Archive for the ‘W’ Category

WARRANT / Dog Eat Dog

WARRANT / Dog Eat Dog
Release : 1992
Label : Sony

アメリカ産 HR バンド、WARRANT の 3rd アルバム。


#1、古きよき HR って感じだね。 #2、ちょっと微妙ですよ、奥さん。 #3、Bメロがいいね。サビがちょい面白くないな。 #4、鉄琴みたいな音と子供の声の演出がいいね。哀愁ギターソロもなかなか。 #5、大衆向けロック。こういうの好み。 #6、バラード。悪くはないが、いまいちメロディが煮え切らない。 #7、隠れて自己主張するベースが面白いね。 #8、絶妙なタイミングでハーモニクスを鳴らすギターがいいね。ギターソロも素晴らしい。 #9、もう少し唄メロがキャッチーならいいのになぁ。ギターのセンスは凄くいいのに・・・。 #10、#6 に同じ。ギターソロの溜めセンスは最っ高にいいのに、ホント勿体無い。 #11、疾走曲ホイ。ツインリードのソロが素晴らしすぎるホイ。リフもカッコイイし言うことないホイ。チェケホイ。 #12、曲自体は悪くないのに。ギターソロは相変わらず素晴らしいメロディだ。 #13、ボートラ。んぱっぱっ。


ギターソロでのメロディ・センスは素晴らしい。が、それが唄メロに生かされていないように思える。キャッチーな唄メロもあるが、どれもいまいち煮え切らない。まぁ、そのおかげでソロが引き立って聴こえちゃうわけなんですけどね。

評価:51

W.A.S.P. / Babylon

W.A.S.P. / Babylon
Release : 2009
Label : Demolition

Blackie Lawless (Vo,Gt) 率いる W.A.S.P. の 14th アルバム。


哀愁のイントロを従えたキャッチーな唄メロが美味しい #1. Crazy 、若干 STRYPER っぽい #2. Live to Die Another Day 、キャッチーなギターメロが秀才な #3. Babylon’s Burning 、そして何故か DEEP PURPLE のカバー #4. Burn 、クリーンな唄声を聴かせてくれるパワーバラードの #8. Godless Run などを筆頭に充実したアルバム。初期のような危なっかしさや狂気は感じられないが、メロディアスなアメリカン・ハード・ロックとしてはいいアルバムかと。

評価:75

W.E.T. / W.E.T.

W.E.T. / W.E.T.
Release : 2009
Label : Frontiers

WORK OF ART, ECLIPSE, TALISMAN のメンバーによるメロディアスハード・プロジェクト、W.E.T. の 1st アルバム。


さすが Frontiers Records、だと言える素晴らしいメロディック・メタル。全曲唄メロ最重要視と言ってもいいくらいキャッチーな曲が並ぶ。キラーチューンと言えそうな超強力な曲はないが、これだけ高品質なら(少なくとも)唄メロに不満が出ることはないだろう。
ただ、PLACE VENDOME のアルバムで Vo が Jeff Scott Soto ってだけなような印象もあり、コレ系のプロジェクトのネタ切れ感を醸し出しているのも事実。Frontiers Records、引き際だけは見失わないようにしないと…。

評価:81

W.E.T. / Rise Up

W.E.T. / Rise Up
Release : 2013
Label : Frontiers

メロディアスハード・プロジェクト、W.E.T. の 2nd アルバム。


重みのあるリフと大衆受けの良さそうなメロディがいかにも欧州人向けな #1. Walk Away,そんな #1 を幾分かソフトにして Erik も唄うキャッチーな #2. Learn to Live Again,産業ロックよろしく、なタイトル連呼型の #3. Rise Up,前作にも似たような曲があった気がする、普遍的なロック・バラード #4. Love Heals,ライヴ受けの良さそうなロック・ナンバー #7. Bad Boy,少々モダンながら ECLIPSE 風味が強い唄メロを持つ #8. On The Run,スケールの大きい唄メロが印象的な #10. Shot,ドラマのエンディングに合いそうなバワー・バラード #11. Still Believe in Us,なぜアルバムの前半じゃないのかが謎なメロハーのお手本のような #12. Still Unbroken

