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ALESTORM / Black Sails at Midnight

ALESTORM / Black Sails at Midnight
Release : 2009
Label : Napalm

スコットランド産、パイレーツ・メタルバンド ALESTORM の 2nd アルバム。


#1:トレモノ・リフから RHAPSODY OF FIRE を彷彿させるエピック・メロまで。海賊っぽさはないが、いい曲だ。 #2:リヴァイアサンと戦ってるとしか思えない勇壮なメロディが美味しすぎる。 #3:これこそ大海原のクサメロ。 #4:これは面白い酒飲みソング。 #5:#4 とは打って変わってシリアスに…。この対比は面白いな。 #6:パイレーツっぽさの薄いスラッシュメタル風の曲。 #7:クサメロをまき散らすインスト。 #8:なんてストレートな曲名だ。…そのわりに地味だが。 #9:ファンファーレようなメロディが美味しすぎる曲。 #10:ユーロヴィジョンに出たらしい PIRATES OF THE SEA というバンドのカバー。これは、レッドカードだな (笑) これで気分が高揚しないヤツなんているのか?


前作と比べてインパクトは少ない ( 初見じゃないから仕方ないけど ) ものの、予想通りのパイレーツ・メタルで安心。音も良くなってるしね。願わくば来日公演をしてほしいけど、まだ無理かなぁ…。呑みながら Wolves of the Sea を大合唱とか、きっと最高だよな

評価:82

ANGRA / Holy Land

ANGRA / Holy Land
Release : 1996
Label : Victor

前作にて衝撃のデビューを果たした ANGRA の 2nd アルバムで、大航海時代を描いたコンセプトアルバム。


#1、聖堂でコーラスの練習をするシスター達を思わせる風景が脳に描き出されるであろうインスト。 #2、疾走感こそ少ないが、それを補う十分なメロディがある。2曲目としても十分な力量を持った曲だ! #3、中盤の盛り上がり部分がなんとも印象的だ。歌詞には最後「女性」とあるが、これは恐らく船のことを比喩しているんだと俺は思っている。 #4、ブラジル民族音楽風のインスト。前半が終わると一気に疾走する。別の曲が始まったかの様だ。中盤のヴァイオリンパートは何か哀愁を放っている。10分以上ある大曲だが、その長さを全くといって良いほどに感じさせない。 #5、優しいメロディの中に見え隠れする神秘的なイメージを深く意識して聴いてみるといい。 #6、実は、楽曲云々の前に言うべき事がある。曲中で聴こえる話し声は何十年前の実際に存在したシャーマンの肉声だという。まじかYO!楽曲はスリリングで鬼気迫った感じが漂っている。 #7、70年代HR風。ハモンド・オルガンは本物を使ってるらしい。アルバム全体のイメージと離れている気がする。 #8、フェードインしてくるドラムから感じとれる勢いがイイ。また、随所で見られるチェンバロが凄くいい感じだ! #9Angels Cry の嵐が丘などと共通したイメージが見える。 #10、アコギ&ヴォーカルのみの曲。自然界の音も入っている。心に何か訴えかけてくる曲だ。 #11ANGRA として最初に作られた曲。


全体的に見ても曲個々に見てもコンセプトアルバムとして成功しているな。というのが判る。前作よりも若干クラシカルになり、ブラジル民謡風のアプローチも彼ららしい。あえて指摘するならば音質の薄さが気になるが、許せる程度だろう。

評価:82

AVANTASIA / The Wicked Symphony

AVANTASIA / The Wicked Symphony
Release : 2010
Label : Marquee

Tobias Sammet 率いるオールスター・メタル・プロジェクト AVANTASIA の 4th アルバム。


見事なオーケストレーションに導かれる大曲 #1. The Wicked Symphony,そして伝説の人 Michael KiskeHELLOWEEN タイプの疾走曲を唄うという黄金比をまたもややってくれた #2. WastelandsTim ‘Ripper’ Owens の仁義なき強力無比な歌唱が冴え渡るアンセム #3.Scales of Justice, そして、解散を発表した SCORPIONS から Klaus Meine をゲストに迎えた、まさに SCORPIONS チックな曲 #4. Dying For An AngelAndre Matos との絶妙なコンビネーションを聴かせる #5. Blizzard On A Broken Mirror,と、前半はもはや完璧な流れ。
後半の1発目の #6. Runaway TrainBob Carley の英国紳士歌唱と Kiske のエモーショナルな歌唱が素晴らしい。最近の EDGUY っぽさを感じられる #7. CrestfallenWHITESNAKE っぽい #8. Forever is a Long Time,これまた最近の EDGUY じゃね?、な #10. States of Matter,そしてアルバムを締めくくるモダンなバラード #11. The Edge …。

