Release : 2011

ALMAH / Motion

ALMAH / Motion
Release : 2011
Label : AFM

Edu Falaschi (Vo/ANGRA) 率いる ALMAH の 3rd アルバム。


もはや、自分が最も得意だという中音域の歌唱すらままならないという本人の言葉通り Edu の声は酷い有様。それにも拘らず、グロウルを導入するとか意味が分からない。

音は 2nd のようなメロディックさが殆どなくなり、モダン・ネヴィネスな感じに。ただ、変化はあれど曲は悪くない。Edu 以外のメンバーの技量は前作を聴けばわかる通りかなり高いし、曲のセンスもなかなか。これでもし Edu が若かりし時のようなレベルの歌唱を披露していたらと思うと…。

ぜひとも彼には完全回復して戻ってきてもらいたいね。

評価:44

AMARANTHE / Amaranthe

AMARANTHE - Amaranthe
Release : 2011
Label : Spinefarm

Olof Mörck (Gt/DRAGONLAND, NIGHTRAGE) 率いるトリプル・Vo バンド、AMARANTHE の 1st アルバム。


巷ではスーパーグループだとかなんとか言われているようだが、この程度のメンバーで何が “スーパー” なのか分からない。というのはひとまず置いといて、強力なアルバムであることは確かだ。

音楽性は中心人物である Olof Mörck の経歴から容易に想像できるもので、雑誌やそこいらのメタル系サイトで言われているほどの新鮮味はない。”デスメタル系リフ + キャッチーなメロディ” という組み合わせに LUCA TURILLI の 2nd アルバムのようなスペーシーなシンセが入る。特筆すべきはシンガーが3人いる事だが “女性シンガー + グロウル” “クリーンとグロウルを使い分ける” という組み合わせも既に前例がありすぎて…。

じゃぁ何がいいのかと言えば、単純に楽曲が良いのだ。メロハーでも通用しそうなキャッチーな唄メロと絶妙なシンガーの対比、そして1曲が3~4分というコンパクトさ。こんな “美味しいトコ総取りタイプ” がウケないわけがない。

個人的に気に入ったのは、このまま何も変えずとも DRAGONLAND の曲になりそうな #3. 1.000.000 Lightyears と メロディアスなブリッジから爽快なサイバートランス風味に変化する2段構えの #8. Call Out My Name かな。

下半期にトンデモナイのが出てこない限り 2011年のブライテスト・ホープは彼らに決まりかな。

評価:89

AMORPHIS / The Beginning of Times

AMORPHIS / The Beginning of Times
Release : 2011
Label : Nuclear Blast

フィンランド産メランコリック・メタル・バンド、AMORPHIS の 10th アルバム。


前作同様にフィンランドの抒情詩カレワラがコンセプト。順当に “続編” 的な音でアルバム構成も似たような印象。まぁ、マンネリもここまでくれば究極の個性ということで、前作にも匹敵するいいアルバムだ。

女性シンガーを起用したイントロから哀愁と慟哭を振りまく #2. Mermaid と哀愁・疾走がスピード・メタル・ファンの心を掴んで離さない #5. Song of the Sage は本当に素晴らしい出来。勿論他の曲もいいんだけど、この2曲以外は (過去のアルバムと比べると) どうしても曲に小粒感が漂ってるってのも事実。

水準は保ってるし、安定感があるという意味では素晴らしいんだけどね。もう一つ違うスパイスがあればな…。

評価:84

ANIMETAL USA / Animetal USA

ANIMETAL USA / Animetal USA
Release : 2011
Label : Sony

ANIMETAL USA の 1st アルバム。


裏打ち疾走 + 光速ピロピロの #1. 宇宙戦艦ヤマト,”カメハメウェーヴ” #4. 摩訶不思議アドベンチャー,原曲がそもそもメタルな #8. ペガサス・ファンタジー,まさかここまでメタル・アレンジが似合うとは思わなかった #11. 行け行け飛雄馬

本家 ANIMETAL 同様、ところどころに有名曲のリフやらを入れてくるのも面白い。てか、Marty Friedman がここまでパワーメタルなアレンジをするのは、お仕事だからか (笑)

そんな事より、日本主導とはいえこれ程のメンバーが集まってイロモノ・バンドだなんて、少し悲しいな。彼らが本気で “彼らの経歴から求められるであろう” オリジナル曲を作って、結果的にそれをアニメのタイアップにでもする方がよっぽどいい気がするよ…。

評価:30

ARCH ENEMY / Khaos Legions

ARCH ENEMY / Khaos Legions
Release : 2011
Label : Trooper

ARCH ENEMY の 8th アルバム。


「相変わらずサイレン音好きなんだな」なイントロ #1 に続く #2. Yesterday is Dead and Gone で既に ARCH ENEMY 節が全開。ラストのソロパートが Randy Rhoads#3. Bloodstained Cross に、普通のハードロックみたいな #5. No Gods, No MastersChis Amott のアコ・エンディングがカッコイイ #7. Through The Eyes of a Raven,ギターインストにボーカル載せたかのような #14. Secrets,そして何故か Uli Roth 脱退以降の SCORPIONS のカバー #15. The Zoo …。

前作以上に複雑な展開な上に隙間さえあればソロを詰め込んだって感じか。18番のメロディアスなソロも大量に聴けるが、単調なメロディが多い事からネタ切れが心配されるな…。

全体的に曲のテンポが落ちて音質も柔らかくなったせいか、前作から既に薄れ始めていた暴虐性がさらに薄くなっているのも気になる。…気になると言えば #5 のクリック音消し忘れもそうだな。

個人的にはどうでもいいんだけど、日本語表記が アーチ・エネミー になったみたいね。

評価:74

BAD HABIT / Atmosphere

BAD HABIT / Atmosphere
Release : 2011
Label : AOR Heaven

スウェーデン産 Melodious Hard、BAD HABIT の 6th アルバム。


前作同様メロディアスで十分に高品質なアルバムなんだけど、全体的に纏まりすぎてる感があり、カタルシスを感じることなくさらっと聴き流せてしまう。どの曲も哀愁と爽快の中間みたいな感じなのもその原因の一つかもしれない。

これで前作の Just A Heartbeat AwayMy Confession みたいな一撃必殺のキラーチューンがあればもう少し引き締まったアルバムになったんだけどね。

評価:50

BLACK TIDE / Post Mortem

BLACK TIDE / Post Mortem
Release : 2011
Label : Universal

BLACK TIDE の 2nd アルバム。


前作はと言えば、10代そこそこの少年たちが何故か 80’s なメタルをやってて、それなりのクオリティもあって、将来が楽しみだな~なんて印象だった。しかし、3年と言う月日は彼らには長過ぎたのか、それとも若者の好みは変わりやすいのか、あるいは悪い?大人に影響されてしまったのか…。80’s の懐かしさすら漂わせたサウンドは影を潜め、モダンなメタルコアに姿を変えた。

声変わりを経た Gabriel Garcia (Vo,G) くんの声質は #2. Bury Me のイントロを聴けば判る通りそう悪い変化はしてないものの、Matt Tuck (Vo/BULLET FOR MY VALENTINE) っぽい、いかにもソレな感じに…なんて思ってたら #1. Ashes でゲスト参加してるらしい、どのパートか区別付かんのだが…。

そんなこんなで、少しウンザリしてたのだが、 #10. Into the Sky が唯一 “最近のメタルコアっぽくない曲で” 気に入ったかな。

てか、まだ10代なんだな…。

評価:49

BLOODBOUND / Unholy Cross

BLOODBOUND / Unholy Cross
Release : 2011
Label : Afm

Vo が Patrik Johansson(紛らわしい名前!)に変わった BLOODBOUND の 4th アルバム。


前作のアレはどうなったのかと思うほどに 2nd の音楽性に回帰。新シンガーが Bruce DickinsonTobias Sammet を足して割ったような声質で非常に聴きやすいものの、やはり気になるのは完全予定調和な面白味のない唄メロだろう。

確か 2nd もそんな感じだった気がするが、あのアルバムは Vo の Michael Bormann が見事な歌唱がソレを忘れさせてくれていたんだよなぁ…。

評価:47

CHILDREN OF BODOM / Relentless, Reckless Forever

CHILDREN OF BODOM / Relentless, Reckless Forever
Release : 2011
Label : Spinefarm

CHILDREN OF BODOM の 7th アルバム。


メロディよりもリフ主体な印象の強い #1. Not My Funeral,ブラストビートを抜けて後の “まるで GALNERYUS みたいな” ギターメロが美味しい #2. Shovel Knockout,微かにクラシカルな風を感じられる #3. Roundtrip to Hell and Back,4th っぽい #5. Relentless, Reckless Forever,キャッチーなギターソロが印象的な #6. UglyAlexi のアーミングテクニックが面白い #8 Was It Worth It?,せっかく速いのに短い #9. NorthpoleThrowdown

全体的なスピードが落ちた代わりに耳に残るソロ・フレーズが復活。Hate Crew Deathroll 路線とのことだが、全然及ばないのは言わずもがな。まぁ、前作よりは遥かに聴こうと思えるアルバムである事は確か。これで1曲でもキラーチューンがあればなぁ…。

評価:54

DIVINEFIRE / Eye of the Storm

DIVINEFIRE / Eye of the Storm
Release : 2011
Label : Liljegren Records

短い解散期間を経て復活した DIVINEFIRE の 5th アルバム。


音楽性は解散前と殆ど何も変わらず。1st から徐々に曲の質が落ちて行ったが、復活後の当アルバムもその流れ準じた結果になった。恐らく、現 NARNIA のシンガーを加入させたのもそんな金太郎飴的なアルバムに色彩を加える為であろうが、全部 Christian Liljegren が唄えばいいじゃん、と思ってしまうのは何故だろうか…。

