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LIV MOON / Double Moon

LIV MOON / Double Moon
Release : 2009
Label : Victor

元タカラジェンヌの歌姫 Akane Liv を擁するシンフォニックメタル・バンド LIV MOON の 1st アルバム。


Akane Liv の強力でオペラチックな Vo を軸に聴きやすい唄メロで惹きつけるという点ではほぼ全ての曲で一貫していてその点ではいいと思うんだけど、何?作曲者はホントに Metal を知ってんの?って感じが梅雨時の湿気みたいにジメジメ漂ってる。
クリーンなトーンで聴かせるパートはシンセ主体でそれほど違和感がないんだけど、一転ヘヴィになるパートではよくある J-POP 系のギターの GAIN をただ上げただけの陳腐なサウンドになっている。ギターソロも少ないし…。ついでに、ベースは無駄に音量が大きく音がぼやけてしまい、本来のリズム隊としての役割が全く出来ていない。
(勝手な憶測だけど)これは恐らく普段 Metal を聴いてないから、Metal の音作りが全く判ってないんだろう。さらに、作曲の中心人物である Key は ( #2. 月架 の冒頭で ) 安易な音色チョイスで笑わせてくれるし、#4. The Phantom of the Opera では興味深い ( 褒めてません ) Vo を聴かせてくれる。


マーケティングに国内最高の組織(笑)が絡んでるようなのでこのアルバムとライブで稼げたら、次のアルバムではもっとまともな HR/HM を知る人材で作ってほしいね。Vo のパフォーマンスは素晴らしいわけだし、キチンとした Metal 畑の人たち(もしくはプロデューサーと)で制作すればもっと良いものが出来ると思うよ。まぁ、Vo 以外のメンバーを一新するのが理想だけどね…。

評価は、今後への期待を込めたのと音質さえ気にならなければそれなりに良いんじゃないかと思ったから。( Akane Liv が超美人だってのを評価に入れる場合は +10 で ) ただね、あんだけ Symphonic Metal と宣伝しておいてこの程度だってのはちょっとガッカリしたな。

評価:66

LIV MOON / Covers ~ Scream As A Woman ~

LIV MOON / Covers ~ Scream As A Woman ~
Release : 2010
Label : Victor

Akane Liv 率いる LIV MOON のカバー・アルバム。DVD付き。


1st アルバムがあんな音質だったので、正直なところアルバムの内容よりも「この時点でマシな音作りが出来るか否か」を計る意味で入手したといってもいい。彼女の Vo パフォーマンスに限れば何だ不安要素はないわけだしね。
で、その音質だけど、やはり HR/HM を聴いてきた者としては決して満足できるものとは言えない結果となった。特にギターは仕事とはいえ、こんな酷い音で満足しちまうってのが信じられない…。オーケストレーションも無機質だし、本当に残念だ。

曲に関しては、どの曲も歴史に残る名曲なのでそれなりのレベルは保てているが、稚拙なアレンジがどうも肌に合わない。極めて原曲に忠実な #6. The Show Must Go On が一番良かったかな。

DVD で 動いてる Akane Liv が観れるという以外は大した収穫はなかったかも。てか、次のアルバムもこんな音だったなら、レコード会社は本気で HR/HM 専門の外部プロデューサーを勧めた方がいいと思うよ。

評価:39

LIV MOON / Golden Moon

LIV MOON / Golden Moon
Release : 2011
Label : Victor

Akane Liv 率いる LIV MOON の 2nd アルバム。


ピアノの魔術師 Franz Liszt のカバー #1. 死の舞踏,シンプルなメイン・フレーズを軸にポップさが目立つ #2. Say Goodbye,ヴァースの良さがブリッジ~コーラスに続かないのが残念な #3. Not Game!, バロックなイントロからブラストビート、低~中音域を使った歌唱が魅力的な前半のキラー・チューン #4. Black Ruby, アニメのOPみたいな #8. ドラクロワの女神, 当アルバムの中で最も前作に近い #9. Fly, ミュージカル風の演出 + QUEEN#10. バレリーナ・シンフォニー, Syu (Gt/GALNERYUS) がゲスト参加した NIGHTWISH っぽい #11. 静かな奇跡, 普遍的バラードだが、ラストのベース・ソロのおかげで一歩抜きんでた #12. 溺れる人魚, アニメソング街道まっしぐらな #13. アマラントスの翼