このプロジェクトの水準を満たすクオリティのコンパクトな曲を集めて収録しましたって感じか。前作と比べて [W] の割合が減って [T] の比率が上がったような気もするが、それがプロジェクトからバンドに変わるための一つのプロセスだとしたら喜ばしいことだと思う。[W] の人がマイペースなだけかも知れないけど。それと、相変わらずこれといったキラー・チューンがないのは少し気になるところ。

ボートラの様式美疾走チューンが聴きたい人は日本盤買いましょう。

評価:78

WHITE WIZZARD / Over the Top

WHITE WIZZARD / Over the Top
Release : 2010
Label : Earache

LA 産 NWOTHM バンド、WHITE WIZZARD の 1st アルバム。


1曲目からラストまでバラードなしで延々と NWOBHM スタイルで突っ走ってるのはある意味爽快。ただ、やはりこの手のバンド言える事は「音質まで再現する必要はないんじゃないか?」ってことだな。

B級の域は出ないものの、今の IRON MAIDEN はもう作らないであろうタイプの曲を書いてるので、いい意味での2番煎じにはなってるかな。

評価:42

WHITE WIZZARD / Flying Tigers

WHITE WIZZARD / Flying Tigers
Release : 2011
Label : Earache

LA 産 NWOTHM バンド、WHITE WIZZARD の 2nd アルバム。


流行?? の NWOTHM 軍勢の一角だが、恐らく当時のサウンドまで再現しているのは彼らくらいだろう。聴いていると、まるで IRON MAIDENBruce Dickinson を加入させず 2nd のメンバーのまま 3rd アルバムを作ったかのような錯覚に陥る。

隙間のある音作りや、強めのリヴァーブ。Bass はまんま Steve Haris みたいな音運びだし、挙句の果てには変なマスコット・キャラクターが Aces High してるジャケ・・・。そこらへんのフォロワーとは一線を画す IRON MAIDEN 愛がモロ見えなとこが、ノスタルジックを感じるのと同時に何故か応援したくなってしまうという、不思議な魔力を持っているんだよね。

中心人物の Jon Leon (b) 以外のメンバーが安定しないようだが、是非とも頑張ってこの音楽性で続けていってほしいね。

評価:41

WHITESNAKE / Good to be Bad

WHITESNAKE / Good to be Bad
Release : 2008
Label : SPV

David Coverdale 率いる WHITESNAKE の 10th アルバム。


#1-#2:退屈。 #3:キャッチーさとブルージーさが融合した曲。 #4:ラジオ向きのバラード。田舎道をドライブしてる時に聴きたいね。 #5:勢いはあるが、唄メロが微妙だ。 #6:キャッチーな唄メロは美味しいものの、どこか煮え切らない。 #7:ブルーズ・ロック・バラードのお手本の様な曲。 #8:退屈。 #9:これも、Coverdale らしいと言えばそうだが、退屈だなぁ。 #10:いいね。ただ、やはり唄メロが煮え切らない。 #11:曲名を見て、良さそうな気はしたが・・・。期待通りにはいかないものだ。


若干、Surpens Albus のような雰囲気 ( 多分意図的なものだろうけど ) があるものの、いかんせん曲が・・・。存在感のある素晴らしい音質なのにどこか宝の持ち腐れ的なギターチームもアレ。

評価:43

WHITESNAKE / Forevermore

WHITESNAKE / Forevermore
Release : 2011
Label : Frontiers

WHITESNAKE の 11th アルバム。


どこか原点回帰な感じが漂っていた前作をさらに1歩推し進めたようなアルバム。毎度の通り、David Coverdale による強烈な歌声がアルバムを牽引しているわけだが、還暦間近とは思えない信じられない歌唱は相変わらず…。にもかかわらず、曲が地味に感じるのは CoverdaleDoug Aldrich の作曲チームがあれなのか、それともゴリゴリのギター・サウンドがアレなのか…。

Reb Beach は ( #9. Dogs in the Street とか ) 何かと凄まじいソロを弾いてるのに、何故こうも可哀想なくらい影が薄いんだろうな。