そんな新曲よりも再録の #9. The Worlds on Fire#10. Never Surrender のほうが遥かにいい曲だって事の方が大きな問題だろうな。

評価:30

DRAGONLAND / Under the Grey Banner

DRAGONLAND / Under the Grey Banner
Release : 2011
Label : Afm

スウェーデン産メロディック・メタル・バンド、DRAGONLAND の 5th アルバム。


今までの安っぽさはどこへやら、RHAPSODY を彷彿させるスコア・メタルに変貌した。相変わらず Vo は ( 愛すべき?) ヘナチョコだが、スケール感が格段にアップした事はかなりプラスに作用している。

曲の展開もまるで映画のサントラのように情景描写が奏でられ、AMARANTHE で作曲能力が開花した Olof Mörck (Gt) のさらなる成長が感じられる。

アニソンすら裸足で逃げ出すほどのクサメロを撒き散らしながらも、どこかメジャー感のある #6. The Black Mare や、もはや最終決戦以外の何物でもない渾身の曲 #11. Under The Grey Banner なんて、このバンドが出てきた頃は将来これ程の曲を書くなんて全く想像できなかったであろう素晴らしい曲だ。

唯一惜しむべくは (Vo を除けば) コンセプト・アルバムな感じが出過ぎてる事かな。くどい展開のないシンプルな曲があったらね…。まぁ、この調子でクッサーいのを定期的に届けてくれたら何の文句もありません(笑)

評価:71

DREAM THEATER / A Dramatic Turn of Events

DREAM THEATER / A Dramatic Turn of Events
Release : 2011
Label : Roadrunner

Mike Portnoy の後任に Mike Mangini (Ds/ex-STEVE VAI Band,ex-ANNIHILATOR etc) が加入した DREAM THEATER の 11th アルバム。


巷では Images & Words に似ているとか言われているようで、確かに展開やら曲構成にそう感じるところもあるが、個人的には I&W よりも Jordan Rudess 加入以降の DREAM THEATER の集大成という印象だ。

Mike Portnoy 脱退の影響は “ドラムの音量が標準化” “ベースが良く聞こえる” “下手くそなコーラスがなくなった” など、Mike Portnoy には悪いが良い事しか思いつかない。攻撃的な曲が減ったことに関しては、前作から続くメロウ・サイドの延長上とも考えられるので、一概に Mike がいないからだとは言い切れない。
むしろ、混乱を最小限に抑えつつ自分達らしさを保つための最良の策がこの方向性だった、と考える方が納得がいく。

残念なのは James LaBrie の声を想定したという無難な音域での唄メロだ。フックのないメロディが目立ち、アルバム全体の緊張感が損なわれてしまっている。無理してでも広い音域で唄えとも言えないが、これがアルバムを物足りなく感じさせている要因の一つなのは間違いない気がする。

その代わりと言ってはアレだが Petrucci のソロは過去最高レベルにエモーショナル。スローなメロディ弾きが多いのもそう感じる所以だろうが、テクニカルさを失わずにここまで熱情的なのはホント見事としか言いようがない。

何にせよ、変化の真っただ中に作ったアルバムだ。緊張感はないが決して悪い出来ではないのは流石 DREAM THEATER。だが、本当の意味で真価が問われるのは Mike Mangini が曲作りに関わるであろう次のアルバムだろうな。

評価:72

EDEN’S CURSE / Trinity

EDEN'S CURSE / Trinity
Release : 2011
Label : Afm

多国籍バンド EDEN’S CURSE の 3rd アルバム。ゲストに James LaBrieAndi Deris が参加。


相変わらずの良質なメロディック・メタル(or メロハー)。前作よりも若干メタリックになった印象があるが、メロディの質は全く落ちていないので安心して聴ける。それに加えて、全曲のバック・コーラスを担当している James LaBrie が素晴らしく(流石、メロハー畑出身)、Michael Eden との相性も抜群。

Andi Deris は「今の彼の声を必要とするバンドが HELLOWEEN 以外に存在したなんて…」と思ったりもしたが、いざ聴いてみると以外と良いような…。

DIO のカバー、#12. Rock N’ Roll Children もいい出来だ。

評価:70

EDGUY / Age of the Joker

EDGUY / Age of the Joker
Release : 2011
Label : Marquee

Tobias Sammet 率いる EDGUY の 9th アルバム。


コメディタッチの PV も彼ららしさが発揮されていて好印象な #1. Robin Hood,開花したハード・ロック・センスがフル活用された #2. Nobody’s Hero#5. Breathe,ブルージーな #4. Pandora’s BoxDEEP PURPLE 彷彿のオルガン・サウンドが大活躍する疾走曲 #8. The Arcane Guild,シメのバラード #11. Every Night Without You

AVANTASIA との差別化が出来なくなっているのは仕方ないのだろうが、EDGUY の方が若干レイドバックしたハード・ロック・バンド、という位置付けでいいのかな? そう思わせるのが #4 や何曲かで聴けるオルガン・サウンド、そして、(意図的だと思われる)現代的でない音質だ。いや、もしろ差別化を測る為の苦肉の策がこれだったのかもしれないけど・・・。

前作はそのバランスが丁度いいとこにあって、それが凄く良かったわけだが、どうもこのアルバムは “AVANTASIA とは違う EDGUY” を必死に絞り出した結果のように思える。

当初の目的でもあった “Michael Kiske をメタル・フィールドに帰還させる” という歴史的偉業を成し遂げた事だし、AVANTASIA は金銭的にマズいことになった際の切り札(笑)にでもして、暫くは垣根のない EDGUY を聴けたらいいんだけどね。

評価:69

ENBOUND / And She Says Gold

ENBOUND / And She Says Gold
Release : 2011
Label : Mbm

Mike Cameron Force (Dr/ex-ZONATA) 率いる ENBOUND の 1st アルバム。


バロック彫刻風のアートワークから想像できるのは Yngwie よろしくのネオ=クラシカル・メタルだが、ここで聴こえてくるのは Frontiers リリースでもおかしくないメロディック・メタル。( ツイン・バスの疾走曲があるのかと期待したんだけど/笑 )

WORK OF ART のシンガーによる伸びのあるハイトーンとスウェーデン産らしいウェット感のあるクサメロが絶妙なブレンドで迫ってくるいいアルバムだ。バラードの出来も中々。…とはいえ、特筆するようなキラー・チューンはないし、どの曲も一定の水準は満たしているけど、どこか小奇麗に纏まり過ぎているような気がするんだよね。

音楽性も悪くないし、シンガーは絶品なので次のアルバムに一撃必殺のキラー・チューンを期待。

評価:67

FERGIE FREDERIKSEN / Happiness is the Road

FERGIE FREDERIKSEN / Happiness is the Road
Release : 2011
Label : Frontiers

Fergie Frederiksen (Vo/ex-TOTO) の 2nd ソロ・アルバム。


他の Frontiers Records のシンガー・プロジェクトと同様、お抱えソングライター達の曲を唄わせるという方式。もはやこれ系プロジェクトの安定感は誰もが知っているだろうが、このアルバムも良曲揃いの素晴らしいアルバムだ。

還暦 & 病み上がりにも関わらず、全盛期並みの素晴らしい歌唱を聴かせてくれる Fergie には感銘を受けるし、豪華ソングライター陣も素晴らしい仕事をしている。願わくば次のアルバムも期待したいところだが…。

そういや、Dennis Ward が「人間味が感じられない」と言っていたプロジェクトってコレの事か?

評価:68

GALNERYUS / Phoenix Rising

GALNERYUS / Phoenix Rising
Release : 2011
Label : VAP

GALNERYUS の 7th アルバム。


TURISUS を彷彿とさせるクサメロのインスト #1. RisingOPERA MAGNA / Poe / #2. El Pozo Y El Péndulo そっくりなメロディがアレな #2. Tear Your Chain,アニメ・ソング街道まっしぐらな #3. Future Never Die,ヲーヲー・コーラスが効果てき面な #7. T.F.F.B.,どこかで聴いたことあるようなメロディがアレな #10. The Time Has ComeGary Moore を思い起こさせるギター・インスト #11. The Phoenix

超絶技巧やプログレッシヴな展開、1曲目がインストで2曲目に疾走曲を持ってくるとことか、相変わらずのクサメロとか、この手のメタルのファンには堪らない要素もありつつ、彼ららしさも出てるいいアルバムだとは思う。

でも何故か熱くなりきれない。…煮え切らない。熱いのはアートワークと #1 くらい。なんとなく、SONATA ARCTICA と似た変化をしてきてるような気がするのは気のせいか…。

評価:51

GOLDEN RESURRECTION / Man With A Mission

GOLDEN RESURRECTION / Man With A Mission
Release : 2011
Label : Liljegren Records

Christian LiljegrenTommy Reinxeed 両氏率いる ネオ・クラシカル・クリスチャン・メタル・バンド、GOLDEN RESURRECTION の 2nd アルバム。


大仰なインスト #1. The Light Overture,期待感を誘うイントロから失速し、緩急の変化が激しい QUEEN ( というより Robby Valentine ) みたいな展開の #2. Man With A MissionABBA 臭全開の #4. Golden Times,イントロで盛り上げた後、なぜ失速させ、段々と順を追って盛り上げていく #5. Finally FreeSCORPIONS / Still Loving You みたいなバラードかと思わせて、ネオクラやったり ABBA っぽかったりする #6. Generation of the Brave,LA METAL っぽくもギターソロではきちんとネオ=クラシカルする #9. Are You Ready for the Power,アルバム中最もストレートなネオ=クラシカル・メタル #10. Flaming Youth と、前作同様のド・ネオ=クラシカル・メタル。

