ。 #8:これだよこれ!パワーメタルのお手本のような曲。 #9:このイントロは反則 (笑) #8 同様パワーメタルの王道。 #10:地味。


流石は元 DIONYSUS 。その名に恥じないいいパワーメタル・アルバムだ。出来れば Anima Mundi クラスの名曲を期待したいが…。

評価:59

SALUTE / Toy Soldier

SALUTE / Toy Soldier
Release : 2009
Label : Escape

Mikael Erlandsson (Vo/LAST AUTUMNS DREAM) 率いるニュー・バンド SALUTE の 1st アルバム。


#1:アメリカンなハードロックとは言ってもヨーロピアンな音だけど…。 #2:爽やかさとハードさが絶妙なバランスで封じ込まれた佳曲。 #3,12:アメリカン・ロック。 #4:スローなギャロップビートがダークな雰囲気作りに一役かってるね。 #5:アメリカン・ロック・バラード。 #6,11:彼らしいウェット感のあるメロディだが、どこかアメリカンな雰囲気もある。 #7:アップテンポで軽快にロックする佳曲。 #8:哀愁のあるコード進行がおいしい。 #9:古典的ハードロック。こういうストレートなのもいいね。 #10:素晴らしいパワーバラード。哀愁…いや、郷愁メロが心にしみる。


LAST AUTUMNS DREAM よりも若干アメリカン・ロックな雰囲気が感じられるものの、メロディはいつもの哀愁メロ。その点安心して聴ける。ハイハットとの同化も抑えられてるようだしね (笑)

評価:62

SAVAGE CIRCUS / Of Doom and Death

SAVAGE CIRCUS / Of Doom and Death
Release : 2009
Label : Dockyard2

Thomen Stauch (Ds) が元職場である BLIND GUARDIAN の初期の音楽性を求めて作ったバンドだったが、その Thomen が脱退。そして、パワーメタル・バンド御用達 Mike Terrana が加入した SAVAGE CIRCUS の 2nd アルバム。


昨今の BLIND GUARDIAN より何倍も魅力的であるものの、当時の本家を超えるには至らず…。とりあえずコレで2枚目だから、次のアルバムで第2の “Lost in the Twilight Hall” を作ってくれることを祈ろうかな。勿論 Kai Hansen のゲストありでね!(笑)

評価:49

SAXON / Into the Labyrinth

SAXON / Into the Labyrinth
Release : 2009
Label : SPV

NWOBHM の生き証人 SAXON の 18th アルバム。


#1:壮大なイントロが印象的な曲。サビがキャッチーなのがいいね。 #2:ライブで聴きたい Rock ‘n’ Roll な曲。 #3:剛健なリフが美味しい疾走曲。 #4:40秒程の小曲。 #5:大仰なコーラスが特徴的な曲。ザクザクなリフが堪らないね。 #6:曲名そのまま。 #7:退屈。 #8:インスト。 #9:退屈。Biff Byford の声はこういうソフトな曲には合わないな。 #10:退屈。 #11:曲名を見たとき SCORPIONS のカバーかと思ったよ。違ってよかった (笑) まぁ五十歩百歩か? #12:ドライヴの時に聴きたい典型的 Rock 。 #13:ボトルネック・バージョン。


全体的には前作と同じような印象。IRON MAIDEN もこのくらいやってくれればいいんだが…。

評価:30

聖飢魔II / 悪魔 Nativity “Song of the Sword”