評価:45

WIG WAM / Hard to Be A Rock’n Roller…In Tokyo

WIG WAM / Hard To Be A Rock'n Roller...In Tokyo
Release : 2006
Label : King

ノルウェーの国民的英雄とまで言われた HR バンド、WIG WAM の 1st アルバム In Tokyo 。


#1、ノルウェーのシーンを制した超キャッチーな HR 。こういう曲はアリーナクラスの会場で生で聴きたいね。 #2、インスト。666 。 #3、タイトル負けしてますよ。 #4、マーイヤァーイヤァーーイ。キャッチーでいいんじゃない。 #5、ノリのいいパーティ・ロック。こーゆーのもいいね。 #6、ゲーム音楽みたいなインスト。 #7、”BON JOVI / Livin’ On A Prayer” 。露骨過ぎる。 #8、映画のエンディングとかになったらいい感じなんじゃないの? なバラード。 #9、どっかで聴いたことのあるようなメロディだな。 #10、オーケストラが後ろを支えるバラード。大仰さが好きかも。 #11、後期 QUEEN をキャッチーにしたかのような曲。 #12、ライブのギターソロ・タイム、でしょうか。 #13、Melanie C とか言う人のカバー。Live.Ver 。 #14、アコースティックなつまらない曲。 #15、”BON JOVI / Livin’ On A Prayer + It’s My Life” 。こりゃ酷い。 #16KISS のカバー。彼ららしい選曲だね。 #17、「ウォホホホ!」なサビが (ネタとして) 面白すぎる。 #18、お茶の間パーティ・ロック。


2nd から遡って聴いてるわけだが、これは 3rd がどうなるかによりけり、だな。なんとなく底が見えてきたような気がする。てか、レコード会社はいつになったら “曲を増やせばいい” という愚かな考えを捨てないのだろうか ( LIVE 動画の一つでも入れとけばいいものを・・・ ) 。

評価:65

WIG WAM / Wig Wamania

WIG WAM / Wig Wamania
Release : 2006
Label : King

ノルウェーの “幼稚園児からお年寄りまでをも巻き込む” らしいハード・ロックバンド WIG WAM の 2nd アルバム。


#1、インスト。演説みたい。 #2、モロ無修正レベルの初期 BON JOVI 。でもまぁ、こーゆーの好きだ (笑) #3、感動的なパワー・バラード。ヤルなぁ。 #4、モロ無修正レベルの BON JOVI 再び (笑) #5、青春ドラマの主題歌でもイケるな、これは・・・。音作りとメロディセンスは凄くいいし、大衆受けが良さそうだ。 #6、非メタリック・ハイトーンがロック魂を感じさせる、熱いな(笑) 。メロディアスなサビがいいね。・・・にしても、Vo 上手すぎやしないか? #7KISS を彷彿させるパーティ・ロック・ナンバー。縦ノリ感が堪りません。 #8、哀愁のギターメイン・インスト。美味しすぎる。巧いし、センスもいい。 #9、恋愛モノの映画のエンディング・テーマです (嘘) 。AEROSMITH を彷彿させる力強いながらも憂いのあるメロディが強力。 #10、キャッチーなノリのいいロックン・ロール。 #11、#7 に同じ。 #12、METAL. これぞ METAL 。まさに HEAVY METAL 。他になんて言えばいいんだい ? #13、ボートラ。出来が良すぎ。他の曲と比べても遜色なし。 #14、ボートラ。ベースの人が唄っているらしい。「アイヤイヤー」って曲 (笑) 。 #15、ボートラ。ライブ版。


BON JOVI の影響大、というかパクリッシュな部分もかなりあるけどね。ただ、ここまで 80’s 風味の良質なハード・ロックが聴けるとは思わなかった。Glam (Vo) は相当巧いし、他の演奏陣もいい仕事してるよ。特に #12 は 強烈。

評価:89

WIG WAM / Non Stop Rock And Roll

WIG WAM / Non Stop Rock And Roll
Release : 2010
Label : Frontiers

ノルウェーの国民的英雄らしい、WIG WAM の 3rd アルバム。


前作、前々作と同様に “北欧の BON JOVI” とも言えそうなキャッチーなハードロックが聴ける。#1. Do Ya Wanna Taste It は勿論のこと、殆ど全ての曲で大衆受けしそうな耳に馴染むメロディが使われ、彼らの作曲能力の高さがうかがえる。だが、予想通り “In My Dream” 級の曲は見当たらない。#3. Wild One が個人的には一番気に入っているが、キラーチューンだと言えるほどじゃないな…。