ただ、妙に凝った曲調で「もっとシンプルに疾走した方がいいのに」と思う事もしばしば。ABBA っぽい曲があったり曲間にそれっぽいパートが垣間見れるのは REIN XEEDSwedish Hits Goes Metal を作った影響か…。それと Tommy が Vo を取る場面も多く、暑苦しい Christian だけだと感じられなかった “北欧” の風が感じられるようになった。

それと、どうも気になるのが音質。前作と比べて、まるで REIN XEED のアルバムみたいに軽くなってる。これは Tommy が曲作り以外でも実権を握ったという事なのか、それとも予算的な問題なのか…。

しかし相変わらずリリースのスパン短いなぁ。

評価:71

HELL / Human Remains

HELL / Human Remains
Release : 2011
Label : Nuclear Blast

奇跡の再結成・復活を果たした HELL の 1st アルバム。


当時をリアルタイムで知るわけではないので、彼らがどんな歴史を辿ってきたかとか言うよりも全くの新人として聴いているわけだが、正直このレベルのバンドが当時消えてしまっていたなんて本当に勿体ない。しかし、そんなバンドが今になって復活するのだから、何かが一巡したという事なのか…。

復活劇の原動力でもあった Andy Sneap(G) の貢献は勿論のこと、最大の功績は David Bower (Vo) の最高に胡散臭くオカルト・テイストな歌唱だろう。言うなれば、より正統派メタルに特化した King Diamond か…。しかしそこまで人を選ぶ声ではなく、妙な聴きやすさもあわせもっている。この2つの要素がこのアルバムを名盤へと押し上げている要因であるのは間違いないだろう。捨て曲らしい曲も全く見つからないしね。

より NWOBHM で聴きやすく、オカルト風味が強い KING DIAMOND が正解か…。ともかく、これをリアルテイムで聴けてうれしいよ。単独はまだキツそうだから LOUDPARK 辺りで来日はいかがでしょう?

#2. On Earth as It is in Hell (PV)

評価:90

HIBRIA / Blind Ride

HIBRIA / Blind Ride
Release : 2011
Label : King

ブラジル産パワー・メタル・バンド、HIBRIA の 3rd アルバム。


ダウン・チューニングを採用し、前作で好評だった (?) バンドのグルーヴ感を重視したらしいが、その影響なのか唄メロのキャッチーさ加減が一挙にレベルダウン。まぁ、1st の頃から殺傷力がある曲はアルバムに 1,2 曲だけだったが…。

楽器隊のサウンドや技巧的な問題は皆無で、それどころか特に左右のギター・パートは ( 前作と比べて ) 信じられないほどソリッド感が増して突き抜けてくる。サウンド的にはかなりレベルアップしてるのになぁ…。

「初めて Defying the Rules (曲) を聴いた時の衝撃をもう一度」なんて言わないし、このアルバムを聴いた後だから大して期待もしてないけど、これ以上の劣化はつらいなぁ。

評価:42

ICED EARTH / Dystopia

ICED EARTH / Dystopia
Release : 2011
Label : Century Media

ICED EARTH の 10th アルバム。


Matt Barlow (Vo) の引退に伴い、INTO ETERNITY から Stu Block (Vo) 引き抜いたわけだが、これが “超” のつく大成功。ダミ声気味の中音域と Metal God 風ハイトーンを主に、深みのあるクリーン・トーンまでも使い分ける。それが、シンプルな正統派メタルの中で “まるで3食パンのように” 機能している。

そんな3色パン歌唱と楽曲のドライヴ感が絶妙なキラー・チューン #1. Distopia,ナニをドウ考えても IRON MAIDEN#6. Dark CityRipper 在籍時を彷彿させる #8. Days of Rage,壮大なイントロから紡ぎだされるキャッチーな唄メロがギャロップ・ビートに乗った #12. Tragedy And Triumph

#1 の出来が良すぎて他の曲が霞んでしまうものの、彼らのここ何枚かの中では確実にトップ・クラスの出来だろうな。…しかし、#1 のインパクトは凄い。確実に 2011年のベスト・チューン候補だね。

評価:76

IN FLAMES / Sounds of A Playground Fading

IN FLAMES / Sounds of A Playground Fading
Release : 2011
Label : Century Media

最後のオリジナル・メンバー、Jesper Strömblad (Gt) が脱退した IN FLAMES の 10th アルバム。


一言で表すなら「前作の延長上」なのだが、スピード・チューンはないしグロウルも減る一方。Clayman くらいまでの初期ファン? が納得できる曲は恐らく #12. A New Dawn だけだろう。

今までも変化の多かったバンドだけにそこまで大きな衝撃はないが、所謂メロディック・デス・メタルだった頃を彷彿させる曲がたった1曲しかないというのは少し悲しいというか、寂しいというか…。それに、これはもうメロデスじゃなくてモダン=ヘヴィ・ロックってイメージだな。

ただ、そんな変化も跳ね飛ばすような強力な曲さえ揃っていればいいわけだが、金太郎飴的マンネリズムはいつも通りなんだよね。

評価:26

IRON SAVIOR / The Landing

IRON SAVIOR / The Landing
Release : 2011
Label : Afm

Piet Sielck (Vo,Gt) 率いる IRON SAVIOR の 7th アルバム。


#3. Starlight#6. Moment in Time#9. Faster Than All という疾走曲を筆頭に、3連の #4. March of Doom、「今更こんな曲名はないだろ」な #5. Heavy Metal Never Dies、哀愁のバワーバラード #10. Before the Pain、そして彼らの信念を唄い上げたであろう #11. No Guts, No Glory

サイバーな音質はそのままによりメロディックになった(というよりもメロディが戻ってきた?)印象。前作のレビューではサイバーな音質に疑問符を投げかけたが、今作では中身が伴った事によって強力なアイデンティティーとして復活している。

ビジネス的な問題や (SAVAGE CIRCUS も?) でリリースの間隔が空いてしまったようだが、この手の無骨なジャーマン・メタル・バンドの一角としてまだまだ頑張ってもらいたいところだ。

評価:75

KIMBALL ・ JAMISON / Kimball ・ Jamison

KIMBALL ・ JAMISON / Kimball・Jamison
Release : 2011
Label : Frontiers

Bobby Kimball (Vo/ex-TOTO)Jimi Jamison (Vo/ex-SUVIVOR) にメロハーを歌わせる Frontiers の十八番プロジェクト KIMBALL ・ JAMISON の 1st アルバム。


KISKE・SOMERVILLE と同様、Mat Sinner がプロデュース。曲は Frontiers お抱えソングライター。Fergie Frederiksen のソロ・アルバムと同様に、この布陣で悪い出来になるはずがない…。

でもねぇ、曲は最高に素晴らしいのに、どこかその魅力を出しきれてないような気がするんだよね。どちらも素晴らしいシンガーである事は疑いの余地もないんだけど、この2人の声が重なる事によって得られるハーモニーが果たして個別に聴いた時の印象を超える何かを特別なマジックを得られているかというと、疑問符を投げかけざるを得ない。

特に Jim Peterik の曲 #4. Chasing Euphoria は、Jim & Jimi の完璧なコンビネーションを Bobby の声が邪魔してるようにしか聞こえないし、Robert Sall の曲 (#1,2) は Bobby に軍配が上がる。まぁ、上手い事パートを分け合っている曲もあるけど、この2人ならあえて組ませなくてもいいアルバムが出来たと思うんだけどなぁ…。

評価:64

LAST AUTUMN’S DREAM / Yes

LAST AUTUMN'S DREAM / Yes
Release : 2011
Label : GMR Music

何だかんだで毎年アルバムをリリースしてる LAST AUTUMN’S DREAM の 8th アルバム。


理想的な哀愁HRの #2. The Sound of a HeartbreakQUEEN 風のコーラスが魅力的な癒し系バラードの #3. Another Night,ウェット感のあるメロディが心に染みる #5. If I Could Change the World,「やっぱ Andy いいね!」とついつい口走ってしまう良ソロが素晴らしい #9. Still Standin’ Where Ya Left Me,哀しみの中に感じられるポジティヴなエネルギーが印象的な #10. Kissin’ Goodbye My Tears,これぞ、Michael Erlandsson の真骨頂!な哀愁HR、#11. Survivor

前作のような強力無比なキラーチューンはないものの、いつも通り高品質な曲が並ぶ。特に #2 や #11 はいかにもな哀愁ナンバー。ファンの期待を裏切らない良いアルバムだ。

評価:73

LIONVILLE / Lionville

LIONVILLE / Lionville
Release : 2011
Label : Avenue Of Allies

イタリア人ギタリスト、Stefano Lionetti を中心とした AOR プロジェクト LIONVILLE の 1st アルバム。シンガーは Lars Säfsund (WORK OF ART etc..)