前作に比べてかなりマシな音質に。もし前作と同じような音だったら確実に見限ってたな。

曲は、外部ライターの採用でバラエティに富んだ結果となったがメタル・ファン目線だと明らかに #5. Dance with a Ghost ~ #6. よざくらん の2曲はいらんよね。J-POP のアルバムだと、バンドのイメージとはかけ離れた実験的で理解不能な曲が入ってる事が多いけど、この2曲はそんなイメージ。ついでにあと1曲減らすと丁度いい曲数なんだけどな…。

評価:75

LIV MOON / Symphonic Moon

LIV MOON / Symphonic Moon
Release : 2012
Label : Victor

LIV MOON の 3rd アルバム。


清水昭男 (Gt/ANTHEM) 作曲のメタリックで刺激的な歌詞がアレな #1. Amen!,#1 と同じく清水昭男作曲の、3拍子である事を感じさせない #2. 零の天使,明美 #3. Alchemy,クラシカルな間奏が美味しい #4. Kiss Me Kill Me,1st アルバムに入ってそうな雰囲気の #5. 氷の棺,メロディックな唄メロが素晴らしく、Neo=Classical なギターソロも印象的な #7. Black Serenade,バラード調からサビで悶絶必死の疾走パートへ変化するドラマティックな #8. 心月世,パワー・メタルチックな #9. The Last Savior,アルバムのテーマである白と黒の歌唱が生かされた #12. Masquerade

まず初めに、このアルバムを聴いて Symphonic だと感じられるところがどれだけあるか…。2,3曲じゃん。そして、声のトーンで白と黒を分ける発想は面白いものの、1曲まるまるだったり曲中で変わったり、判りにくい。どうせやるなら QUEEN みたいにやってくれればいいのに。

Akane Liv の七色の唄声を駆使した歌唱は相変わらず素晴らしいんだけど、全然曲が追いついてない。アルバムの統一感が皆無なのは作曲の大半を外部ライターに委託しているからだろうし、それが Victor の意向なんだろうけど、良くある J-POP のアルバムを聴いているみたいで…。特にリーダー?の西脇氏の曲は “メタルとは何ぞや” が全然判ってない感じなのが残念すぎる。音質は、やっぱり本場の人に任せた方がいいね。1st に比べたら全然マシだけど、まだまだ安っぽい感が否めない。

DVD なんか付けるよりも 1st の Double MoonWild Creatures の再録ボートラとかの方が嬉しいと思うんだけどね…。

評価:60

LIV MOON / The End of the Beginning

LIV MOON / The End of the Beginning
Release : 2012
Label : Victor

北欧神話をコンセプトにした LIV MOON の 4th アルバム。


シンフォニックなオーケストレーションが印象深い #2. Free your Soul,スケール感のある唄メロと北欧民謡調のアレンジが美味しい #3. Fountain of my PleasureKee Marcello (Gt/ex-EUROPE) と日本人歌手にも数々の楽曲を提供している Fredrik Hult 作曲の少し浮いた #4. And Forever More,ネオ=クラシカルなアレンジとオーケストレーションはかなりいいのに、なぜか唄メロがその辺の J-POP みたいな #5. Black Fairy,ミュージカル度 100% の #6. The End of the Beginning,ネオ=クラシカルに疾走するインスト #7. Valhalla,歌詞は完全に J-POP ながら、ちゃんとツボを心得たメロディックな展開を聴かせてくれる #8. Midsummer Eve,シンプルなメロディック・メタルな #9. Hell,変拍子を多用したプログレッシヴな #10. 霧の葬送曲,北欧らしいメロディの #12. ImmortalsKiko Loureiro (Gt/ANGRA) が作曲した提供したメロスピ曲を感動的なバラードにアレンジした #13. 黄金の涙,映画のエンディングのような #14. Voyage

曲の半数を外部委託しているとはいえ、1年に2枚はやり過ぎな気がする。それだけ予算があるならもっと曲やサウンドに時間をかけてもっといいアルバムを作ってほしいと思う人は少なくないハズ。ドラムの音もギターの音もシンセの音も安っぽいし…。その点、海外ゲストのサウンドは良い音(というか普通の音)なのが悲しすぎる。それに、各曲のサウンドの方向性がバラバラなのもいかがなものか…。

彼らが本物のバンドではないのなんて最初から分かってるんだけどね。でも一度でいいから外も内も本当にメタル畑を理解してる人たちと “これぞ日本のシンフォニック・メタルだ” というアルバムを作ってほしいね。

評価:65


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