Release : 2013

ALMAH / Unfold

ALMAH / Unfold
Release : 2013
Label : iCarus Music

Edu Falaschi (Vo/ex-ANGRA) 率いる ALMAH の 4th アルバム。


ANGRA との相違点が見つからないくらいの #1. In My Sleep,ニューメタル的だがキャッチーな唄メロも聴ける #2. Beware the Stroke,前作と同じモダンさを感じさせる #3. The Hostage,その曲名どおりの暖かさを感じられる彼の得意とするバラード #4. Warm Wind,ピアノリフが印象的でメロハーチックな #5. Raise of the Sun,ドラマチックなソロパートが素晴らしい #6. Cannibals in Suits,Frontiers Records からでも出せそうなメロハー・ソング #7. Wings of Revolution,アルバムのリーダー・トラック。こういう曲をどうして ANGRA にいる時に書かなかったのか! #8. Believer,ドラマチックなメロディーが心を打つ #9. I DoDREAM THEATER よろしくなプログレ・メタル風ギターソロが美味の #11. Treasure of the Gods,アウトロ的バラード #12. Farewell

全盛期までとはいかないものの、Edu の喉は回復しているようで、ANGRA / Aqua の時よりも安定した歌唱が聴ける。前作がアレだったので心配ではあったが、#8. Believer を聴く限り曲作りの才能は全く枯れてはいないようで、これも安心。2013年のベストチューン書き換えないと…。

評価:84

AMARANTHE / The Nexus

AMARANTHE / The Nexus
Release : 2013
Label : Spinefarm

Olof Mörck (Gt/DRAGONLAND) 率いるトリプル・Vo バンド、AMARANTHE の 2nd アルバム。


前作の Leave Everything Behind のアップデート版と言えそうな #1. Afterlife,サビメロだけでガンガン攻めてくるシンプルな #2. Invincible,前作の Hunger の焼き直し感全快な #3. The Nexus,エレクトロ系リズムシンセがしつこいくらいに敷き詰められた #5. Stardust,北米の有名女性ソロシンガーの曲にありそうなバラード #6. Burn With Me,いかにも踊ってくれと言わんばかりのシンプルなビートの #8. Razorblade,ノリノリでダンサンブルなクラブ・メタルにクサメロを突っ込んだ #10. Electroheart,アルバム中一番メロディック・メタルらしさを感じられる #11. Transhuman,エレクトロ要素が少なめのパワー・バラード #12. Infinity

ヴァースに一人クリーン、ブリッジにグロウル、長めのサビで二人クリーン(時たまグロウル)っていう彼らの曲の方程式はほとんど変わらず、前作ではまだ味付け程度だったエレクトロ要素がサウンドの中核をになるくらい目立っているのが若干気になるくらいで、前作が気に入った人なら十分楽しめるアルバムだと思う。

個人的には、全曲が4分以内でシンプル過ぎるのがどこか物足りないような…。グロウル主体の曲とかあったら面白いかもね。

評価:71

AMORPHIS / Circle

AMORPHIS / Circle
Release : 2013
Label : Nuclear Blast

叙情詩カレワラから離れた AMORPHIS の 11th アルバム。


エスニックなリフと牧歌的なメロディが彼ららしい #1. Shade of Gray,テンポを落としたヴァイキング・メタルみたいな #2. Mission,怒涛の如く哀愁を振りまく #3. The Wanderer,メロウな3連の #4. Narrowpath,哀愁力の高いバッキングにキャッチーな唄メロが乗る #7. Into the Abyss,牧歌的メロディのインスト・パートが堪らない #9. A New Day

ボートラの Dead Man’s Dream は本編にはない疾走感とデス・メタリックな曲調が素晴らしいそうなんで、そっちがどうしても聴きたい方は限定盤 or 国内盤を。

今回、彼らの音楽性の要でもあった『カレワラ』から離れたわけだが、その点においての不安要素は全くない。サウンド的にはよりメロウに、より抒情的に、よりメロディックになっている。だが、その分テンポは減衰しパワーも落ちたようにも思える。ギターが前に出てきて、他の楽器隊が後ろに引っ込み気味なのもそう感じる要因の一つかも。

評価:63

ANGELICA / Thrive

ANGELICA / Thrive
Release : 2013
Label : Frontiers

THE MURDER OF MY SWEET のシンガー Angelica Rylin の 1st ソロ・アルバム。


Harry Hess (Vo/HAREM SCAREM) / Daniel Flores (Ds/THE MARDER OF MY SWEET)作曲のこれぞメロディック・ロックと言わんばかりの極上のサビメロが素晴らしい #1. Breaking My Heart,いかにも Frontiers 産らしい爽やかなコーラスと爽快感のあるメロディの #2. I am StrongLars Säfsund (Vo/WORK OF ART) が歌ったらそのまま WORK OF ART になりそうな Robart Sall (Gt/WORK OF ART) 作曲の #3. To You RescueAngelica 本人作曲の感動的なバラード #4. Can’t Stop Love,透明感のあるアレンジが北欧の風を運ぶ #9. You Will Never Win,切ない哀愁の唄メロが印象的な #10. This Kiss is Just for You,ポジティヴなメロディと北欧らしいきらびやかなアレンジの #12. Take Me to Your Heart