Frontiers Rec 所属のメロハー・バンド直系の #1. Here By My Side,哀愁のヴァースとブリッジから霧が晴れたかのように突き抜けるメロディーに変わるサビメロが素晴らしいキラー・チューン #2. With You,女性シンガーとのデュエットが印象的な #8. The Chosen Ones,哀愁のメロディーが心を打つ #11. Say Goodbye

個人的に好きな曲だけ抜粋して書いたが、それ以外の曲も素晴らしく、捨て曲はない。それどころか、ここ数年に入手してきた AOR, Melodic Rock 系の中でも群を抜いて素晴らしく、普段 HardRock/HeavyMetal を聴かない人にも自信を持って勧められるアルバムだ。

Stefano Lionetti 恐るべし。プロジェクトなんて言わず、次のアルバムも是非願いします。

評価:93

LIV MOON / Golden Moon

LIV MOON / Golden Moon
Release : 2011
Label : Victor

Akane Liv 率いる LIV MOON の 2nd アルバム。


ピアノの魔術師 Franz Liszt のカバー #1. 死の舞踏,シンプルなメイン・フレーズを軸にポップさが目立つ #2. Say Goodbye,ヴァースの良さがブリッジ~コーラスに続かないのが残念な #3. Not Game!, バロックなイントロからブラストビート、低~中音域を使った歌唱が魅力的な前半のキラー・チューン #4. Black Ruby, アニメのOPみたいな #8. ドラクロワの女神, 当アルバムの中で最も前作に近い #9. Fly, ミュージカル風の演出 + QUEEN#10. バレリーナ・シンフォニー, Syu (Gt/GALNERYUS) がゲスト参加した NIGHTWISH っぽい #11. 静かな奇跡, 普遍的バラードだが、ラストのベース・ソロのおかげで一歩抜きんでた #12. 溺れる人魚, アニメソング街道まっしぐらな #13. アマラントスの翼

前作に比べてかなりマシな音質に。もし前作と同じような音だったら確実に見限ってたな。

曲は、外部ライターの採用でバラエティに富んだ結果となったがメタル・ファン目線だと明らかに #5. Dance with a Ghost ~ #6. よざくらん の2曲はいらんよね。J-POP のアルバムだと、バンドのイメージとはかけ離れた実験的で理解不能な曲が入ってる事が多いけど、この2曲はそんなイメージ。ついでにあと1曲減らすと丁度いい曲数なんだけどな…。

評価:75

MANIGANCE / Recidive

MANIGANCE / Recidive
Release : 2011
Label : Xiii Bis

仏産プログレッシヴ・パワーメタル・バンド、MANIGANCE の 4th アルバム。


相変わらず高品質な曲が多いものの、プログレにこだわり過ぎてるのか、どこか物足りないという、いつも通りの内容。

HEAVENLY もビックリなクサメロから始まるのに、唄メロが残念な #8. ReŢücidiviste とか、凄く惜しいんだよね…。

インスト・パートになるなり水を得た魚のようにネオ=クラシカルなユニゾンを決めまくるギターとキーボードはいいね。

評価:51

MEGADETH / Th1rt3en

MEGADETH / Th1rt3en
Release : 2011
Label : Roadrunner

David Ellefson(B) が復帰した MEGADETH の 13th アルバム。


メロウな唄メロからスリリングなソロ・バトルが展開される #1. Sudden Death,キャッチーなリフを主体にポップ・センスの光る唄メロが光る #2. Public Enemy No.1,小気味悪いイントロから捻くれたリフが聴けるも、どこかハード・ロックな雰囲気の #6. Never Dead,哀愁のあるギターソロが印象的な捻くれバラード #11. Millennium of the BlindDREAM THEATER みたいな雰囲気の #13. 13 。

前作は初期に近く「Rust in Peace の再来かも」なんて思えた、まさにインテレクチュアル・スラッシュなアルバムだったけど、このアルバムはポップさが増してきた Youthanasia から Cryptic Writings に近い感じ。スピーディーで攻撃的な曲は #1 くらいだし、ギターソロもテクニカルではあるんだけど曲調優先で抑えめな感じがどうも煮え切らないんだよな…。

この流れで次が Risk みたいなアルバムにならないよう願うよ。

再録音の #7. New World Order#9. Black Swan は限定盤ボートラとかで良かったんじゃないか?

評価:65

MORTON / Come Read The Words Forbidden

MORTON / Come Read The Words Forbidden
Release : 2011
Label : AFM

ウクライナ・メタル・シーンの総帥、Max Morton (Vo,G) 率いる MORTON の 1st アルバム。


リズミカルなストリングス・リフが印象的な #1. Calling for the Storm,まるでメロディック・メタルのお手本のような #2. EaglemarkMax さんの歌唱力が光る #6. We are the Shades,北欧メタルのような清涼感のある疾走曲 #9. Burning Prisoner,そして、王道中の王道パワー・メタルな #10. Werewolf Hunt,シンプルなリフが牽引するアップテンポの佳曲 #11. Black Witch 。

曲は、上に書いたように、メロディック・パワー・メタルの王道。HELLOWEEN 影響下のバンド達が失ってしまったパワー・メタルの要素が詰まっていると言っても過言ではない。

ウクライナというメタル辺境の地からこのレベルのバンドが現れたことには驚いたが、それ以上の驚きは Max Morton の歌唱だろう。Metal を唄うために生まれてきたとしか思えない素晴らしい声とレンジの広さは、ウクラウイナは勿論、今のメタル・シーンの中でも屈指の実力者だと言える。

しかも、ドラム以外のすべてのパートを担当し、ミックスからマスタリングまで一人でこなすという超マルチプレイヤーっぷり。こんないいアルバムが “ほぼ一人プロジェクトだなんて…” 。

評価:88

MR. BIG / What If…

MR. BIG / What If…
Release : 2011
Label : Frontiers

奇跡の復活を果たした MR. BIG の 7th アルバム。


Kevin Shirley をプロデューサーに迎えたという時点で音質的な希望は全て消え去っていたのだけど、予想通りここ最近の IRON MAIDEN と同じ症状だ(笑)ベースの音量が異常なのも一緒(笑)
曲も地味過ぎて #3. Stranger in My Life 以外全く耳に残らない。

それなんで、暫くは「あぁ、やっちゃったよ、コイツぁ駄作だな。」とか思ってたんだけど、某B誌の異常なプッシュやネット上での盲目的なレビュー、挙句の果てには盟友の名盤判定で「俺の感覚がおかしいのか?」と不安になってその後聴きこんでみるも、最初の印象は変わらず…。

生活の為に再結成するバンドに初期の雰囲気を求めてはいけないのは、今までの経験上判り切っていることだし、このバンドの場合も 1st や 2nd のようなアルバムを期待してたわけじゃない。まぁ恐らくは “歳とって熟れてきた彼らの音楽性” に俺の感性が全然ハマらなかったってことなんだろうな。

そんなわけで、評価は IRON MAIDEN の最新作と一緒。アルバムをリリースして来日し、過去の名曲を1曲でも多く演奏する事こそ彼らの使命なんだろう。

評価:10

MYRATH / Tales of the Sands

MYRATH / Tales of the Sands
Release : 2011
Label : Xiii Bis

チュニジア出身のプログレッシヴ・オリエンタル・メタル・バンド MYRATH の 3rd アルバム。


KAMELOT + ORPHANED LAND な音。曲はコンパクトにまとまっていて、”プログレ” というほどプログレしてない。よく、パワーメタル・バンドが「新作は少しプログレッシヴなんだ!」なんて言う程度のプログレ感。

そんなプログレさよりも、どの曲を聴いてても感じるのは “大きなサボテンがそこいら中にあって、太陽がカンカン照りな中、布で顔を隠しながら砂を避け、ラクダに乗って旅してたら、目の前にいかにも奇妙なマヤ風ピラミッドが!” みたいな雰囲気なんだよね。って、アートワークがまさにそんな感じだった…。

SYMPHONY X 風の展開に民族メロ全開の #9. Beyond the Stars なんてその手の曲が好きな人には堪らないんじゃないか? しかし、よくこんなバンドを見つけてきたもんだ。

評価:81

陰陽座 / 鬼子母神

陰陽座 / 鬼子母神
Release : 2011
Label : King

陰陽座 の 10th アルバムにして初のトータル・コンセプト・アルバム。原作は 瞬火 の書き下ろしたオリジナル戯曲的脚本「絶界の鬼子母神」。


コンセプトのテーマとも言える抒情的メロディのインスト #1. 啾啾,いかにもジャパメタ的なリフにポップセンスの光るサビメロが印象的な #2. 徨,スラッシュ・メタル風のフレーバーが色濃い #4.膾,演歌+民謡。これも陰陽座だからこそ出来るであろう #5. 鬼拵ノ唄,緊張感のあるリフと不穏なストリングスが印象深い #8. 鬼子母神,シャッフルである事が妙に強調された #9. 怨讐の果て,前後半で静と動の変化がある #10. 径,そして、テーマ・メロディから劇的に疾走する #12. 鬼哭

あえて原作は読んでないが、場面描写が上手いおかげで十分コンセプト・アルバムとして楽しめる。というか、コンセプト云々がなければ音的にはいつもの陰陽座だからね。そういう意味でも、コンセプト立案から作曲に至るまでを手掛け、ベース弾いて唄うならまだしも、ギターまで弾いてる 瞬火(b,Vo) は本当に素晴らしいよ。

ただ、そのコンセプトに縛られたゆえか、曲毎のメロディの質が普段に比べて低く、キメも弱い気がするんだよね。まぁ、そんな事は原作を読めば相殺されるかもしれないけど…。

魔王戴天 / #2. 魔王 以来のスネア裏打ち疾走曲 #12. 鬼哭 がなかったら -5 してたかも。

評価:82

OPETH / Heritage

OPETH / Heritage
Release : 2011
Label : Roadrunner

OPETH の 10th アルバム。


グロウルを排除したという事前情報と、どこからともなく聴こえてきた “Damnation っぽい” という声に、 “OPETH で一番好きなアルバムは誰が何と言おうと Damnation” な俺は、並々ならぬ期待を膨らませていたわけだけど、そんな俺の浅はかな期待を Mikael Åkerfeldt は見事に打ち砕き、実はというと、さらにその斜め上辺りにいたようだ。