聖飢魔II / 悪魔 Nativity - Song of the Sword
Release : 2009
Label : Avex

地球征服10周年の 聖飢魔II が海外凱旋のために英語詞でリ・レコーディングした大教典。日本盤 (通常盤) 。


#1:インスト。 #2:名疾走曲。デーモン閣下Rob Halford みたいな唄い方に。ギターソロはエース長官の方が良かったかな。 #3:英語詞になったことによって原曲のチープさが改善されて骨太のハードロックに進化。 #4:ネオ=クラシカルな疾走曲。英語詞もアルバム中一番馴染んでる。 #5:最後の大教典に収録された名曲。てか、これリ・レコ何回目? #6:メジャーキーの POP なハードロック。 #7:古典的ロック。またもや閣下が Rob 風に…。 #8:この大教典のために書かれた新曲。アメリカンな風味のあるロック。HIDE (X JAPAN) のソロの曲っぽい感じがある。 #9:クランチ気味のリズムギターが心地よい曲。 #10:三味線のバッキングが用いられた和な曲。 #11:#8 と同様にアメリカン・ロックの雰囲気が強い。 #12:後期聖飢魔IIを代表する疾走曲の一つ。スウェーデン組のコーラスも見事。 #13:悪魔組曲 作品第666番 変二短調 No.1 。インスト。 #14:悪魔組曲 No.2 。JUDAS PRIEST 風の正統派リフが美味しい。 #15:悪魔組曲 No.3 。閣下の唄いとエキセントリックなギターが面白い。 #16:悪魔組曲 No.4 。ネオ=クラシカルなギターインスト。 #17:悪魔組曲 No.5 。Rob ってる閣下の歌唱が素晴らしい。 #18:ポップな曲。E-Bow を使ったソロが面白い。キングギドラ?の声も聴ける (笑)


初期の楽曲が多く、所謂パワーメタルなアルバムだ。日本語だとかバンドのコンセプトが…とかで今まで敬遠していたメタル・ファンに聴いてほしいアルバムでもある。英語詞になることによってそのチープなイメージが払拭されているのも素晴らしい。個人的には一番好きな曲 “地獄の皇太子” のソロのアレンジは悲しいものがあるが、小さい頃好きだった (今も大好きだけど) 曲が新たな息吹を吹き込まれて蘇っているのには何か感銘的なものを感じるね。
評価は (いつもは他のアルバムと比較して付けるけど、ベスト盤だから年間ベストにも入れないし) 完璧に主観的な数値で。

評価:99

SEX MACHINEGUNS / 45゜↗

SEX MACHINEGUNS / 45゜
Release : 2009
Label : MRS entertainment

国産お笑いメタル・バンド SEX MACHINEGUNS の 8th アルバム。


最初の正統派風リフを無視していきなり SLAYER / Angel of Death っぽくなる #2. 部屋とTシャツと親父, 哀愁のある歌詞(笑)が印象深い #4 アドレス変更, 初期 HELLOWEEN を彷彿させる #8. DEATH GAME, その曲名とは裏腹にとんでもないインパクトを持つ #10. 森のくまさん, 終始マトモな歌詞をアルバム中最もキャッチーなメロディに乗せてに唄う #11. プライド。と、このバンドのアルバムとしては全曲水準以上の出来。(前作でいいと思ったの曲は “人妻キラー” くらいだったからなぁ。 )


#11. プライド みたいな普通の曲も作れるならもう少しお笑い要素を薄めてもいいとは思うんだけどね。それか、どうせなら全曲ネタ全開で。だって、普通の歌詞なのに #11 に違和感を感じるってのがねぇ…。

評価:70

SIRENIA / The 13th Floor

SIRENIA / The 13th Floor
Release : 2009
Label : Nuclear Blast

ノルウェー産シンフォニック・ゴシック・メタルバンド, SIRENIA の 4th アルバム。


#1:シンフォゴスの王道を行く佳曲。 #2:ピアノメロが効果的なメロディアスな曲。ゴシック・メタルが苦手でも十分に通用するであろういい曲だ。 #3:静と動を使い分けた構成が面白い曲。 #4:アコギソロ前の合唱パートが鳥肌モノ。男 Vo もいい味出してるね。 #5:もっと明確にツイン Vo を強調してくれるともっと良くなると思うんだけどね。 #6David Gilmour の スティール・ギターを彷彿させるリフのトーンが堪らん。 #7:サビ裏のピアノ・アレンジが極上。 #8:地味。 #9:哀愁のヴァイオリン、これに尽きるな。


Ailyn の (線が細いが) 伸びやかな歌声と完全にマッチしたいい曲が多い。ポスト、NIGHTWISH な位置づけになってしまうのは仕方ないが、少なくともその界隈では軍を抜いていいバンドなんじゃないかと。