2013年トップ・クラスのメロディック・ロック・ソングの #1. Breaking My Heart を筆頭に Frontiers Records の名に恥じない素晴らしいアルバムだ。レーベルお抱えのソングライターらに混じって本人も数曲書いているが、それらが他の曲に引けを取っていないのも素晴らしい。

評価:76

ARC ANGEL / Harlequins of Light

ARC ANGEL / Harlequins of Light
Release : 2013
Label : Frontiers

Jeff CAnnata によるメロディック・ロック・プロジェクト、ARC ANGEL の 3rd アルバム。


YES っぽさのあるメロディが気持ち良い #2. As Far As the Eye Can See,アメリカン・プログレ・ハード感が堪らない #7. Fortune Teller 2,まさにカリフォルニアの風を運んでいるように爽やかな AOR #8. California Daze …。

歌メロの弱さが気になるものの、正統派プログレ〜カンタベリー・プログレあたりの音を継承していて、どこかそれらを匂わすアレンジが懐かしい印象。

評価:56

AVANTASIA / Mystery of Time

AVANTASIA / Mystery of Time
Release : 2013
Label : Avalon

Tobias Sammet 率いる AVANTASIA の 6th アルバム。


ドラマチックな展開の #1. SpectresJoe Lynn Turner が唄い、Arjen Anthony Lucassen がソロを取り、オルガン・ソロもあるという “Tobias Sammet’s RAINBOW” な #2. The Watchmaker’s DreamBiff Byford とデュエットする EDGUY っぽい #3. Black Orchid,ナニをどう考えても全て Michael Kiske が唄った方がいいとしか思えない、確信犯的王道ジャーマン・パワーメタル・ソング #4. Where Clock Hands FreezeCloudy Yang と唄う、スケールの大きいバラード #5. Sleepwalking,前半のハイライトとばかりにビッグ・ネームが共演する大曲 #6. Savior in the Clockwork,思いっきり PRETTY MAIDS を意識してる (当然シンガーは Ronnie Atkins) #7. Invoke the MachineEric Martin が唄う、これまたモロに MR.BIG#8. What’s Left of MeMichael Kiske の伸びやかな歌唱が聴けるアップテンポの #9. Dweller in A Dream,まるで映画のエンディング~スタッフロールを観ているかのような壮大なバラード #10. The Great Mystery

相変わらず見事としかいようのない作曲センスだが、自身の曲の焼き直しのようなメロディが所々に散らばっているのがどこか不完全燃焼感を漂わせる原因になっている。また、EDGUY の変化と同様にこちらも「メタル・オペラ」から「ロック・オペラ」に変化しているようにも感じられた。そのおかげで生オーケストラ効果もあるのは事実だけど、もうちょっとメタリックなサウンドでもいいような…。

しかし、(確かにギターも上手いのは分かるけど)Oliver Hartmann (Vo/ex-AT VANCE) をシンガーで使わないってのは、もはや暴挙だよ(笑)

評価:85

BLACKMORE’S NIGHT / Dancer and the Moon

BLACKMORE'S NIGHT / Dancer and the Moon
Release : 2013
Label : Frontiers

BLACKMORE’S NIGHT の 8th アルバム。


1st のあのインストを彷彿させる #5. Minstrels in the Hall,いかにも彼ららしい曲調とペダル・トーン・リフが美味しい #7. Dancer and the Moon,同じ曲をバラードとロックで聴かせる(前作でも同じようなことしてた) #10. Somewhere Over the Sea, #11. The Moon is Shining,そして、亡き Jon Lord (Organ/ex-DEEP PURPLE) に捧げた、円熟の泣きを聴かせるインスト #13. Carry On…Jon

基本的に彼らのアルバムはどれ聴いてもそれほど変わりがあるものではないが、ここ数作にあったようなゴージャスなアレンジがないからか、今作は凄く初期に近い印象。シンフォニックなロックなどとは違って、彼らの音楽はむしろサウンドに隙間があるほうがいいと思うので、この小さな変化は個人的には大歓迎。哀愁も多めに出してるしね。

しかし、ラストの #13. Carry On…JonGARY MOORE / The Loner にも通ずるメロディと、とてつもない哀愁美は今の Ritchie だからこそ出せたであろうタメを効かせたフレーズが胸を打つ。この曲のためだけでもアルバムを買う価値があるね。