ゲストのお披露目的な前半は素晴らしい。「このシンガーにはこんな曲を歌ってほしい」というリスナーのささやかな願いがほぼそのまま具現化されていると言っても良いだろう。その点では Tobias Sammet のソングライティングの凄みがひしひしと伝わってくる。後半も、焼き直し的な側面もあるが、#10 が上手く贅肉を削いでくれてるかな。

評価:82

HEAVENLY / Virus

HEAVENLY / Virus
Release : 2006
Label : Marquee

一時期の ANGRA のように空中分解しかけたが、見事に復活を遂げたオマージュマスター HEAVENLY の 4th アルバム。


#1、唄メロがモロ GAMMA RAY 。流石だ (笑) #2、#11 の日本語版のせいでどうも印象がアレ。サビの爆発音とか、カッコイイんだけどね。 #3、JUDAS PRIEST というよりも JUDAS をオマージュした GAMMA RAY っぽい。Ben SottoKai Hansen 歌唱は面白いね。 #4、めろすぴへっどばんかーの人のための疾走曲。キャッチーな唄メロがいいね。 #5Tony Kakko (SONATA ARCTICA) がゲスト。 #6、新メンバーの Olivier、起承転結のあるいいソロ弾くなぁ・・・。 #7、彼ららしいコード進行がいいね。Bメロからサビへの繋げ方が最高。こりゃ The World Will be Better 級だわ。モロ GAMMA RAY だけど。 #8、カバーらしい。ユーロビートメタル。Tanja ( LULLACRY ) がゲスト参加。・・・LULLACRY、チェックせんといかんな (笑) #9、キャッチーで明るい疾走曲。これを本編最後にもってきたのは正解かもね。 #10、この曲の Vo って Ben? まぁ、普遍的なメロディック・メタルだね。 #11、聞き取り不可。最悪さーそーっけのー。そして学校の石にキュウリを吸う、で酢飯を・・・。


前作のような冗長さを懸念したであろうシンプルな作りは個人的に嬉しい。新 Gt の Oliver は Kiko Loureiro を彷彿させるテクニカルなソロを弾くし Ben の GAMMA RAY メロ & 歌唱も好印象。是非 GAMMA RAY と一緒に来日して欲しいね。

評価:82

LOVERBOY / Rock ‘N’ Roll Revival

LOVERBOY / Rock 'N' Roll Revival
Release : 2012
Label : Frontiers

カナディアン・ロック・バンド LOVERBOY の新曲3曲を追加したリ・レコーディング・アルバム。


オールドスクールなシンセとユルい 80’s なメロディが懐古の情を満たす #1. Rock ‘n’ Roll Revival,哀愁のメロディが心に沁みる #2. No Tomorrow,アップテンポの(リアルで体験したわけじゃないけど)懐かしきあの頃のハードポップ #3. Heartbreaker

#4-12 は過去のヒット?曲のリ・レコーディング・バージョン。どうせリ・レコするなら映画「トップガン」でも使われた Heaven in Your Eyes もすれば良かったのに…。

評価:82

MANOWAR / The Sons of Odin [EP]

MANOWAR / The Sons of Odin [EP]
Release : 2006
Label : Magic Circle Music

大地を揺るがす King of Metal Band、MANOWAR の 10th アルバムに先がける EP 。


#1、Earthshaker Fest 2005 ( 以下 ESF ’05 ) より。壮大なインスト。 #2、ESF ’05 より。DVD の Bonus Track に収録された曲。唄メロの高揚感は弱いものの、バス連打のパワフルな疾走感を味わえる佳曲。 #3、映画サントラのような壮大さを持つインスト。( RHAPSODY OF FIRE のソレとはちょっと違うかな・・・ ) #4、王の威厳とも思える重圧感が感じられる名曲。これぞ MANOWAR 印。威圧感を高めているオーケストレーションは見事。 #5、いつも通りのシンプルな Metal Anthem 。鋼の絶対王政の元にひれ伏す傭兵の如くに跪き、MANOWAR SIGN を天に掲げるのみ。
Hail! Gods of War!!!