Mikael のヴィンテージ・レコード収集癖はファンなら皆知っているだろうが、そこからも想像できる彼のルーツを、ついに OPETH でやってしまった、という印象。サウンドも全く現代的ではなく、まるでレコードのようなウォームで暖かい音だ。まぁ、そこらへんのテクニカルな事は、共同プロデューサーで同じくプログレ・ヲタク仲間でもある Steven Wilson の手腕によるところか・・・。ただ、やはり気になってしまうのは、Ronnie James Dio に捧げた “Kill the King の OPETH 的解釈” な #3. Slither だ。ソロとか、まんま Ritchie Blackmore じゃん・・・。何もここまでやらんでも。

この変化は賛否両論あるだろうけど、個人的には素晴らしい変化だと思うね。メタルな要素も残ってるし・・・。まぁ、プログレッシヴ・メタルを聴いてプログレの何ぞやを知ってるようなフリしてた人たちは、もしかしたらこのアルバムで離れていくのかもしれないけど、このアルバムからプログレのルーツに遡っていくってのもアリだと思うよ。

評価:78

OUTLOUD / Love Catastrophe

OUTLOUD / Love Catastrophe
Release : 2011
Label : AOR Heaven

Bob Katsionis (FIREWIND/Key, Gt), Mark Cross (ex-FIREWIND/Ds) 率いる 80′s テイスト・メタル・バンド OUTLOUD の 2nd アルバム。


華やかな LA METAL のノリの #1. We Came to Rock,歌えるメロディー・リフが印象的な #2. Falling Rain,イントロがヴォーカル・ハーモニーから始まる、メロハーチックな #4. Waiting for Your Love,アコースティックなバラードの #6. Someday,明快でキャッチーなメロディーが 80’s 風に進行する #10. Love Catastrophe

前作に続き、見事な 80’s 風 Metal 。#2 とか #4 とか、ホント分かってるね。

評価:83

PAIN OF SALVATION / Road Salt Two

PAIN OF SALVATION / Road Salt Two
Release : 2011
Label : Century Media

PAIN OF SALVATION の 8th アルバム。


前作 Road Salt One の続編なので、サウンド的な変化はない。新作は Metal っぽさが上がるとかという噂があったようだが、前作同様 70’s プログレッシヴ・ロックをモダンにしたような音だ。

コンセプト・アルバムらしくインスト #1. Road Salt Theme で始まり、そのテーマ・メロディを軸に展開する #2. Solftly She Cries,ブルージーなリフが印象的な #3. Conditioned,リュートかシタールのような弦楽器の裏でドコドコ叩きまくる #4. Healing Now,民謡調メロが堪らない #5. To the Shoreline,優しいメロディを軸に民謡メロを奏でる笛が悶絶必死の #7. 1979,変拍子リフを中心にした8分越えのプログレ・チューン #11. The Physics of Gridlock,そしてコンセプトを締めくくるインスト #12. End Credits で幕を閉じる。

全ての曲に隙がなく、全てが必然。前作の様な PINK FLOYD 的浮遊感がなくなったのは残念だが、聴く度に新たな未開の音楽への旅へと導いてくれるこの音楽性こそが PAIN OF SALVATION の魅力なのであろう。

海の向こうでは OPETH とツアーしてるらしいが、何故そのまま一緒に来てくれないのか!!

評価:94

PASTORE / The Price for the Human Sins

PASTORE / The Price for the Human Sins
Release : 2011
Label : EMI

ブラジルの Rob Halford 系シンガー、Mario Pastore 率いる PASTORE の 1st アルバム。


“超絶ハイトーン・シンガー” という売り文句だが、Rob HalfordRalf Scheepers クラスまでスクリームしてるのは #1. The Price for the Human Sins だけで、他の曲はインパクトなんて皆無の超廉価版 NWOBHM って印象。

いくつかの声色を使い分けてるようだけど中音域は全盛期の Edu Falaschi (Vo/ANGRA) に近いか…。

もっとマシな唄メロが書ける人材を入れるか、パワー・メタル寄りのバンドに加入した方がこの人の実力を生かせると思う。

評価:24

RHAPSODY OF FIRE / From Chaos to Eternity

RHAPSODY OF FIRE / From Chaos to Eternity
Release : 2011
Label : King

RHAPSODY OF FIRE の 8th アルバムにして The Dark Secret Saga の最終章。


いつものインスト #1. Ad Infinitum,なだらかなメロディーが中途半端に疾走する #2. From Chaos to Eternity,初の全イタリア語疾走曲 #3. Tempesta Di Fuoco,サビメロを無駄に先延ばしにして勿体ぶる #4. Ghosts of Forgotten Worlds,定番の笛ソング #5. Anima PerdutaFabio のグロウルが冴えわたる #6. Aeons of Raging Darkness,前作の Sea of Fate を小粒にした感の強い #8. Tornado,サーガを締めくくる無駄に長い #9 Heroes of the Waterfalls’ Kingdom

Emerald Saga の最終章 Power of the Dragon Flame と比べると、まぁなんと薄味な事か…。しかも、その最後の曲( #3 のイントロも )が Beethoven / Piano Sonata #1 F minor 4楽章のほぼ丸写し。Spacial Guest に Beethoven の名があったのには流石に笑ったが、まさか最後の曲がカバーだなんてね。

さらに、前作に比べて音に迫力もないし、Fabio はグロウルのやり過ぎか声に伸びがない。物語を締める最後のアルバムなんだからもう少し気合入れて作り込んでほしかったね。

結局バンドは分裂したわけだけど、その予定ありきでこのアルバムのリリースがあったと考えると妙に納得できてしまうのは悲しくもあり残念だ。

評価:66

RIOT / Immortal Soul

RIOT / Immortal Soul
Release : 2011
Label : Steamhammer

THUNDERSTEEL REUNION から、紆余曲折ありながらも無事リリースされた RIOT の 14th アルバム。


Thundersteel を現代的解釈でリメイクしたかのような #1. Riot,Reunion Live でも披露された疾走曲 #4. Wings Are For Angels,80’s 的なリフが印象深い #6. Sins of the Father,ブリッジとコーラスの対比が面白い #12. Echoes、という十八番のパワー・メタル曲は勿論のこと、3連の #2. Still Your Man を筆頭にミドルテンポの曲も悪くない出来だ。

世紀の名盤 Thundersteel には及ばないものの、ここまでソレに近いアルバムを出してくれたのは賞賛に値するね。出来ればこの布陣のままもう1枚。もう1度来日をお願いしたい。

久しぶりに Tony Moore 時代の RIOT のアルバムを (比較の為に) 引っ張り出して聴いた。恐らくこのアルバムを聴けば皆、そうしたくなるんだろうなぁ。

評価:83

ROYAL HUNT / Show Me How to Live

ROYAL HUNT / Show Me How to Live
Release : 2011
Label : Frontiers

D.C.Cooper が復帰した ROYAL HUNT の 11th アルバム。


正直なトコロ、D.C. Cooper 期よりも John West 期の方が遥かに好きなので、個人的には “D.C. が復帰!” とか聴いても何も感じなかった。むしろ、また再結成ネタ…なんてという思いでいた。しかし、フタを開けてみれば “これが ROYAL HUNT meets D.C. Cooper のケミストリーなのか!” と思わざるを得ない結果となった。

まんま Paradox のアノ感じの音、そしてそこに Frontiers のメロハー・クオリティに十分耐えうるキャッチーなメロディ…。D.C. 在籍時の過去のアルバムより気に入った。メロディの質だけならバンド史上最高クラスなんじゃないかな。#5. Half Past Loneliness なんて 2011年のベスト・チューン候補に挙がってるくらいだしね。

ただ、やはり俺の耳は John West の方がしっくりくるんだよなぁ。

評価:77

SAXON / Call to Arms

SAXON / Call to Arms
Release : 2011
Label : EMI

SAXON の 19th アルバム。


キレ味のあるリフが印象的な #1. Hammer of the Gods,いかにも NWOBHM な #3. Surviving Against the Odds,現代的メロディック・メタルな #4. Mists of Avalon,還暦間近とは思えないアグレッションを聴かせてくれるキラー・チューン #7. Afterburner,SAXON 流 EPIC METAL #8. When Doomsday Comes

ここ数作で感じられなかった唄メロの明瞭さが復活。まるで初期のアルバムを現代のサウンドで聴いているような、(個人的には) まさに求めていた SAXON 。60歳 という年齢をものともせず、さらにパワーを増す Biff Byford の歌唱も見事!

ゲストで Don Airey (Key/DEEP PURPLE) が弾いてるらしい。調べるまで全く気付かなかった。

評価:80

SCHEEPERS / Scheepers

SCHEEPERS / Scheepers
Release : 2011
Label : Frontiers

Ralf Scheepers ( Vo / PRIMAL FEAR ) のソロ 1st アルバム。Tim ‘Ripper’ OwensKai Hansen‘Metal’ Mike Chlasciak らがゲスト参加。


JUDAS PRIEST 直系の曲から最近の PRIMAL FEAR の少しシンフォニックな味付けな曲まで完璧に予想通りの内容。…というかそれ以外に何が予想できる?

