Search for ‘DREAM THEATER’

DREAM THEATER / When Dream and Day Unite

DREAM THEATER / When Dream and Day Unite
Release : 1989
Label : Universal

アメリカ産プログレッシヴメタルバンド DREAM THEATER の記念すべきデビューアルバム。Vo は Charlie Dominici


#1、テクニックは冴えてるが、不安定な Vo、中途半端な終わり方がなんとも。 #2、明るいキーボードメロが印象的な曲。軽いドラムや薄っぺらいギターが厳しい。唄メロも面白くない。 #3、中盤からのスリリング展開が素晴らしいインスト。 #4、北欧メタルの様な冷たさを出すキーボードがGJ!Vo も悲愴感を漂わせている。 #5、妙に響く Vo がなんとも。唄メロはなかなか面白い。 #6、疾走曲。プログレというよりも普通のメタル曲。特に変わったパートのない。 #7、不思議なイメージのキーボードが印象的なイントロを過ぎた後はなんの高揚感もない普通のスピードメタル。ソロだけは変拍子ばりばりのプログレ。 #8、キーボードの、聖の雰囲気を醸し出すパートは素晴らしいが、他が全く面白くない。


今ではプログレッシヴ・メタル界の王者になった彼らだが、当アルバムでは音質やVoに青臭さが残り、且つ消化不足の様な印象を受ける。ギターとキーボードの類稀なるセンスは素晴らしいが、それを楽曲に調和できていないと言うのが問題だろう。それに、曲が長い割りに良いと思わせるパートが極めて少ないのも問題だろう。

評価:41

DREAM THEATER / Images and Words

DREAM THEATER / Images and Words
Release : 1992
Label : Warner

Vo を James LaBrie にチェンジして作られた2ndアルバム。初期 DREAM THEATER の最高傑作。


#1、スリリングな展開美が光る。唄メロも非常に魅力的。 #2、キャッチーで優しいメロディが心を打つ珠玉のバラード。 #3、アップテンポかつキャッチーなイントロ、Hendrix 的古典的ロックを彷彿とさせるメロディから飛翔感のあるメロディまで難なくこなす。 #4、聴き易いメロディと哀愁のある唄メロが魅力的な曲。ラストも良い感じ。 #5、”世界に誇れる神曲”。怪しメロでさまざまな金物を駆使しているイントロが良い。エモーショナルなVoも素晴らしいし、なんといってもソロ。生殺しにされそうな長い溜め、そして訪れる奇怪なメロディを持つユニゾン。これはヤヴァイ。生唾ゴックン、体震え、握り締めた拳・・・。そして強烈な飛翔メロを伴う最後の唄メロ、これを神曲と言わずになんだという。 #6、アルバム中最も疾走感を感じるスピードチューン。ヘヴィなギターリフも素晴らしい。 #7、悲壮感を感じる曲。哀愁を感じさせるピアノもいい感じ。 #8、宇宙の神秘を感じる(笑)キーボードメロが斬新さを醸し出している。


メンバー全員の科学が起こした奇跡。Metropolis Pt.1 を筆頭に捨てパートさえ探る事を許さない楽曲郡たち。それほど素晴らしいアルバム。

評価:95

DREAM THEATER / Awake

DREAM THEATER / Awake
Release : 1994
Label : Warner

前作で超絶的な名盤を作り上げた DREAM THEATER の 3rd アルバム。


#1、前作の延長上にあるようなメロディ。 #2、飛翔感のあるメロディをよく唄いこなしていると思う。 #3、ん、この曲では綺麗な声が出てる。#2まではわざとか。 #4、冒頭からプログレらしいギターが炸裂してる。綺麗なストリングスメロもいいね。インスト。 #5、ミドルテンポからファストテンポまで繰り出してくる展開豊かな曲。 #6、アコースティックでモダンなメロディが印象的な曲。ただちょっとメロディが弱いか・・・。 #7、複雑な展開を持つ曲。例の如くキーボードソロが幻想的。 #8、ヘヴィな感じが滲み出ている。 #9、メロウな唄メロと幻想的なストリングスが良い。 #10、一回聴いただけではその複雑さは理解できないであろう怪奇な展開が凄い。壮大なメロディを奏でるストリングスが曲全体の雰囲気を見事に作り出している。 #11、#1から続いた一連の物語を終わらせるアウトロの様な役目の曲なのだろう。いままでの曲が脳内に駆け巡っているようだ。