RHAPSOY OF FIRE とのツアーで学んだのか、それとも影響を受けたのか、前作と比べてもオーケスレーションの比率が多い。が、それでも MANOWAR らしさを一切失っていないのが嬉しいところ。これなら年明けにリリース予定の新作も大いに期待できるだろう。
DVD には 5.1ch サウンドの音源やら、メイキング映像、ESF ’05の模様、Heart Of Steel のスタジオライブなどが入っている。尚、ESF ’05 の映像を観て、何故 MANOWAR が来日公演をしないのかよく判った気がする。来ないのならこっちから行くしかない!
HAIL ! HAIL ! The Metal King !

評価:82

陰陽座 / 鬼子母神

陰陽座 / 鬼子母神
Release : 2011
Label : King

陰陽座 の 10th アルバムにして初のトータル・コンセプト・アルバム。原作は 瞬火 の書き下ろしたオリジナル戯曲的脚本「絶界の鬼子母神」。


コンセプトのテーマとも言える抒情的メロディのインスト #1. 啾啾,いかにもジャパメタ的なリフにポップセンスの光るサビメロが印象的な #2. 徨,スラッシュ・メタル風のフレーバーが色濃い #4.膾,演歌+民謡。これも陰陽座だからこそ出来るであろう #5. 鬼拵ノ唄,緊張感のあるリフと不穏なストリングスが印象深い #8. 鬼子母神,シャッフルである事が妙に強調された #9. 怨讐の果て,前後半で静と動の変化がある #10. 径,そして、テーマ・メロディから劇的に疾走する #12. 鬼哭

あえて原作は読んでないが、場面描写が上手いおかげで十分コンセプト・アルバムとして楽しめる。というか、コンセプト云々がなければ音的にはいつもの陰陽座だからね。そういう意味でも、コンセプト立案から作曲に至るまでを手掛け、ベース弾いて唄うならまだしも、ギターまで弾いてる 瞬火(b,Vo) は本当に素晴らしいよ。

ただ、そのコンセプトに縛られたゆえか、曲毎のメロディの質が普段に比べて低く、キメも弱い気がするんだよね。まぁ、そんな事は原作を読めば相殺されるかもしれないけど…。

魔王戴天 / #2. 魔王 以来のスネア裏打ち疾走曲 #12. 鬼哭 がなかったら -5 してたかも。

評価:82

PRIMAL FEAR / Devil’s Ground

PRIMAL FEAR / Devil's Ground
Release : 2004
Label : Victor

Randy Black ( Dr / ex-ANNIHILATOR ) が加入した PRIMAL FEAR の 5th アルバム。


#1、Metal is Forever 。他になんて言えばいいんだ? メタルは永遠だ。 #2、いつもお馴染みの JUDAS PRIEST 風。#1 からの曲順すら JUDAS PRIEST 風という徹底振りに万歳。 #3、緩急をつけた展開は見事。 #4、いい曲なんだけど、どこか煮え切らない。 #5、#3 に同じ。展開が単調なのかな? #6MEGADETH みたいなリフがカッコイイね。 #7、キャッチーなBメロが好き。 #8、JUDAS … 。 #9、どこかで聴いた事のあるような・・・。まぁ、キャッチーでいいんじゃない? #10、ピコピコキーボードアレンジが面白いよ。 #11、リフ、サビ共に素晴らしい。 #12、おっさんが話す SE 。これ、1曲目にしたらいいんでない? #13BLACK SABBATH のカバー。最後のベースが手抜きでアレ。Ralf ( もしくは Mat ) は Ronnie James Dio が好きなのかな? 2nd の Kill the King といい・・・。しかしベタな選曲だ。 #14LED ZEPPELIN のカバー。