高品質ではあるけど、一発がないという良くあるタイプのアルバム。

評価:50

WINGDOM / Reality

WINGDOM / Reality
Release : 2005
Label : Victor

SONATA ARCTICAMikko Harkin 率いる WINGDOM のデビューアルバム。彼、Yngwie J. Malmsteen の Key を断ったんだってさ。


#1、アナログ的な音像から這い上がってくるようなイントロが印象的。 #2、#1同様、唄メロがつまんない。しかも、キーボードも大して印象的ではない。 #3、女性Voがいい感じ。それ以外はちょっとなぁ。 #4、少々プログレ風味の曲。つまらないにも程があるぞ、おい。 #5、早送りしたくなる。いや、コンポの停止ボタンを押してCDを入れ替えたいという衝動に駆られる。 #6、唄メロは少しくらい練ったのだろうか? #7Andi Deris の 2nd アルバムを聴いた時と同じ感覚だな。なんなんだこれは? #8、イントロでちょっと期待してしまった俺が間違っていた。 #9、ここまでメロディがつまらないと、もうなんてコメントしたらいいのか判らんよ。 #10、12分半の大曲。確かにキーボード奏者が好きそうなインストパートが多いな。 #11、インスト。無駄。リスナーを馬鹿にするなと言いたい。


この人、Yngwie のキーボ奏者になった方がよかったんじゃない? 曲がほんとにつまらない。

評価:21

WINTER ROSE / Winter Rose

WINTER ROSE / Winter Rose
Release : 1989 (1997)
Label : InsideOut

DREAM THEATER の Vo James LaBrie が DT 加入前に作った WINTER ROSE の 1st アルバム。


#1、伸びの良いハイトーンが印象的なアップテンポな曲。唄メロが強力。 #2BON JOVI タイプ。左の綺麗なギタートーンがいいね。キャッチーな唄メロ、ギターソロも素晴らしい。ライドのチンチカ具合も最高。 #3、80年代 LA METAL を彷彿させる曲。スネア裏打ちになるが後半が素晴らしいね。 #4、哀愁バラード。ツインリードのソロがいいね。 #5、タイトル連呼型のハードポップ。これまた佳曲。 #6、ライブ映えしそうなロックチューン。アグレッシヴな歌唱が印象的だね。 #7、唄メロに絶妙に絡んでくるギターメロが美味しい。 #8、シンプルな HR 。十分いい曲なんだけど、他と比べたら見劣りしてしまうかもしれない。 #9、アグレッシヴな歌唱で唄うミドルチューン。巧いな・・・。駆け上がるソロがいいね。 #10、#2 に近い、キャッチーな曲。これまた唄メロ裏のギターがいいね。


名盤。LaBrie ファンは聴いておかないと・・・。全編キャッチーなメロディで曲ごとに個性が出てる。中古屋で見かけたら即GET をお勧めしときます。この音楽性から想像するに、もしも Uli Jon Roth , Zeno Roth と組んだらどれだけ素晴らしいものが出来るんだろうかと・・・ ( 例の噂はどうなったんでしょうか ? ) DREAM THEATER じゃ彼の実力を生かしきれていないような気さえしてくる。

評価:95

WINTERSUN / Time I

WINTERSUN / Time I
Release : 2012
Label : Nuclear Blast

Jari Mäenpää (Vo,Gt/ex-ENSIFERUM) 率いる WINTERSUN の 2nd アルバム。


まるで CHTHONIC みたいなインスト #1. When Time Fades Away,13分半の大曲。#1 の中華メロ引き継いだ I. Rain of Stars, テクノ系シンセ音でキラキラ具合を演出し、クリーン寄りの声で唄い上げる II. Surround by Darkness, アコースティック・パートの III. Journey Inside a Dream, 装飾過多なヴァイキング・メタル IV. Sons of Winter and Stars の4編に分かれた組曲 #2. Sons of Winter and Stars,大仰なオーケストレーションを纏って牧歌的メロディを奏でる #3. Land of Snow and Sorrow,中華的なメロディを豪華絢爛なシンフォアレンジで包み込むドラマチックな #5. Time