前作とは多少違った凄みを漂わせている。前作ではメロディアスなメロディを主体としていたが、今作は複雑な展開美とヘヴィさを前進させた内容だ。アルバム全体に鮮やかな色を描いている Kevin がDTに在籍する最後のアルバムとして、彼の幻想的で美しいメロディを堪能してみるのにも適しているね。

評価:84

DREAM THEATER / Falling into Infinity

DREAM THEATER / Falling into Infinity
Release : 1997
Label : Warner

新 Key に Derek Sherinian を加入させた DREAM THEATER の 4th アルバム。


#1、1曲目にしてはインパクトの薄いこと・・・。キーボードが目立ちすぎなのも気になるな。 #2、キャッチーで哀愁のある唄メロはいいが・・・。 #3、アグレッシヴな後半のインストパートが凄い。 #4、イントロで悶死。まさか、こう来るとは。 #5、このバンドにしては珍しいストレートな曲。ま、たまには悪くないか。 #6Petrucci もそろそろネタ切れか。なインスト。 #7Derek のピアノは面白いね。 #8、#4 といい、この曲といい、意外性を狙ってるのか?この作曲センスには感服しますわ。 #9、キーボードとベースのユニゾン→定位を弄ったキーボソロがいいね。ラストのフレーズも鳥肌モノ。 #10、素晴らしいバラードだ。QUEEN っぽいコーラスもいいね。 #11、13分の大曲。Derek の自己主張が強いな。


悪い内容だとは思わないけど、今までで一番 DREAM THEATER っぽくないな。

評価:63

DREAM THEATER / Metropolis Pt.2 : Scenes from a Memory

DREAM THEATER / Metropolis Pt.2 : Scenes From a Memory
Release : 1999
Label : Warner

DREAM THEATER が世に放った名曲 Metropolis Pt.1 の続編に当たる 5th アルバム。


#1、時計のカチカチという音からアコースティックに続くイントロみたいな曲。 #2DREAM THEATER 特有のコード進行なイントロ。 #3、緊張感のある中で James Labrie の唄う癒しのメロディが心地よい。特に後半のメロディね。 #4、#3から続けてのバラード。ピアノが運ぶ “なんかよくわかんないけど寂しくなっちゃうわ” な感触がいい。 #5、#4から続く哀愁の前半、嵐のような超テクニカルなソロの応酬が聴ける中・後半。まったくもって Mike PortnoyJohn Petrucci のコンビは凄すぎる。インストパート凄すぎ。 #6、4拍子のところでは、このレビューを書くのを忘れて “気付いたら頭を振っていた” 。一瞬たりとも耳を離す事ができない名曲・名演。 #7、女性Vo の声がめちゃくちゃ可愛い (笑) 勿論 James Labrie も艶やかな唄を聴かせてくれる。 #8Jordan Rudess の独壇場な前半が好き。それ以降の13分はちょっと長く感じるね。 #9、Metropolis Pt.1 を彷彿とさせる、というかそのまんまのメロディが出てきて・・・もうね、悶絶。ピアノのジャズっぽいメロから定位を入れ替えながらのギター、堪らん。 #10、これまた哀愁のピアノが登場。やばいわこれ。Metropolis Pt.1 のインストに似たメロディも出てきて・・・。素晴らしいとしか言いようがない。 #11、物語の終わりを感じさせるバラード。たぶん、DREAM THEATER 史上最高のバラードかと。 #12、12分の大作。ここでも#1からのメロディが出てくる。


コンセプトアルバムという枠の中で、確実にTOP10に入るであろう素晴らしすぎるアルバム。スルメな人と即効性がある人に分かれるみたいね。俺は前者でした。

評価:98

DREAM THEATER / Six Degrees of Inner Turbulence

DREAM THEATER / Six Degrees of Inner Turbulence
Release : 2002
Label : Warner

DREAM THEATER の2枚組み 6th アルバム。


– DISC 1 –
#1、( MP2 から繋がるのが何となく嬉しい。 ) NWOAHM の精鋭の影響を受けているようなリフがいいね。そこに彼ら流のテクニカルなインストパートを入れてくる辺りは流石。 #2、自己満足全開の自慰的ソロの塊みたいだ。 #3、哀愁のバラードから熱いパワーバラードに変わって、そしてまた混沌へ・・・。ってな展開が素晴らしい。 #4、キャッチーな唄メロがいいね。それ以外は MikeJordan の独壇場。 #5、アレンジが凄すぎ。 (ギター?) はちょっと音潰しすぎじゃない?