評価:63

SLAYER / World Painted Blood

SLAYER / World Painted Blood
Release : 2009
Label : Columbia

帝王 SLAYER の 10th アルバム。


強力なリフと支離滅裂気味なソロに支えられた #1. World Painted Blood 、超弾きまくりなソロから幕を開ける #3. Snuff 、歌心を聴かせてくれる #7. Human Strain、となかなか聴ける曲もあるにはあるが、残念な事に過去のアルバムで感じられたような強烈なアグレションが薄いのが難点。音が若干モッサリ気味なのも気になるな。

評価:22

SONATA ARCTICA / The Days of Grays

SONATA ARCTICA / The Days of Grays
Release : 2009
Label : Nuclear Blast

SONATA ARCTICA の 6th アルバム。


#1:インスト。 #2-3:退屈。 #4:めろすぴふぁん向けの曲。あざといな。
#5-13:退屈。


前作 Unia 路線をさらに突き詰めたかのようなつまらなさはもはや拷問レベル。
シンフォニックなアレンジには無駄に凝っているが、ギター、ベース、ドラムがあまりに単調すぎてその差が笑える。恐らく Tony の作るデモは相当作りこまれていて、それに対して誰も口を出さないのだろう。よって自分の担当である唄メロ、キーボードは凝っているが、それ以外は手抜きというか、ここまでしかできないのだろうな。アルバム中最も浮いた #4 を PV にして売り出すという姑息な手法もアレ。

「美しいメロディを書いた」と CAIN’S OFFERING でのインタビューで語っていた Jani Liimatainen の圧勝だ。

次のアルバムからは “Tony kakko’s SONATA ARCTICA” にした方がいんじゃない?

評価:8

STEEL PANTHER / Feel the Steel

STEEL PANTHER / Feel the Steel
Release : 2009
Label : Universal

成人指定 “Fuck All Night” エロオヤジ・ヘア・メタル軍団、鋼鉄の女豹 STEEL PANTHER の 1st “ふりかけ” アルバム。


#1:曲名がすべてを物語ってるね。歌詞の馬鹿さ加減も最高。まぁ、メタルが最高だってことだな。 #2:「アジアの娼婦をファックしようぜ」って曲。ギターソロがモロ無修正の Yngwie 。歌詞が面白すぎる。 #3:「お前の事を愛してるけど、俺のムスコはみんなのモノなんだ」って曲。なんでこんな叙情的に (しかもマジメに) 唄えるんだか (笑) テーマはどうあれ素晴らしいバラードだ。 #4:「中年のオバちゃんだけどその分判ってるからタマンネー」って曲。一度聞けば誰でも耳に残るであろうキャッチーが美味しい。 #5:「君の二重顎に俺のソーセージを」って曲。BON JOVI っぽいな。 #6:「クリちゃんの唄」。VAN HALEN っぽさ全開。 #7:どう考えてもモロ BON JOVIJustin Hawkins、上手いなぁ。 #8:「お前のセルライトなんて見たくないから電気消そうぜ」って曲。Vo は A7XM. Shadows#9:「諸々の料金を払ってくれるストリッパー」の曲。音は、感動的なバラード…。 #10:これまた BON JOVI + DEF LEPPARD ってとこかな。 #11:「オクラホマの娘が夜通し俺のタマを…」って曲。カントリー風の良曲。 #12:唯一普通の歌詞? ACCEPT + BON JOVI かな。Udo ? Rob ? のモノマネが上手い。


* 所有しているのは輸入盤なので歌詞を見てテキトーにどんな曲なのかメモしたけど、違ってる可能性あり *
歌詞は下ネタ全開で伏字が多いこと多いこと…。そんな内容にも関わらず音は素晴らしい。他の有名バンドから拝借したであろうフレーズが大量だが、それでもオリジナリティを感じる時もある。まぁアレだ。一発屋で終わらない事を祈るのみ。下ネタ話で引いちゃう人は輸入盤を買って歌詞を気にせず聴くのがいいんでないかな。