トータルの長さに対する文句は他多くのサイトが書いてるだろうからいいとして、凄まじいアルバムだ。とりあえず、音の詰め込み率がハンパじゃない。一体何トラック使ってるのだろうか。オーケストレーションはリズム・ギターをかき消すくらい分厚く、相当慎重にミックスしたのが伺える。まぁ、どう考えてもやり過ぎでしょ。

曲はもはや 1st とはケタ違いの出来。1st の方向性をよりシンフォニックにエピックに突き詰めた最終形といった印象。根元の音楽性はそう変わってないので全くの別モノでもないが、装飾が尋常じゃないので別モノに聴こえる。個人的には前作みたいなネオ=クラシカルなギターが殆どないのが残念なところ。というかギターソロすら…。

不完全燃焼感はあるけど、それは Time II で一気に消し去ってくれると信じたい。

評価:46

WITHIN TEMPTATION / The Silent Force

WITHIN TEMPTATION / The Silent Force
Release : 2004
Label : Roadrunner

オランダ産シンフォニック・ゴシックメタルバンド WITHIN TEMPTATION の 3rd アルバム。


ジャケットのように黒いパレットの上に青い絵の具をまばらにたらした感じのアルバムなんだが、全ての曲に妙に徹底された統一感があって続けて聴いていると飽きてくる。決して駄作なわけじゃない。いいんだけどね、数曲毛色の違った曲が欲しかった。

評価:45

WITHIN TEMPTATION / The Heart of Everything

WITHIN TEMPTATION / The Heart of Everything
Release : 2007
Label : Roadrunner

WITHIN TEMPTATION の 4th アルバム。


前作と同じく、曲のアレンジがどれも似通っているためかどれも同じ曲に聴こえる。#12 の Rock Mix みたいに多少アレンジを変えてみるのもいいんじゃないかと思う。統一感があるってのは良いことなんだろうけどね。 “このアルバムの、この曲がいい!” って言えないのがね・・・。

評価:53

WITHIN TEMPTATION / The Unforgiving

WITHIN TEMPTATION / The Unforgiving
Release : 2011
Label : Roadrunner

WITHIN TEMPTATION の 5th アルバム。コンセプト・アルバムでコミックと連動してるらしい。


今までのゴシック・メタル風味をほんの少しだけ残しつつも完っ全にメジャーな雰囲気に進化。元々持っていたスケール感も増し、(多分勘違いだろうと思うけど)これなら HR/HM を毛嫌いするような人の耳にもすんなり入っていくんじゃないかと思える。

コンセプト的にも、アルバム的にもハイライトになるであろうリーダートラック #11. A Demon’s Fate が群を抜いて素晴らしいね。ギターソロの泣き具合も堪らん。

評価:56

WOLF / Ravenous

WOLF / Ravenous
Release : 2009
Label : Century Media

スウェーデン産メタル・バンド WOLF の 5th アルバム。


#1:曲名通りの疾走感が心地よい曲。 #2:ギターソロは見事としか言いようがない素晴らしい出来。 #3:ヴードゥーな雰囲気がいかんなく発揮された曲。ツインリードは見事。 #4:ダークなウェット感が散りばめられた曲。 #5:相変わらずソロは凄いがイマイチ煮え切らない。 #6:いい曲なんだけど、唄メロがキマんないね…。ソロは素晴らしいよ。 #7:#6 に同じ。 #8:#6 に同じ。 #9:3連。 #10:#6 に同じ。 #11:#4 に同じ。


よく有る “序盤はなかなかの出来だが、聴いているうちに盛り下がってくる” っていうアルバム。曲を巧く並びかえればいいのかもね。Mark Boals がゲストらしいが、どこで唄ってるのかまったく気付かなかった。