初めは「PRIMAL FEAR と一緒じゃん。」と思ったが、よく聴き比べてみたら最近の PRIMAL FEAR の方が遥かにキャッチー。こっちの方がより硬派なジャーマン・メタルって感じだな。

そして、恐らくこのアルバムに期待する要素として最も高いであろう #2. Remission of SinTim ‘Ripper’ Owens との共演だが、AVANTASIA での TobiasKiske くらい違和感がない出来。

曲に派手さがないためか豪華なゲスト・ギタリスト陣も存在感を発揮できていないのが残念。

評価:65

SEBASTIAN BACH / Kicking & Screaming

SEBASTIAN BACH / Kicking & Screaming
Release : 2011
Label : Frontiers

Sebastian Bach の 2nd アルバム。


全く声が衰えていないのは流石だが、いかんせん曲がつまらない。前作同様、ヘヴィな曲からメロディックな曲まで並んだアルバム構成だが、小奇麗にまとまり過ぎてて全然耳に残らない。

バズがその能力に惚れ込み、全曲の作曲に関わった若きマルチ・プレイヤー Nick Sterling 君だが、恐らくは彼がセオリー通りの秀才タイプなのだろう。決して出来は悪くないのに、なぜか熱くなれる曲がないのだからそう思うのも仕方ない。

「まだ前作の方がマシだったかなぁ」なんて思ったけど、その前作は Roy Z がプロデュースして曲は “Metal” Mike Chlasciak と共作。しかも1曲で Desmond Child という、なんとも豪華で堅実な布陣。

・・・ Nick 君も決してダメなわけじゃないけど、バズと組むにはお行儀が良過ぎるのかもしれないな。

評価:46

SINNER / One Bullet Left

SINNER / One Bullet Left
Release : 2011
Label : AFM

Alex Beyrodt (G/SILENT FORCE, VOODOO CIRCLE) が復帰してトリプル・ギター体制になった SINNER の 16th アルバム。


メンバー・チャンジがあろうと、ギターが3人になろうと、Mat Sinner (Vo,B) がいて SINNER 名義なら音は決まってくるわけで・・・。そのまま PRIMAL FEAR で使えそうな曲があるのも相変わらず。

評価:55

SIRENIA / The Enigma of Life

SIRENIA / The Enigma of Life
Release : 2011
Label : Nuclear Blast

ノルウェー産ゴシック・メタルバンド、SIRENIA の 5th アルバム。


唄モノ度が上がって、前にも増して Tarja Turunen 脱退以降の NIGHTWISH に似てきたな、という印象。Ailyn (Vo) 以外の全パートを Morten Veland (Gt) が一手に担っているようだが、せめてドラムは誰か雇えばいいのに…。

大体どれも同じような曲で面白味も少ないんだけど、#6. Winter Land#10. This Lonely Lake はキャッチーな唄メロと Ailyn の可憐な歌声が合ってていいね。

評価:62

SIXX:A.M. / This is Gonna Hurt

SIXX:A.M. / This is Gonna Hurt
Release : 2011
Label : Eleven Seven Music
Amazon.co.jp で CD を買うAmazon.co.jp で書籍も買う
SIXX:A.M. の(今回はフォトエッセイ集と連動した)2nd アルバム。


前作よりもバンド然とした曲が多く、曲のクオリティもUP。
MÖTLEY CRÜE よりもメロディアスである意味 “売れ線” な方向性だけど、個人的にはこっちの方が好きだ。DJ Ashba (Gt)GUNS N’ ROSES の時よりも伸びやかに弾いてる感じがするしね。

それに、流石は Nikki Sixx 。捨て曲が皆無。…オリジナリティも皆無だけど、ここまで良いとあまり文句言えんな。著書と連動するコンセプトだけに、曲の方向性も一色に統一されているのもいいね。

完璧に単発プロジェクトだと思ったけど、以外と次もありそうな…。嬉しい限りだ。

評価:85

STARGAZERY / Eye on the Sky

STARGAZERY / Eye on the Sky
Release : 2011
Label : Pure Steel Records

Jari Tiura (Vo/ex-M.S.G.) 率いる STARGAZERY の 1st アルバム。


よくあるパワーメタルに毛が生えた程度の北欧風アレンジ、というありきたりなタイプのアルバム。元 MSG とはいえ、影が薄くて「あぁ、そんなヤツいたかも…」的な見方が大多数であろう Jari さんは J. AHOLA ( Vo / TERÄSBETONI ) っぽい声でこれ系の音との相性が良く、良い意味でも悪い意味でも軽くて聴きやすい。

リーダートラックはアルバム・タイトルでもある疾走曲 #3. Eye on the Sky が最有力候補だけど、キラーチューンになる程ではない。それもそのハズ、Jari さん以外のメンバーは BURNING POINTKALMAH のメンバーでいまいちパッとしない。

Jari さんは Timo KotipeltoMikko Halkin が忙しくて活動出来てない Jani Liimatainen のバンドにでも入ったらいいんじゃないか?

評価:53

STEEL PANTHER / Balls Out

STEEL PANTHER / Balls Out
Release : 2011
Label : Universal

変態・グラム・メタル・バンド STEEL PANTHER の 2nd アルバム。


タイトル連呼の疾走曲 #2. Supersonic Sex Machine,聴きやすいソフトなバラードの #5. If You Really Really Love MeChad Kroeger (Vo,G/NICKELBACK) と共作の #6. It Won’t Suck Itself,前作の Party All Day の続編的な歌詞が面白い #7. Tomorrow Night,どう考えても確信犯な #9. That’s What Girls Are For,明るい曲調がまさに LA METAL でエンディングのやり取りが面白い #11. I Like Drugs,音だけ聴けば感動的だと思えてしまうバラード #14. Weenie Ride

前作のような露骨なオマージュは影を潜め、いたって真面目?な LA METAL なサウンドに。ただし、よく聴けば、メロディやら歌詞やら、至る所に細かなネタが仕込んであるのが判る。下品な歌詞は相変わらずで、曲調とのギャップはどうにかならんものか (笑)

やってる事は古臭いのに、それを新鮮に聴かせてくれるところは流石ベテランといったところか。

アートワークの “セクシーなオネーチャンが玉を2つ持ってる” 事よりも、玉持ってる “手がショッカーになってる” 事の方が流石だとしか言いようがない。

評価:83

STÉPHAN FORTÉ / The Shadows Compendium

STÉPHAN FORTÉ / The Shadows Compendium
Release : 2011
Label : Listenable Records

Stephan Forte (ADAGIO/Gt) の 1st ソロ・アルバム。


まず、ゲストは以下の通り

#1. Jeff Loomis,#2. Mattias IA Eklundh,#4. Glen Drover,#5. Derek Taylor,#7. Daniele Gottardo

ADAGIO の曲をそのままインストにしたような #1. The Shadows CompendiumJason Becker へのトリビュートらしく、ネオ=クラシカルなリック満載な #2. De Praestigiis Daemonum,ロングトーンとクリーンで聴かせる #3. Spiritual Bliss,バロック風ペダル・フレーズが印象的な #4. Duat,ダークなピアノが曲に華を添える #6. Prophecies of Loki XXI,みんな大好き、ベートーヴェン「月光」第1楽章 #8. Improvisation on Sonata No. 14, C # Minor – Op.27 No.2

アルバムが全体的にシュレッド & テクニカル過ぎて、個性の強い Mattias IA Eklundh 以外のゲストはどこで弾いてるか判りません。まぁ、よ~く聴けば音の違いで気付くかもしれないけどね…。

ギタリストのソロだけに、歪みの少ない音とか、完全なクリーン・トーンとか、HR/HM 以外の要素も欲しかったような気もするが、それは次に、かな?

評価:65

STEVEN WILSON / Grace for Drowning

STEVEN WILSON / Grace for Drowning
Release : 2011
Label : Kscope

Steven Wilson (PORCUPINE TREE) のソロ 2nd アルバム。


前ソロ・アルバムのぶっ飛んだ感じは影を潜め、全体的に穏やかな印象。その中に、初期 PORCUPINE TREE のようなサイケデリックな音や JAZZ 風味なアレンジ、時にメタリックなリフなどを溶け込ませ、まるで1本の映画を見ているかのようなストーリー性がこの穏やかな音から染みわたってくる・・・。

特に、Jordan Rudess (Key/DREAM THEATER) のピアノをバックに静寂の霧の中を泳いでいるような音像の 1-#3. Deform to Form a Star は心が洗われるような美しく、綺麗な曲だ。

とは言っても難解で陰鬱。しかし美しい。・・・上手く表現できないが、Steven Wilson ワールドは全開だ。まぁ、KING CRIMSON 的な管楽器パートもあったり、若干 JAZZ 風味なとこも、あえて狙ったのかな、とは思えたが・・・。

評価:76

STORMWARRIOR / Heathen Warrior

STORMWARRIOR / Heathen Warrior
Release : 2011
Label : Massacre

STORMWARRIOR の 4th アルバム。


毎作同じで金太郎飴状態もいいとこだが、もう変わりようがないんだろうな。楽曲の質も大して変ってないので安心して聴けるよ。

Lars Ramcke (Vo,g) の声が Walls of Jericho の頃の Kai Hansen にしか聞こえないのも、もう慣れたはずなのにイチイチ気になるな(笑)

評価:50

STRATOVARIUS / Elysium

STRATOVARIUS / Elysium
Release : 2011
Label : Victor

STRATOVARIUS の 13th アルバム。


前作の Deep Unknown にも通ずるプログレッシヴな雰囲気を醸し出す #1. Dark Hours,壮大なイントロと Kotipelto の熱唱が聴ける #3. Infernal MazeJens 作曲の “アルバム中最も北欧らしさのある” #7. Move the Mountain,ネオ=クラシカルな疾走曲 #9. Event Horizon,そして、18分の大曲 #10. Elysium …。

加入2作目にしてバンドの音楽面における最重要ポストに就任した Matias Kupiainen は前任の Timo Tolkki とは違ったモダンでプログレッシヴなフレーヴァーや拘り抜いたであろう構築美あふれるフレーズを聴かせてくれてはいるものの、はたしてそれらの要素は唄メロを犠牲にしてでも必要だったのだろうか?