3rd アルバム Nuclear Fire には劣るものの、破壊力抜群の #1 を筆頭にいい曲が入っている。てか、#1 はメタル好きなら一度は聴いておきたい。

評価:82

SONATA ARCTICA / Ecliptica

SONATA ARCTICA / Ecliptica
Release : 1999
Label : Marquee

北欧フィンランドより現れたメロディック・スピード・メタル界の救世主。SONATA ARCTICA の 1st アルバム。


#1、この怒涛のスピードはいつ聴いても爽快。 #2、ライブでは必ず演奏される名曲。キーボソロの後ろでのメロディアスなギターメロが GOOD 。 #3STRATOVARIUS です。嘘です。 #4、アルバムのアクセントとしても丁度いいミドル。 #5、音階をなぞるだけのイントロの切り込みがあまり面白くないわけだが・・・。 #6、バラード調から入る至高の名曲。サビの「ラナウェイ ラナウェイ ラナウェイ」はライブでは必須。 #7、ここまでバラードを匂わせる曲が多かったのもあって、あまり印象的ではないかも。 #8、A,B、サビどれをとっても文句なしのメロディだね。 #9STRATOVARIUS からの影響が多大な曲。#3 や #5 があるので、少々新鮮味に欠ける。 #10、唄メロがモロに STRATOVARIUS / Black Diamond なのは大目に見てあげよう。左右に揺れまくるギターが面白いね。 #11、日本盤ボートラ。ドラムが全然面白くないのだが、所詮ボートラ。


当時このアルバムを聴いて凄まじいインパクトを得たのを覚えている。#1 がいきなり疾走曲だったこともあるが、捨て曲がないのもその理由のひとつ。

評価:82

THE POODLES / Tour De Force

THE POODLES / Tour De Force
Release : 2013
Label : Frontiers

THE POODLES の 5th アルバム。


アップテンポでキャッチーにドライヴする #1. Misery Loves Company,ウェット感のあるメロディとヴィンテージなリフが印象深いアリーナ・ロック・ナンバー #2. Shut Up!,重く跳ねるリズムがいい味を出す #4. Viva Democracy,程よい哀愁が胸を突くバラード #6. Leaving the Past to Pass,哀愁メロを爽やかにドライヴさせる、いかにも彼ららしい (3rd の 7 Days & 7 Nights は無関係?) #7. 40 Days & 40 Nights,80s な風を封じ込めた #8. Kings & Fools,北欧らしいアレンジが耳を引く #11. Now is the Time,2013年アイスホッケー世界選手権大会のスウェーデンチーム・オフィシャル・テーマ曲らしい #13. En For Alla For En

北欧哀愁メロハーから少しダークになっているのは前作同様だが、メロディのキャッチーさは勿論、持ち前のアリーナ・ロック的な要素が復活している。捨て良くらしい曲も見当たらず、絶妙な曲順も相対して実に見事なアルバムだとしか言いようがない。ただ、やはり爽やかな哀愁メロハー路線の曲がもう1曲は欲しいところ。

評価:82

YNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCE / Perpetual Flame

YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE / Perpetual Flame
Release : 2008
Label : Rising Force

究極のダイエットも虚しく順調にリバウンドを始めた Yngwie Malmsteen の 14th アルバム。Vo は Tim ‘Ripper’ Owens (ex-JUDAS PRIEST,ICED EARTH) に。


#1:従来通りの路線だが、そこに絶大なパワーを与える Ripper には敬服せざるを得ない。 #2:#1に同じ。 #3:ミッド・テンポの佳曲。まるで Dio かと思うほどにネチっこく大仰な歌唱を披露する Ripper は見事。 #4:キャッチーなメロディが印象的な曲。 #5:#1に同じ。 #6:ダークな曲調が印象深い曲。タイトルが意味深・・・でもないか。 #7:定番リフが美味しい曲。 #8:弾きまくりのインスト。 #9:#8 に同じ。 #10:唄わなくてもいいってば。 #11:いつも1曲は入ってる ( 気がする ) 中東洋系の曲。 #12:#8 に同じ。


手癖と決して良いとは言えない音質はいつも通り。Metal 再生屋の Roy Z でもこれを治す事は出来なかったか・・・。だが、ここ数枚のアルバムと比べたら十分いい出来だ。それも全て Tim ‘Ripper’ Owens のおかげだろう。まぁそれでもインスト以降はダレてくるんだけどさ。
さて、Ripper に仕事分のギャラはきちんと支払われるかな? (笑)

評価:82


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