評価:56

WOLFPAKK / Wolfpakk

WOLFPAKK / Wolfpakk
Release : 2011
Label : AFM

Michael Voss (Vo/ex-CASANOVA, Michael Schenker)Mark Sweenry (Vo/ex-CRYSTAL BALL) の両シンガー率いるメロディック・メタル・プロジェクト WOLFPAKK の 1st アルバム。


プロジェクト・リーダーの二人の “超小粒感” はさておき、本作で最も重要視したいのはその豪華!?なゲスト陣であろう。

— 以下ゲスト名は HMV からのコピペ。(太字は当サイト的に重要そうな人) —

Vocals:
Paul Di’Anno (EX-IRON MAIDEN),Tony Martin (EX-BLACK SABBATH),Jeff Scott Soto (EX-Y. MALMSTEEN, TALISMAN),Rob Rock (IMPELITTERI),Mark Boals (EX-Y.MALMSTEEN),Tim Ripper Owens (EX-JUDAS PRIEST),Paul Shortino (EX-QUIET RIOT),Mark Fox (EX-SHAKRA),Michaela Schober (TANZ DER VAMPIRE),Jean-Marc Viller (CALLAWAY),Pearl and Molly Duncan

Bass:
Tony Franklin (EX-BLUE MURDER, ROBERT PLANT),Mat Sinner (PRIMAL FEAR, SINNER),Matthias Rethmann (EX-LEEZ, SILVER),Nils Middelhauve (XANDRIA),Neil Murray (WHITESNAKE),Barend Courbois (VENGEANCE)

Guitar:
Igor Gionola (U.D.O.),Andy Midgeley (POWER QUEST),Ira Black (EX-VICIOUS RUMORS, LIZZY BORDEN),Torsten Koehne (EDEN´S CURSE),Doc Heyne (BISS),Tommy Denander (DAN REED, PAUL STANLEY),Nadja Kossinskaja (PETER MAFFAY),Freddy Scherer (GOTTHARD),Olaf Lenk (AT VANCE),George Solonos (TOMMY LEE)

Keys:
Alessandro Delvecchio (GLENN HUGHES, IAN PAICE),Ferdy Doernberg (AXEL RUDI PELL, ROUGH SILK)

Drums:
Gereon Homann (EAT THE GUN)

名の知れたベテランから始めて聞く名もチラホラあるが、SOULSPELL 以上、AINA 以下といったところか。ただ、残念ながらこのゲスト陣、気がつかないくらいの数フレーズでしか登場しない人や、名前は載ってるけどどの曲で弾いてるかすら判らない人もいて、ゲストの名前に釣られて買ってしまうと尋常ではない肩すかしを食らうハメになる。

せめてシンガーには曲の半分は唄ってもらうとか、ギタリストには必ずソロを弾いてもらうとかすればいいのに・・・。肝心の曲も、メロディック・パワー・メタル全盛期に、出てきては消えていったB級 HELLOWEEN フォロワーの方がマシなんじゃないかと思えるほど。

中心人物が地味で小粒な人だと、いくら華々しい経歴のゲストがいても残念な結果しか出ないといういい例。本当は “2” でいいと思ったけど、それだと意外と頑張ってる Tim Ripper Owens に悪いので +20 。

評価:22

WORK OF ART / Art Work

WORK OF ART / Art Work
Release : 2008
Label : Frontiers

スウェーデン産ハードポップ・バンド WORK OF ART の 1st アルバム。


音は TOTO に北欧らしい清涼感とハードロックなタッチを加えた感じで、AOR の極みと称させるのもわかる素晴らしい出来。捨て曲らしい曲もなく、半分以上の曲がシングルカット出来るんじゃないかと思えるほど。Vo の Lars SäfsundMichele Luppi (ex-VISION DIVINE) と Fergie Frederiksen (ex-TOTO) を足して2で割ったような、まさにこのテの AOR にはうってつけの声。

他の AOR バンドと違うのは曲が明るい所とアレンジがポップなところだ (その辺も TOTO 譲りという事か・・・) 。これが哀愁をまき散らすタイプとは違ってすがすがしい清涼感を感じさせてくれる。目新しさは全くないけど、HR/HM を普段聴かない人にも自信を持って進められる素晴らしいメロディック・ロック・アルバムだね。