評価:85

STRATOVARIUS / Polaris

STRATOVARIUS / Polaris
Release : 2009
Label : Victor

Timo Tolkki の呪縛から解き放たれ、その後任には驚異的なテクニックを持つ Matias Kupiainen (Gt) が加入。 そんな新生 STRATOVARIUS の 12th アルバム。


#1:Matias 作曲のキャッチーかつプログレッシヴな曲。スペーシーな雰囲気が凄くいいね。 #2:普遍的な HM 。地味。 #3:Jens の鬼才っぷりが凄まじい。キーボードソロは圧巻。この曲が一番好きかも。 #4:Koti 作曲の疾走曲。ボートラなのが信じられないくらいいい曲だよ。 #5:Jens 作曲の素晴らしいネオ=クラシカル・メタル。これまた素晴らしいソロが聴ける。 #6:Jens が真夏に書いた冬を思う曲。哀愁美溢れるピアノソロが素晴らしいね。 #7:Lauri 作曲の典型的 STRATOVARIUS な曲。あぁ、こういうのを待ってた。 #8:なんだよ Koti いい曲書けるじゃないか。 #9:Lauri による失恋の曲。雰囲気はあるが唄メロが煮え切らないな…。 #10:Emancipation Suite Pt.1 。Land of Ice and Snow ? #11:Emancipation Suite Pt.2 。哀愁のギターソロが素晴らしい。 #12:名曲 Forever を彷彿させる美しい曲。


STRATOVARIUS 復活。Tolkki がいないにも関わらず STRATOVARIUS らしさを一切失っていないのは誇るべきことだろう。ただ、やはり初期の曲に感じられたあの悲壮感は失われた。まぁ、Infinite 以降、彼の神通力は枯れ果てていたので、この再出発はとてもいいタイミングだったと思う。評価は高めだが、このアルバムは JUDAS PRIEST で言う Angel of Retribution みたいなものだということで。アートワークも素晴らしいしね。

評価:87

STREET LEGAL / Bite the Bullet

STREET LEGAL / Bite the Bullet
Release : 2009
Label : Frontiers

DA VINCIBjorn Boge (B,Vo)CONSEPTION, ARKTore Ostby (Gt) によるメロディアス・ハードロックバンド、STREET LEGAL の 2nd アルバム。


#1:ブリティッシュ・ロック。出来ればライブで聴きたい曲。 #2:アクが強いものの爽やかさを感じられるメロディがいいね。 #3:ARK っぽいね。もし Jorn が唄ってたらやヴぁかったね。 #4:アメリカン・ロック風のメロディが美味しい。 #5:哀愁のギターメロが涙腺を上手に刺激する・・・。 #6:#4 に同じ。 #7ARKCONSEPTION のいいトコ取り。素晴らしい。そういや、こんなタイトルの映画があったね。 #8:爽やかな ハードロック。 #9:インスト。後半の爽やかなギターメロがいいね。 #10Michael Sembello のカバー。ソロ直前のパートがすごく良いね。 #11:バラード。


DA VINCI をさらにハードにして ARK の雰囲気を足したような・・・。メンバーの前身バンドの名を聞いてそのまま想像できる音楽性で、それらのバンドが好きなら迷わず気に入るであろうアルバムだと言える。

評価:55

STRYPER / Murder by Pride

STRYPER / Murder by Pride
Release : 2009
Label : Big3

シマシマ・クリスチャン・メタルバンド STRYPER の 7th アルバム。


#1:キャッチーなメロディが印象的な普遍的メロディアス・ハードロック。 #2:#1 に同じ。Michael Sweet のハイトーンは衰えが伺えるものの、これだけ出れば十分か。 #3:ライブでシンガロングしたくなるようなコーラスが美味しい佳曲。 #4:STRYPER の十八番でもあるバラード。 #5:#1 に同じ。 #6:モダンなコーラスの後に切り込むギターソロが美味しい。 #7-8:退屈。 #9:産業ロック的な曲。 #10:退屈。 #11:唄メロが煮え切らない。Michael Sweet の声だけじゃどうにもならんな。 #12:メロディは良いんだけど、無駄に重い音なのがアレ。アコースティック・アレンジされれば良くなりそうだが…。