これほど唄メロにパワーのない曲ばかりでは、そう言わざるを得ない。ライヴでこのアルバムの曲を演っても ( 腕組み + 棒立ちの ) 休憩時間になること間違いなし。

やはり、STRATOVARIUSTimo Tolkki のメロディ・センスあっての STRATOVARIUS だったのだと思い知らされたね。…とは言っても、明らかに枯渇してた Elements Pt.2 の頃よりはマシなのかもしれないが…。

評価:57

SYMFONIA / In Paradisum

SYMFONIA / In Paradisum
Release : 2011
Label : Marquee

Timo Tolkki 率いる Melodic Speed Metal オール・スター、SYMFONIA の 1st アルバム。


STRATOVARIUS よりも STRATOVARIUS らしい、というよりも単なるセルフカバーに近い。違いは Vo が Andre Matos だというだけ。さらに、ソロパートやアレンジは超手抜き。

金魚のフン状態の Jari Kainulainen (b) はともかく、Andre MatosUli Kusch (Ds/ex-Helloween) は Tolkki にも勝るとも劣らないソングライターなんだから少しくらい共作すれば良かったのに…。Mikko Harkin (key) は相変わらずチェンバロをキラキラさせてるが、それが仕事か(笑)

次のアルバムはギターを Jani Liimatainen (ex-SONATA ARCTICA) にでも変えてみたらいいんじゃないか? Tolkki の独裁体制じゃどうせ長続きしないんだからさ。

とはいえ、Andre Matos が純粋な北欧パワーメタルを歌ってるってだけでも STRATOVARIUS / Elysium よりは楽しめたかな。

評価:60

SYMPHONY X / Iconoclast

SYMPHONY X / Iconoclast
Release : 2011
Label : Nuclear Blast

SYMPHONY X の 8th アルバム。


イントロの変拍子リフから一切無駄のない完璧な展開とオーケストレーションが素晴らしく、その長さを微塵も感じさせない 1-#1. Iconoclast,ダークなリフにキャッチーなメロディが前作にも通ずる 1-#2. The End of Innocence,Russell Allen のドスの効いたマフィア歌唱が存分に発揮された 1-#3. Dehumanized,アルバム中最もシンプルなパワー・メタル曲 1-#4. Bastards of the Machine,メカニカルなリフと緩急のある展開が印象的な 1-#6. Children of A Faceless God,Russell Allen の (他の曲とは違う) ソフトな歌唱と哀愁のメロデイーが紡ぐ美しきプログレッシヴ・キラー・チューン 1-#6. When All is Lost

ダークなリフがメカニカルなリズムで展開される 2-#1. Electric Messiah,キャッチーな唄メロが印象的でシンプルな構成の 2-#3. Light Up the Night,ミドルテンポでじっくり聴かせる 2-#4. The Lords of Chaos,プログレッシヴな展開美が見事な 2-#5. Reign in Madness で幕を閉じる。

アルバム全体の聴きやすさやメロディーの質で言えば確実に前作の方が上だという評価が多いだろう。しかも長く、濃い内容だけに聴く者を選ぶのかもしれない。しかし、聴けば聴くほど “これが SYMPHONY X の最高傑作だ!” と言いたくなってしまう。それだけ説得力のあるアルバムだと言えるだろう。

評価:91

TEN / Stormwarning

TEN / Stormwarning
Release : 2011
Label : Frontiers

Gary Hughes 率いるブリティッシュ・ハードロック・バンド、TEN の 9th アルバム。


英国的哀愁メロが堪らない #1. Endless Symphony,派手さはないもののそのスケール感に圧倒される #2. Centre of My Universe,湿り気のあるメロディが美味しい #3. Kingdom Come,アートワークのような風景を連想させる名曲 #5. Stormwarning,じわじわ染みてくる唄メロと哀愁をまき散らすギターソロが堪らない #9. Destiny,渋めな歌唱と憂いのあるアレンジが絶妙な #10. The Wave と、ここ最近の枯渇っぷりが嘘のように素晴らしい出来で Far Beyond the World の頃の TEN が帰ってきたと言ってもいいくらい。

この勢いのままに次の Bob Catley ( Vo / MAGNUM ) のソロ・アルバムもお願いしたい。

評価:86

THE MAGNIFICENT / The Magnificent

THE MAGNIFICENT / The Magnificent
Release : 2011
Label : Frontiers

Michael Eriksen (Vo/CIRCUS MAXIMUS)Torsti Spoof (Gt/LEVERAGE) が組んだメロディアス・ハード・プロジェクト、THE MAGNIFICENT の 1st アルバム。


「BURRN!に『メロディー派は借金してでも買え』なんて書かれたから聴かないわけにはいかんだろ」、というわけで、輸入盤を購入。(ボートラは itunes で購入)

明快なメロディが爽やかにドライヴする #3. Memories,王道バラードな #4. Angel,キャッチーな唄メロが哀愁の風を運ぶ #6. Loves on the Line,80’s 北欧メタルを彷彿させる #7. Bullets,メロディアスな当アルバムの中でもリーダー・トラックになりうる #11. Lost,まるで ZENO が書きそうなバラードの #12. Harvest Moon,ボートラの #13. Drive は、まさに日本人好みの爽やかでキャッチーな曲。…なぜこんないい曲を本編に収録しないんだろう?

見事です。2011年を代表する、いや、Frontiers Records を代表するメロハー・アルバムです。ただ、曲順がいただけないんだよなぁ…。

評価:90

THE MAN-EATING TREE / Harvest

THE MAN-EATING TREE / Harvest
Release : 2011
Label : Century Media

SENTENCED の血脈を継ぐノーザン・メランコリー・メタル・バンド、THE MAN-EATING TREE の 2nd アルバム。


前作で聞けたメランコックさがいくらか減衰してヘヴィな音に。SENTENCED 譲りの哀愁メロディは健在なのだが、どの曲も似たような曲で統一感がある一方、前作の This Longitude of Sleep のようなキラー・チューンがないのが残念でならない。#3. Code of Surrender 辺りはかなりいい線いってるんだけど、ヘヴィさが邪魔をして慟哭を相殺しているような…。

もしかして、2枚目ですでにネタ切れなのか。それとも引き出しが極端に少ないのか…。

評価:51

THE POODLES / Performocracy

THE POODLES / Performocracy
Release : 2011
Label : Frontiers

スウェーデン産グラム・メタル・バンド、THE POODLES の 4th アルバム。


ダークなアルバムで、今までのような爽快感のある哀愁メロハーを期待すると肩すかしをくらう。初めて聴いた時「ついにコケたか…」と思ったくらいだ。「マシなのは #5. Cuts Like A Knife だけかよ」と。

しかし、何度か聴いてみると、ダークな曲調ながらもメロディの哀愁はたっぷりだし、どれもキャッチーで捨て曲がない。ギターの音もソリッド感が増して前任者並みにピロピロ…って Gt の Henrik Bergqvist 、元 FORTUNE だったのか。どおりで。

ところで、来日はまだ?

評価:87

TOBY HITCHCOCK / Mercury’s Down

TOBY HITCHCOCK / Mercury's Down
Release : 2011
Label : Frontiers

Toby Hitchcock (Vo/PRIDE OF LIONS) の 1st ソロ・アルバム。


ソロ・アルバムというよりも Erik Martensson (Vo,G/ECLIPSE) が手掛けた楽曲を Toby が唄うという Frontiers Records お得意のシンガー・プロジェクトという印象が強い。

そんなレコード会社の企画モノという側面はさておき、間違いなく素晴らしいアルバムだ。楽曲の質は Erik Martensson が手掛けた他の作品を聴いていれば想像できる通りの高いクオリティ。あからさまに JOURNEY を彷彿させる曲があるのは、狙ってるのかどうか判らないが試みとしては面白い。

そんな極上の曲を Toby が伸びのあるハイトーンで唄うのだから、良いに決まっている。ただ残念なのは、どの曲も平均点以上ではあるものの、これといった強力な曲がない事だが、それは望み過ぎか…。

しかし Erik Martensson、第2の Magnus Karlsson (G/PRIMAL FEAR) かと思うくらい Frontiers に使われてるが、ネタ切れにならなきゃいいけど…。

評価:73

TRIVIUM / In Waves

TRIVIUM / In Waves
Release : 2011
Label : Roadrunner

新世代メタルの旗手 TRIVIUM の 5th アルバム。


アンビエントなメロディを含む展開と聴きやすい唄メロが強力なアルバムタイトルでもあり、リーダートラックの #2. In Waves,ライヴ受けのようさそうな #5. Watch the World Burn,静と動を使い分けた展開 (特に後半) が印象的な #10. Caustic are the Ties That Bind,北欧メロデス風味の #11. Forsake Not the Dream,リズミカルなリフが面白い #13. A Grey So Dark… などを筆頭に全18曲(内ボートラ5曲)。

買ったのは DVD 付きの Special Edition なので、確かにスペシャルな曲数だが、いかんせん多すぎる。出来た曲を出し惜しみしない姿勢は素晴らしいとは思うけどね。