評価:89

WORK OF ART / In Progress

WORK OF ART / In Progress
Release : 2011
Label : Frontiers

スウェーデン産メロディック・ロック・バンド WORK OF ART の 2nd アルバム。


Frontiers Records の他プロジェクトの経験がそうさせたのか、前作ほど TOTO っぽくなく、北欧らしい透明感とメロディアスな唄メロはそのままに、ハードロックさの強調されたロックらしい印象が強くなった。(それでもまだキーボード・サウンドの方が主体に聞えるけど・・・)

前作も素晴らしい内容だったが、アルバム全体の出来としてはこちらが上かな。ギターがハードな音になった事によって、前作が “軽過ぎた” と思う(俺みたいな)人には嬉しい進化の仕方だと思うし、殆どの曲がシングル・カット出来そうなくらい高品質なのも変わりないからね。

個人的に残念なのは、同じ年に LIONVILLE / st (2011) のリリースがあった事か。って Lars さん ENBOUND / And She Say Gold (2011) でも唄ってるんだな。

しかし、他のプロジェクトでも名盤クラスのアルバム作ってメイン・バンドでも傑作って・・・ネタ切れにならない事を切に願うよ。

評価:92

WUTHERING HEIGHTS / The Shadow Cabinet

WUTHERING HEIGHTS / The Shadow Cabinet
Release : 2006
Label : Soundholic

デンマークおよびスウェーデンの多国籍メタルバンド WUTHERING HEIGHTS の 4th アルバム。


#1、ネオクラシカルな疾走に導かれた Nils Patrik Johansson の熱血 DIO 歌唱が冴え渡る佳曲。 #2、#1 と基本的に同じだが、こっちは展開美に優れてるね。後半の Vo + Gt のバトルが素晴らしい。 #3、ヲーヲーヲヲー! 文句なしの完成度。 #4、民謡調クサメロが堪りません。絶妙なテンポチェンジも美味しい。 #5、唐突な曲の変化が面白い。 #6、バイキング・メタル風味のメロディが美味しい佳曲。 #7、DIO 風熱血歌唱を抑えたクリーンな声が印象的な前半、そして DRAGONFORCE ばりに明るいメロディで突っ走る後半・・・。巧いねぇ。第9風の唄メロも面白い。 #8、民謡メロの MANOWAR 。それにネオクラなギターソロが入ってくるから、もう堪らん。イントロが AQUARIA 風味。 #9、台詞。 #10、プログレッシヴ・ネオクラシカル・スピード・メタル。凄い。唄メロのキャッチーさは勿論に加え、完璧に練りこまれた展開には、最早感服。 #11、ボートラ。笛~。


聴き始めた当初は唐突な曲調の変化に馴染めずにいたけど、数回通して聴いていたところ、その絶妙な展開美に感服。これでクラシカルなソロパートがもう少し多彩だったらなぁ・・・。

評価:84

WUTHERING HEIGHTS / Salt

WUTHERING HEIGHTS / Salt
Release : 2010
Label : Scarlet

多国籍メタルバンド WUTHERING HEIGHTS の 5th アルバム。


1分半の前奏曲 #1. Away からすでに壮絶な劇メロを展開させ、#2. The Desperate Poet に雪崩れ込んでもその勢いを保ったまま WH ワールドを展開し、#3. The Mad Sailor では陽気なヴァイキング・メロで惹きつける。#4. The Last Tribe に至っては、フォーク・パワー・メタルとも言えそうな曲調だ。プログレッシヴな BLACK SABBATH 風の #5. Tears,MSG / Into the Arena を彷彿させる民謡調メロディで曲を引っ張る #6.Weather the Storm,キャッチーなソロが耳を引く #7. The Field,トラッド・フォーク風の小曲 #8. Water of Life を超え、最後は16分の大曲 #9. Lost at Sea で幕を閉じる。

アルバム全体を支配するクサメロの数々には “突発的なガッツポーズ” を誘発させられるものの、取って付けたようなツギハギ的プログレッシヴ感の詰め込み過ぎでせっかくのクサメロ効果を薄めてしまっている気がする。
他のバンドとは違った独特のヴァイキング風味は絶妙で、そういった表現力は本当に見事なんだけどね。

評価:62


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