復活作である前作 Reborn の延長上にある音楽性。まぁ、いまさら初期の音を期待しても仕方ないのだが…。25周年らしいので、是非来日して過去の名曲たちを聴かせて欲しいものだ。( 現時点ではツアー日程に日本は入ってない。 )

評価:61

SUNSTORM / House of Dreams

SUNSTORM / House of Dreams
Release : 2009
Label : Frontiers

Joe Lynn Turner のメロハー・プロジェクト SUNSTORM の 2nd アルバム。


#1:爽やかで透明感のある曲だが、唄メロがいまいち。 #2:これまた爽やかでドラマチックな曲。泣きのギターソロが素晴らしい。 #3:ドラマのエンディングなんかに良さそうな曲。サビメロのままフェードアウトしてほしかったなぁ。 #4:爽やかさとハードさが絶妙にドライヴする佳曲。 #5:Joe のハスキーな声に合った素晴らしいバラードだ。 #6SURVIVOR っぽさ全開のアップテンポな曲。 #7:曲調は悪くないんだが、唄メロがどうも煮え切らない。 #8:爽やかなメロハー。 #9:SURVIVOR っぽさ全開、其の弐。Jim が書くとどんな曲も SURVIVOR っぽくなるな。 #10:当アルバムのリーダートラック。飛翔感のある唄メロが素晴らしいね。 #11:大仰なバラード。


一定以上の質は保っているものの、他の Frontiers リリースの企画モノと比べると、どうしても見劣りしてしまう。もう、この手の企画自体に限界が生じてきてるんじゃない? Frontiers さん

評価:54

THE ANSWER / Everyday Demons

THE ANSWER / Everyday Demons
Release : 2009
Label : Albert

UK 産ハードロックバンド THE ANSWER の 2nd アルバム。


前作同様に LED ZEPPELIN 直系の骨太 Rock を聴かせてくれるし、曲構成の幅も広がってるんだけど、結局のところ LED ZEPPELIN の焼き直し以下にしか聴こえないのが問題。今、この時代にこの音楽性で挑戦してる姿勢は素晴らしいと思うけど、そろそろ独自の色を出してもらいたいね。”ZEP 大好き” 一辺倒じゃねぇ。


まさにその ZEP 一直線な #4. Cry Out と古き良き Rock ‘n’ Roll 魂の詰った #11. Evil Man は好き。

評価:43

THE MORNING AFTER / You Can’t Hurt Steel

THE MORNING AFTER / You Can't Hurt Steel
Release : 2009
Label : Rising

BLESSED BY A BROKEN HEART への UK からの回答? THE MORNING AFTER の 1st アルバム。


#1:インスト。 #2:80年代のB級クサさと現代的な曲の融合。面白い。 #3:サビが普通歌唱になる超今風な曲。全部グロウルで通せばいいのに…。 #4:ルーツ丸出し。 #5:キャッチーだが長めなのが残念。いろいろ詰め込み過ぎなんじゃない? #6HEAVENLY クラスのパッチワーク技術だな。恐れ入った (笑) #7:キャッチーな面とダークな面の配置が上手いね。リフがモロなのは笑えるよ。 #8:メロディがいちいち強力だな。これでシンガーが上手かったら良かったのに…。 #9:教会風インスト。 #10:これまたキャッチーでいいね。ギターソロをフェードアウトさせるニクイ演出も美味しい。


IRON MAIDEN をベースに AVENGED SEVENFOLD をブレンドして DRAGONFORCE で薄めてみましたって感じだね。BLESSED BY A BROKEN HEART への UK からの回答ってのもあながち的を外れてない言い方だ。問題はいいリフの割にその後が続かないことかな。無駄に凝った展開が多く変にプログレッシヴになってしまっているので、そこをもっとストレート多めで変化球を少なめにすれば耳に残り易くなると思うんだけど。… Vo の頼りなさはどうにかしてほしいね。