– DISC 2 –
#1、オーケストラアレンジが素晴らしすぎる。こりゃ RHAPSODY OF FIRE も真っ青だな。 #2LaBrie の唄メロが主軸になっているのがいいね。 #3、何このプログレッシヴな繋げ方。最高。 #4、絶妙な変拍子 ( というか3連譜の入れ方 ) が素晴らしいね。 #5、唄い出しの歌詞には笑った。哀愁のある唄メロはいいね。 #6、アルバム中一番キャッチーで聴きやすいメロディだ。ラジオエディットされるのも判る。 #7、爽快なメロディが印象的。 #8、この “いかにもエンディングです” 的なメロディに弱いんだよなぁ。ドラの後に何が来るのかと期待したが、特に何もなかったな・・・。 #9、ラジオエディット Ver.


大作指向過ぎ。DISC 1 は平均 10分だし、DISC 2 は組曲という徹底ぶり。しかも聴いてて飽きない ( 俺だけかも ) 。前作までとはいかないが、十分匹敵する素晴らしく濃~いアルバムだな。

評価:91

DREAM THEATER / Train of Thought

DREAM THEATER / Train of Thought
Release : 2003
Label : Warner

米産プログレ・メタルの長、DREAM THEATER の 7th アルバム


#1、DT にしてはダークでヘヴィな曲。James LaBrie が地味に活躍。 #2、こ・こ・こいつぁヤバイ。・・・最後の唐突なソロが全てを台無しにしてるような気もする。 #3、何気にキャッチーな曲。スケールの練習フレーズみたいなギターソロはどうにかならんものかな。 #4、スラッシーなリフが面白いね。ちょっと MP1 に似てるような。 #5、左のピアノと右の弦楽の調和が美しいバラード。 #6、11分のインスト。Petrucci どう考えても弾き過ぎだろ (笑) #7、MP2 を彷彿とさせる展開、スリリングなソロパート、裏方にしては自己主張しまくりのベース、もはやメロディを叩いているとしか思えないドラム・・・と、悶絶パートだらけの至高の14分間。終わり方も最高。


いつになくダークでヘヴィなアルバム。METALLICA っぽいパートが出てくるのも面白い。でも何より、Petrucci さんどう考えても弾き過ぎですよ (笑) ・・・その分 LaBrie の影が薄くなってる。

評価:84

DREAM THEATER / The Number of the Beast [Official Bootleg]

DREAM THEATER / The Number of the Beast
Release : 2005
Label : Ytsejam

002年10月24日にパリで収録された、DREAM THEATER の Official Bootleg 。( IRON MAIDEN / The Number Of The Beast をカバー )


彼らの演奏力、カバーの正確さについては、何も言う事はない。James JaBrieBruce Dickinson に似せた唄い方がキツそうだけどね。問題は “#5 Run To The Hills” のバック・コーラスだな (笑) Mike PortnoyJohn Petrucci ・・・ライブだし致し方ないのは判っているが、これはちょっとな。

原曲が素晴らしいのは言わずと知れているが、中でも聴き所なのはジャズ風のアレンジが施された “#7 Gangland” だろう。あの疾走曲がこうも生まれ変わってしまうとは、と驚かされる。John Myung はと言うと、完璧すぎて逆に目立ってないな。本来なら一番目立たなきゃダメなのに(笑)