全体的にとっ散らかってた印象の強い前作よりは1曲1曲がコンパクトに凝縮されてる感じで退屈さはさほど感じないものの、やはり曲数のせいかダレる個所もチラホラ。あとは、グロウル率が上がったかな? 天性のいい声してんだからもっとクリーン使えばいいのに、と思うのは俺だけじゃないはず…。

評価:76

TURISAS / Stand Up and Fight

TURISAS / Stand Up and Fight
Release : 2011
Label : Victor

フィンランド産バトル・メタラー TURISAS の 3rd アルバム。


大仰なオーケストレーションと Mathias Nygård (Vo) のクリーントーン歌唱の影響か、妙にまったりした戦場に…。剣と楯を装備していざバトル!という泥臭い感じは皆無。むしろ高台から戦線を眺め、戦士たちを鼓舞する指揮官目線な感じ。もしくは、大軍 vs 大軍の様子をおおざっぱにスローモーションで片付ける、よくあるファンタジー映画の BGM 的な感じか。

そんな緊迫感のない中、唯一凄まじいテンションと劇メロを誇っているのが #8. End of an Empire だ。ギャロップ・ビートにド派手でクサメロ全開のクワイヤってだけでも反則スレスレなんだけど、サビの尋常じゃない高揚感には中毒性すら覚える。

そして #9. The Bosphorus Freezes Over は完全に MANOWAR / Gods of War の世界観。

個人的にはどうでもいいんだけど、ヴァイオリンとアコーディオン、鳴ってるのかもしれないけど殆どが分厚いオーケストレーションにかき消されてないか? まぁ、ギターソロもだけど。

評価:72

VOODOO CIRCLE / Broken Heart Syndrom

VOODOO CIRCLE / Broken Heart Syndrom
Release : 2011
Label : Afm

Alex Beyrodt (Gt/SILENT FORCE) 率いる VOODOO CIRCLE の 2nd アルバム。


DEEP PURPLERAINBOW を現代的な音で、というコンセプトそのままの音で見事に前作の延長上にあるアルバム。レイドバックし過ぎなんじゃないかと思う曲もあるが、基本的には「もし Ritchie Blackmore がまたハードロック・アルバムを作ったら…」というイメージで聴けばかなり楽しめる内容だ。なりきり度もハンパないくらいだしね(笑)

他の曲もいいんだけど、アップテンポで後期 RAINBOW を彷彿させる #9. The Heavens are Burning,パワーメタル・ファンへのサービス精神全開の疾走曲 #12. Wings of the Fury の2曲はどうしてもリピート回数が増えるな。

アートワークの “レリック・ストラトとヴィンテージ・マーシャル” って組み合わせが最高。

評価:71

WHITE WIZZARD / Flying Tigers

WHITE WIZZARD / Flying Tigers
Release : 2011
Label : Earache

LA 産 NWOTHM バンド、WHITE WIZZARD の 2nd アルバム。


流行?? の NWOTHM 軍勢の一角だが、恐らく当時のサウンドまで再現しているのは彼らくらいだろう。聴いていると、まるで IRON MAIDENBruce Dickinson を加入させず 2nd のメンバーのまま 3rd アルバムを作ったかのような錯覚に陥る。

隙間のある音作りや、強めのリヴァーブ。Bass はまんま Steve Haris みたいな音運びだし、挙句の果てには変なマスコット・キャラクターが Aces High してるジャケ・・・。そこらへんのフォロワーとは一線を画す IRON MAIDEN 愛がモロ見えなとこが、ノスタルジックを感じるのと同時に何故か応援したくなってしまうという、不思議な魔力を持っているんだよね。

中心人物の Jon Leon (b) 以外のメンバーが安定しないようだが、是非とも頑張ってこの音楽性で続けていってほしいね。

評価:41

WHITESNAKE / Forevermore

WHITESNAKE / Forevermore
Release : 2011
Label : Frontiers

WHITESNAKE の 11th アルバム。


どこか原点回帰な感じが漂っていた前作をさらに1歩推し進めたようなアルバム。毎度の通り、David Coverdale による強烈な歌声がアルバムを牽引しているわけだが、還暦間近とは思えない信じられない歌唱は相変わらず…。にもかかわらず、曲が地味に感じるのは CoverdaleDoug Aldrich の作曲チームがあれなのか、それともゴリゴリのギター・サウンドがアレなのか…。

Reb Beach は ( #9. Dogs in the Street とか ) 何かと凄まじいソロを弾いてるのに、何故こうも可哀想なくらい影が薄いんだろうな。

評価:45

WITHIN TEMPTATION / The Unforgiving

WITHIN TEMPTATION / The Unforgiving
Release : 2011
Label : Roadrunner

WITHIN TEMPTATION の 5th アルバム。コンセプト・アルバムでコミックと連動してるらしい。


今までのゴシック・メタル風味をほんの少しだけ残しつつも完っ全にメジャーな雰囲気に進化。元々持っていたスケール感も増し、(多分勘違いだろうと思うけど)これなら HR/HM を毛嫌いするような人の耳にもすんなり入っていくんじゃないかと思える。

コンセプト的にも、アルバム的にもハイライトになるであろうリーダートラック #11. A Demon’s Fate が群を抜いて素晴らしいね。ギターソロの泣き具合も堪らん。

評価:56

WOLFPAKK / Wolfpakk

WOLFPAKK / Wolfpakk
Release : 2011
Label : AFM

Michael Voss (Vo/ex-CASANOVA, Michael Schenker)Mark Sweenry (Vo/ex-CRYSTAL BALL) の両シンガー率いるメロディック・メタル・プロジェクト WOLFPAKK の 1st アルバム。


プロジェクト・リーダーの二人の “超小粒感” はさておき、本作で最も重要視したいのはその豪華!?なゲスト陣であろう。

— 以下ゲスト名は HMV からのコピペ。(太字は当サイト的に重要そうな人) —

Vocals:
Paul Di’Anno (EX-IRON MAIDEN),Tony Martin (EX-BLACK SABBATH),Jeff Scott Soto (EX-Y. MALMSTEEN, TALISMAN),Rob Rock (IMPELITTERI),Mark Boals (EX-Y.MALMSTEEN),Tim Ripper Owens (EX-JUDAS PRIEST),Paul Shortino (EX-QUIET RIOT),Mark Fox (EX-SHAKRA),Michaela Schober (TANZ DER VAMPIRE),Jean-Marc Viller (CALLAWAY),Pearl and Molly Duncan

Bass:
Tony Franklin (EX-BLUE MURDER, ROBERT PLANT),Mat Sinner (PRIMAL FEAR, SINNER),Matthias Rethmann (EX-LEEZ, SILVER),Nils Middelhauve (XANDRIA),Neil Murray (WHITESNAKE),Barend Courbois (VENGEANCE)

Guitar:
Igor Gionola (U.D.O.),Andy Midgeley (POWER QUEST),Ira Black (EX-VICIOUS RUMORS, LIZZY BORDEN),Torsten Koehne (EDEN´S CURSE),Doc Heyne (BISS),Tommy Denander (DAN REED, PAUL STANLEY),Nadja Kossinskaja (PETER MAFFAY),Freddy Scherer (GOTTHARD),Olaf Lenk (AT VANCE),George Solonos (TOMMY LEE)

Keys:
Alessandro Delvecchio (GLENN HUGHES, IAN PAICE),Ferdy Doernberg (AXEL RUDI PELL, ROUGH SILK)

Drums:
Gereon Homann (EAT THE GUN)

名の知れたベテランから始めて聞く名もチラホラあるが、SOULSPELL 以上、AINA 以下といったところか。ただ、残念ながらこのゲスト陣、気がつかないくらいの数フレーズでしか登場しない人や、名前は載ってるけどどの曲で弾いてるかすら判らない人もいて、ゲストの名前に釣られて買ってしまうと尋常ではない肩すかしを食らうハメになる。

せめてシンガーには曲の半分は唄ってもらうとか、ギタリストには必ずソロを弾いてもらうとかすればいいのに・・・。肝心の曲も、メロディック・パワー・メタル全盛期に、出てきては消えていったB級 HELLOWEEN フォロワーの方がマシなんじゃないかと思えるほど。

中心人物が地味で小粒な人だと、いくら華々しい経歴のゲストがいても残念な結果しか出ないといういい例。本当は “2” でいいと思ったけど、それだと意外と頑張ってる Tim Ripper Owens に悪いので +20 。

評価:22

WORK OF ART / In Progress

WORK OF ART / In Progress
Release : 2011
Label : Frontiers

スウェーデン産メロディック・ロック・バンド WORK OF ART の 2nd アルバム。


Frontiers Records の他プロジェクトの経験がそうさせたのか、前作ほど TOTO っぽくなく、北欧らしい透明感とメロディアスな唄メロはそのままに、ハードロックさの強調されたロックらしい印象が強くなった。(それでもまだキーボード・サウンドの方が主体に聞えるけど・・・)

前作も素晴らしい内容だったが、アルバム全体の出来としてはこちらが上かな。ギターがハードな音になった事によって、前作が “軽過ぎた” と思う(俺みたいな)人には嬉しい進化の仕方だと思うし、殆どの曲がシングル・カット出来そうなくらい高品質なのも変わりないからね。

個人的に残念なのは、同じ年に LIONVILLE / st (2011) のリリースがあった事か。って Lars さん ENBOUND / And She Say Gold (2011) でも唄ってるんだな。

しかし、他のプロジェクトでも名盤クラスのアルバム作ってメイン・バンドでも傑作って・・・ネタ切れにならない事を切に願うよ。

評価:92


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