評価:59

THE POODLES / Clash of the Elements

THE POODLES / Clash of the Elements
Release : 2009
Label : Lion Heart

母国スウェーデンでは大ヒット中の哀愁メタル・バンド THE POODLES の 3rd アルバム。


#1:ドラマチックで壮大な曲。哀愁メロが堪らん。 #2:キャッチーで哀愁タップリな名曲。相変わらずドラムが単調だが、なくてはならない要素になってきたね。 #3:リズミカルなメロディが面白い佳曲。 #4:母国でも大ヒットらしい素晴らしいバラード。 #5Jonas Reingold (B/MIDNIGHT SUN) との共作曲。Jonas のおかげかメタリックさが強い。 #6:哀愁の唄メロが堪らない佳曲。その弐。 #7:ヘヴィでモダンながらも、極上の哀愁メロが来るあたりは流石だとしか言えないね。 #8GUNS N’ ROSES 風のロックに彼らの十八番である哀愁メロを散りばめた佳曲。 #9:哀愁メロが堪ら (以下略)。シンフォニックな味付けもいいね。 #10:感動的なダーク・バラード。 #11:産業ロック的な曲。哀愁が (以下略)。 #12:他よりも弱いがやはり哀愁 (以下略)。 #13:哀愁メロまっしぐら。 #14:ドラマチックな哀愁ソング。映画のエンディングでこれが流れてきたら間違いなく号泣だな。


ザ☆哀愁。2009年最高の哀愁メタルだ。ただ、過去のアルバムと比べてハードな曲が減ってきているので “メロディアス・ロック” と言った方が正しいかもしれない。まぁ何にせよ、全ての曲で哀愁全開だ。素晴らしいなんてもんじゃないな。日本盤が出ないのが理解できないね。先行発売でもいいくらいだ。ともかく、日本盤リリース⇒来日公演 (単独) って流れを一刻も早く! てか、母国のボートラで出てる Raise the Banner (これがまた超名曲) が収録されていないのが信じられない。

評価:92

THE TROPHY / The Gift of Life

THE TROPHY / The Gift of Life
Release : 2009
Label : Frontiers

Todd Wolf (Gt), Michael Bormann (Vo/Zeno) によるメロディック・メタル・バンド THE TROPHY の 1st アルバム。


#1:唄メロの弱さを Bormann が程よく緩和してくれている。 #2:優しいメロディが染みる佳曲。 #3:#1 に同じ。音がちょっと Heavy 過ぎる気がする。 #4:青春映画のエンディングに良さそうな曲。こういう曲にはもっとクリーンな声の人の方が…。 #5:アクの強いメロディが印象的な曲。 #6:唄メロが煮え切らない・・・。Bormann マジックも神通力が弱いな。 #7:#6 に同じ。 #8:アメリカン・ロック風の雰囲気がある曲。 #9-11:#6 に同じ。


Todd Wolf さんがいま在籍するバンドよりもメロディックな曲をやりたいとの事で結成されたらしいが、メロディックというならもっとキャッチーで耳に残るメロディを書いて欲しいものだ。Michael Bormann の神通力も多くの煮え切らないメロディに多少の色を添えてはいるものの力不足感は否めない。

評価:24

TIM ‘RIPPER’ OWENS / Play My Game

TIM 'RIPPER' OWENS / Play My Game
Release : 2009
Label : SPV

Tim ‘Ripper’ Owens ( YNGWIE MALMSTEEN, BEYOND FEAR, ex-JUDAS PRIEST, ex-ICED EARTH …しかしすごい経歴だ。) による初のソロ。ゲスト陣も豪華な 1st アルバム。


#1:いやがおうにも JUDAS PRIEST を彷彿させる曲。哀愁の唄メロがいいね。 #2BLACK SABBATH クラスのヘヴィなリフが美味しい佳曲。 #3:現存する ( Uli Roth は除く ) 最強の7弦使い Jeff Loomis (Gt/NEVERMORE) がゲスト参加している強烈な曲。 #4:他の曲と比べて音が軽いのが気になる。 #5:3分ない短い曲。ちょっと退屈。 #6HEAVEN AND HELL の新譜と同じ空気を感じるな…。 #7:スクリームは素晴らしいが唄メロがねぇ…。 #8:#7 に同じ。 #9:#7 に同じ。 #10:唄メロにフックがなさすぎる…。 #11:タイトルを見るからに速そうな曲だが、まさにその通りの素晴らしい曲。 #12:ドゥーミーでヘヴィな曲。後半のブチ切れ歌唱は素晴らしいとしか言いようがない。