評価:70

DREAM THEATER / Octavarium

DREAM THEATER / Octavarium
Release : 2005
Label : Warner

プログレ・メタルの王者 DREAM THEATER の 8th アルバム。


#1、前作の流れを組むかのようなダークな曲。ただ、あまりテクニカルな面は出さずに落ち着いた曲だと言る。その分唄メロが素晴らしい。 #2James Labrie の名演が光る至高のバラード。本心を言うと、D・Tがここまで素晴らしいストレートなバラードを書くとは思っていなかった。 #3、#2から上手く曲調を引き継ぐ、ミドルチューン。彼ららしかぬ単調な曲だけど、唄メロ多くていいね。 #4、POPセンスが光りすぎて、ドリムシは一体どーしたんだ?とも思わせられる超ポップチューン。清々しくて良い。 #5、ギター、キーボソロが素晴らしいね。唄メロいいし。 #6、ダークでモダンな音作りだな。相変わらず唄メロがいいなぁ。 #7、10分超えの大曲。長さを感じさせないのはやはり彼らの凄みだろう。 #8、24分ジャストの超大曲。哀愁の満ち溢れる笛メロディ、もの悲しげなVoは凄く感情がこもってる。勿論唄メロは極上のものだ。てか、これまた全くと言っていいほど24分という長さを感じさせない。インストパートでも、Labrie の功績に答えているかの如く打ち出されるメロディは至高と言わざるを得ない。もう、ラストの展開といい・・・悶絶。しかもまた #1 に繋がっていくってのが・・・。


今作、James Labrie が積極的に作曲に参加するようになって、DREAM THEATER は生まれ変わった。それは、全曲で確認されているので聴いた人は判ると思うが、唄メロが聴きやすいという事。大曲以外、実にコンパクトにまとまっている事。そして何より唄パートが増えた事だ。この変化は本当に素晴らしいね。

評価:88

DREAM THEATER / Score [LIVE CD & DVD]

DREAM THEATER / Score
Release : 2006
Label : Warner

DREAM THEATER / Octavarium Tour の最終地、NEW YORK ( Radio City Music Hall ) にて行われたライブ。


– DISC 1 –
まずは Octavarium 収録の2曲。その後は 各年代の曲を順々に演奏している。特に #37 は貴重なトラックだと言える。#3MAJESTY 時代の曲だ。そして “Afterlife” 。初期の曲を LaBrie の Vo で聴けるのは嬉しい。#7Falling Into Infinity の時にお蔵入りした曲らしい ( 結構いい曲だと思うけどな・・・ ) 。そして MP2 の名曲 “The Spirit Carries On” で 第1部が終わる。

– DISC 2 –
ここからはフル・オーケストラを従えての 6DOIT 完全再現。オケ隊が ( それほど ) 上手くないのが残念。アルバム順演奏が終え、Octavarium の曲へと戻る。

– DISC 3 –
MP1 最高。変拍子ソロ最高。


毎回の如く彼らのほぼ完璧な演奏には驚かされる。しかも、音を直してないそうなんで今回は余計にね。オーケストラは、はっきり言って “おまけ” レベル。初期の曲を LaBrie が唄っている事が (俺にとっては) 重要であってね・・・。ファンは DVD も買いましょう。LaBrie と Petrucci のイチャつき具合が確認できます (笑)

評価:70

DREAM THEATER / Systematic Chaos

DREAM THEATER / Systematic Chaos
Release : 2007
Label : Roadrunner

超絶技巧集団 DREAM THEATER の 9th アルバム。


#1、つ、つまらない・・・。テクニカルなソロとか相変わらず凄いのは確かなんだが、説得力が皆無。 #2、いつもに増して唄メロが弱いね。煮え切らないな・・・。 #3、LaBrie の比率が少なすぎ。 #4、Petrucci、リフのネタすらも尽きてしまったのか・・・。7弦使えばいいってもんでもないっしょ。 #5PINK FLOYD を彷彿させる陰鬱な曲だが、ぬるいよなぁ。 #6、十分カッコイイ曲なんだが、いまひとつかゆい所に手が届いていない印象がある。 #7、14分の大曲。緊迫感のあるソロ・パートは流石。メロディも申し分ないね。 #8、16分の大曲。#1 に同じ。


前作では大活躍だった James LaBrie がいつもに増して影が薄い・・・。たまーに印象的な唄メロを唄っているが、ほとんど印象に残らない。まぁ “普段なら” 他の楽器隊がそれを大いにカバーしているんだけど、今作はそれがない。 “PINK FLOYD / Wish You Were Here” ライクなアルバム構成も妙に意識しちゃってる感があって何故か好意的に受け取れない。