これといったリーダートラックがないのが悔やまれる。全曲 Tim が書いたってのも不安材料だったが、それが見事に的中。もっと強烈なスクリーミングを駆使した曲が聴きたかった。Screaming Machine のようなのをね…。Daniel Heiman にしろ Tim にしろ、誰かいいソングライターが必要不可欠だな。てか、Allen-Lande みたいなプロジェクトを Daniel と TIM でやってくれよ。

評価:63

TRICK OR TREAT / Tin Soldiers

TRICK OR TREAT / Tin Soldiers
Release : 2009
Label : Valery

イタリア産のキーパー・メタル・バンド TRICK OR TREAT の 2nd アルバム。M.Kiske, M.Luppi がゲスト参加。


#1:「まみー!るっく!」なインスト。 #2:明るいサビメロが明快に疾走するまさにキーパいメタル。 #3:Luppi、やっぱり上手いね。キーパー色は薄い。 #4:疾走感は #2 以上だが、唄メロが弱いか…。 #5:伝説の人はやはり違うな…。PLACE VENDOME のアルバムに入ってもいいようなミドル・テンポの佳曲。 #6:疾走曲。これまた唄メロが弱い。声が Kiske に似てるだけじゃぁね…。 #7:ポップなメロディと程よい軽快さが美味しい曲。無駄に疾走させないでこういう曲で勝負すればいいのに。 #8:伝説の人再び。全部 Kiske が唄ってればよかったのに…。 #9:曲名から既にしてクサい (笑) Final Destination という曲名に恥じない良い疾走曲だ。 #10:インスト。 #11:”Helloween / Mankind” なノリの曲。変なアウトロ入り。


Vo の高音域が非常に Kiske のソレに似ているので、キーパーい感じはするのだが、いかんせん曲が…演奏力はあるのにね。Kiske がフルで唄ってる #5. Hello Moon は素晴らしい出来なんだけどね。こういうバンドが出てくる度に “キーパー時代の HELLOWEEN はホント、いい曲書いてたんだなぁ” としみじみ思うんだよね。

評価:48

VINDICTIV / Ground Zero

VINDICTIV / Ground Zero
Release : 2009
Label : Escape

Stefan Lindholm 率いる VINDICTIV の 2nd アルバム。Oliver Hartmann, Mark Boals がゲスト参加。


#1,4,8,10:煮え切らない退屈なメロディと必要性のなさそうなプログレッシヴ・アレンジからスケール練習のようなソロ…。退屈だ。 #2:#1 を DREAM THEATER のフィルターに通してみました、って曲。 #3:いくら Oliver Hartmann が唄ってもこの程度のメロディじゃなぁ…。 #5:Mr. Neo=Classical Metal Singer、Mark Boals 登場・・・したものの、唄メロが悲惨。 #6:爽やかな唄メロを一挙に台無しにするピロピロ・ソロがアレ。 #7:#3 よりはマシなメロディだが、何回聴いても Stefan のソロが蛇足。 #9:キャッチーで一撃必殺力のある唄メロが秀逸。この曲がコンパクトにまとまっていたらどれほど素晴らしかっただろうか…。 #11:#10 と同じ曲を Oliver のメロディ・バージョンで。どっちもどっち。


全ての唄メロを担当シンガーに丸投げしてるのが災いしたのか、それとも元々の曲がアレなのか、曲と唄メロとの一体感みたいなものが皆無。それに加えて、曲調を無視して狂ったように ( どの曲でも同じようなフレーズをしつこく ) 弾きまくった挙句、自己酔狂してるような自慰的なソロがアレ。この人、何がしたいんだろう? ってそんな感じのアルバム。

評価:11

VISION DIVINE / 9 Degrees West of the Moon

VISION DIVINE / 9 Degrees West of the Moon
Release : 2009
Label : King

Michele Luppi を解雇し Fabio Lione (Vo/RHAPSODY OF FIRE) を再加入させた VISION DIVINE の 6th アルバム。