評価:52

DREAM THEATER / Black Clouds & Silver Linings

DREAM THEATER / Black Clouds & Silver Linings
Release : 2009
Label : Roadrunner

超絶技巧楽団 DREAM THEATER の 10th アルバム。


#1:前作の延長上にあるかのようなダークな曲。 #2:メロウな唄メロとテクニカルなインストパートが美味しい佳曲。 #3:唯一の5分台の曲。Petrucci の叙情的でクラシカルなソロが堪らんわ。 #4:「アルコール依存症を克服する12のステップ」最終章。過去の楽曲からの引用が多い ( というかメドレーみたいなもんだな ) 。 #5Portnoy が亡き父に捧げた曲。”ARCH ENEMY / Nemesis” のソロを更に劇的に練り直したかのような哀愁メロが堪らない。泣ける…。 #6PINK FLOYD 的なプログレ・ワールドが素晴らしい曲。


Octavarium 以降に目立ってきたメロウ・サイドの比率が多く、初期よりもかなり聴きやすい内容になっているのと同時にある種の ‘ネタ切れ’ 感も充満している。予定調和過ぎて DREAM THEATER を聴いているとは思えないほどだ。まぁ、ポジティヴな見方をすれば、バンドの方向性に明確な一貫性が見えてきたと言えるのかもしれないね。ただ、どうしても求めてしまうんだよね、彼らならではの革新的な音と展開を…。

評価:71

DREAM THEATER / A Dramatic Turn of Events

DREAM THEATER / A Dramatic Turn of Events
Release : 2011
Label : Roadrunner

Mike Portnoy の後任に Mike Mangini (Ds/ex-STEVE VAI Band,ex-ANNIHILATOR etc) が加入した DREAM THEATER の 11th アルバム。


巷では Images & Words に似ているとか言われているようで、確かに展開やら曲構成にそう感じるところもあるが、個人的には I&W よりも Jordan Rudess 加入以降の DREAM THEATER の集大成という印象だ。

Mike Portnoy 脱退の影響は “ドラムの音量が標準化” “ベースが良く聞こえる” “下手くそなコーラスがなくなった” など、Mike Portnoy には悪いが良い事しか思いつかない。攻撃的な曲が減ったことに関しては、前作から続くメロウ・サイドの延長上とも考えられるので、一概に Mike がいないからだとは言い切れない。
むしろ、混乱を最小限に抑えつつ自分達らしさを保つための最良の策がこの方向性だった、と考える方が納得がいく。

残念なのは James LaBrie の声を想定したという無難な音域での唄メロだ。フックのないメロディが目立ち、アルバム全体の緊張感が損なわれてしまっている。無理してでも広い音域で唄えとも言えないが、これがアルバムを物足りなく感じさせている要因の一つなのは間違いない気がする。

その代わりと言ってはアレだが Petrucci のソロは過去最高レベルにエモーショナル。スローなメロディ弾きが多いのもそう感じる所以だろうが、テクニカルさを失わずにここまで熱情的なのはホント見事としか言いようがない。

何にせよ、変化の真っただ中に作ったアルバムだ。緊張感はないが決して悪い出来ではないのは流石 DREAM THEATER。だが、本当の意味で真価が問われるのは Mike Mangini が曲作りに関わるであろう次のアルバムだろうな。

評価:72

DREAM THEATER / Dream Theater

DREAM THEATER / Dream Theater
Release : 2013
Label : Roadrunner

DREAM THEATER のバンド名を冠した 12th アルバム。


ゲームのボス戦みたいなイメージのインスト #1. False Awakening Suite,今の彼らの全てを詰め込んだような曲で、今後の代表曲になりそうな名曲 #2. The Enemy Inside,ポップでメロウな唄メロが初期を彷彿させる #2. The Looking Glass,哀愁のパワーバラード。メロウなギターソロの裏でそれを食わんばかりのライドが堪らない #5. The Bigger Picture,サビでテンポダウンしてしっとりと聴かせる #6. Behind the Veil,どことなく初期っぽさを感じさせる #7. Surrender to Reason,短編映画を見ているかのような壮大な大曲 #9. Illumination Theory

#1. The Enemy Inside が最初に公開されたため、てっきりメタリックな路線かと思いきや、かなり Octavarium してるなぁ、という印象。タイトルからも、当人たちは「これが俺達だ!」と言いたいんだろう。確かにその通りに感じるし、レベルの高いアルバムであることは間違いない。いつもより既視感が強いのかもしれない。

前作が「Dream Theater」で、このアルバムが「Dream Theater II」ならすんなり納得できそうな気がする…。

評価:69


Links of Uranus
Sort
Bands

979 Reviews in Total
Top