#1:地味な上に長いメロディック・メタル。 #2KAMELOT を彷彿させるピアノ単音メロが印象的な曲。 #3:1st の頃の方向性を匂わせる曲。 #4:どうにもこうにも煮え切らない唄メロがアレ。 #5:Fabio 様お得意のデス声が冴えてる曲。 #6:シングル・カットできそうなキャッチーで聴きやすい曲。適度に浮遊感のある唄メロが良い。シンセソロからギターソロへの流れもいいね。 #7Magnus Karlsson が書きそうなメロハーちっくな曲。 #8:どことなく DREAM THEATER 的な雰囲気が感じられる。 #9:晩年の Timo 期 STRATOVARIUS を彷彿させる中途半端さがアレ。 #10JUDAS PRIEST の名曲カバー。Fabio のモノマネは見事。 #11:デモ・バージョン。


Fabio が戻ったことの功績は大きい (と思う)。Luppi じゃこの大仰さは出せないしね。ただ、あの透明感のあるハイトーンがあればなぁ、と感じる事も多い。特に #3 は Luppi の声で化ける気がする。まぁ、個人的には理解しがたい方向へ進んでしまった今の LABYRYNTH よりも何倍も魅力的なのは事実。Luppi の今後に期待。

評価:57

W.A.S.P. / Babylon

W.A.S.P. / Babylon
Release : 2009
Label : Demolition

Blackie Lawless (Vo,Gt) 率いる W.A.S.P. の 14th アルバム。


哀愁のイントロを従えたキャッチーな唄メロが美味しい #1. Crazy 、若干 STRYPER っぽい #2. Live to Die Another Day 、キャッチーなギターメロが秀才な #3. Babylon’s Burning 、そして何故か DEEP PURPLE のカバー #4. Burn 、クリーンな唄声を聴かせてくれるパワーバラードの #8. Godless Run などを筆頭に充実したアルバム。初期のような危なっかしさや狂気は感じられないが、メロディアスなアメリカン・ハード・ロックとしてはいいアルバムかと。

評価:75

W.E.T. / W.E.T.

W.E.T. / W.E.T.
Release : 2009
Label : Frontiers

WORK OF ART, ECLIPSE, TALISMAN のメンバーによるメロディアスハード・プロジェクト、W.E.T. の 1st アルバム。


さすが Frontiers Records、だと言える素晴らしいメロディック・メタル。全曲唄メロ最重要視と言ってもいいくらいキャッチーな曲が並ぶ。キラーチューンと言えそうな超強力な曲はないが、これだけ高品質なら(少なくとも)唄メロに不満が出ることはないだろう。
ただ、PLACE VENDOME のアルバムで Vo が Jeff Scott Soto ってだけなような印象もあり、コレ系のプロジェクトのネタ切れ感を醸し出しているのも事実。Frontiers Records、引き際だけは見失わないようにしないと…。

評価:81

WOLF / Ravenous

WOLF / Ravenous
Release : 2009
Label : Century Media

スウェーデン産メタル・バンド WOLF の 5th アルバム。


#1:曲名通りの疾走感が心地よい曲。 #2:ギターソロは見事としか言いようがない素晴らしい出来。 #3:ヴードゥーな雰囲気がいかんなく発揮された曲。ツインリードは見事。 #4:ダークなウェット感が散りばめられた曲。 #5:相変わらずソロは凄いがイマイチ煮え切らない。 #6:いい曲なんだけど、唄メロがキマんないね…。ソロは素晴らしいよ。 #7:#6 に同じ。 #8:#6 に同じ。 #9:3連。 #10:#6 に同じ。 #11:#4 に同じ。


よく有る “序盤はなかなかの出来だが、聴いているうちに盛り下がってくる” っていうアルバム。曲を巧く並びかえればいいのかもね。Mark Boals がゲストらしいが、どこで唄ってるのかまったく気付かなかった。

評価:56


Links of Uranus
Sort
Bands

979 Reviews in Total
Top