評価:71

BULLET FOR MY VALENTINE / Temper Temper

BULLET FOR MY VALENTINE / Temper Temper
Release : 2013
Label : Rca

よりポップになった BULLET FOR MY VALENTINE の 4th アルバム。


売れ線に走った前作と事前情報から、大した期待をせずCDを再生すると #1. Breaking Point でいきなりグロウルで始まり、「お、こりゃキタか?」なんて一瞬思ったが、その一瞬以降一気にダレてそのまま終わるという…。アートワークが「なんじゃこりゃー(by ジーパン刑事)」なんで、てっきり前作のキャッチーさは残しつつも、いい感じのモダンヘヴィネスなサウンドかと思った俺が間違いだった。

前作は、唄メロのキャッチーさはソコソコに曲に激しさがあったけど、今作は Mutt Tuck (Vo,Gt)AXEWOUND でそっちサイドを全部消化してしまったのような腑抜た曲ばかり。#10. Tears Don’t Fall (Part 2) はいくらかマシだけど、何が Part 2 なのか、ただの焼き直し。タイトル・トラックの #3. Temper Temper だけはライブで盛り上がりそうで悪くないかなってくらい。

インタビューとか読んだ感じからすると、次は Don Gilmour はやめたほうがいい気がするね。

評価:45

CHASING VIOLETS / Jade Hearts

CHASING VIOLETS / Jade Hearts
Release : 2013
Label : AOR

Sarah FontaineMelissa Fontaine 姉妹率いる CHASING VIOLETS の 2nd アルバム。


どうもパッとしない Fontains 姉妹の歌唱力と唄メロを見事に補う曲のアレンジは本当に素晴らしい。たまに出てくるゲスト・シンガー達は退屈な曲に花を添えているし、それ以上に、多くの曲でイニシアティブを握っている北欧ハードロック界の剛腕プロデューサー、Tommy Denander の手腕は本当に素晴らしい。彼がいなかったら本当に悲惨なことになっていただろう。ただ、そんな剛腕でさえも限界があった。

正直なところ、この2人のオネーちゃんよりも Tommy DenanderAlessandro Del Vecchio (EDEN’S CURSE, LIONVILLE) の名前に凄く期待したんだけど、所詮は雇われだったってことだな。

一番マシな曲としては Tommy Denander 節全開のオープニング・チューン #1. The Main Attraction がかなりいい感じに北欧メロハーしてるんだけど、Frontiers 辺りのメロハー・プロジェクトやシンガーのソロ・プロジェクトならこのレベルの曲ならゴロゴロあるわけで…。

とりあえず Fontain 姉妹は自分らの度アップ写真なんて撮ってないで、歌の練習といい曲を書ける人を探すとこから始めたほうがいいような…。

評価:31

CHILDREN OF BODOM / Halo of Blood

CHILDREN OF BODOM / Halo of Blood
Release : 2013
Label : Nuclear Blast

CHILDREN OF BODOM の 8th アルバム。


キャッチーなテーマメロがいかにも彼ららしく、少し METALLICA / Battery っぽいパートも聴ける #1. Waste of Skin,怒涛のブラストビートで幕を開ける強烈な #2. Halo of Blood,アートワークの情景が浮かんできそうな #4. Transference,メカニカルなギターがカッコイイ #5. Bodom Blue Moon (The Second Coming),初期っぽい、というか Hatebreeder っぽい #6. Your Days Are Numbered,バラード風のアレンジが素晴らしい #7. Dead Man’s Hand On You,グロウルっぽくない音程のある吐き捨て Vo が好感触な #9. All Twisted,勢いのあるブリッジから3連のサビが印象深い #10. One Bottle And A Knee Deep

前作が Hate Crew Deathroll 路線だったなら、当アルバムはそれ以前を彷彿させる。しかし、そこまで戻りきれていないというか、4th 以降のややモダン化した音楽性と初期の間で迷っているような印象も受けるので、もしかするとその中間に落ち着いているのかもしれない…。個人的には Follow the Reaper 当たりの煌びやかな要素が1,2曲でも戻ってくると嬉しいんだけどね。

しかし、今回のアートワークは過去最高にいいね。

評価:72

CHTHONIC / Bù-Tik

CHTHONIC / Bù-Tik
Release : 2013
Label : Spinefarm

台湾産ブラック・メタル・バンド、CHTHONIC の 7th アルバム。


3連のリフを交えながら即効性の高いオリエンタルなメロディを聴かせる #2. Supreme Pain for the Tyrant,デスラッシュ風から DIMMU BORGIR 風に変化し、メロディックなソロが堪らない #3. Sail Into the Sunset’s FireENSIFERUM みたいな勇壮メロとコーラスが印象的な #4. Next Republic,哀愁のある東洋メロが美味しい #8. Set Fire to the Island,悶絶必至のギターソロからの劇的なアレンジが素晴らしい #9. Defenders of Bú-Tik Palace

前作と比べて民族系楽器の比率が少なくなり、よりメタリックになったと言える。その分リードギターが頭角を現してきていて、印象的なソロパートも多い。個人的には前作のように台湾産を主張するような大仰なアレンジが好きだったけどね…。

評価:73

DARK MOOR / Ars Musica

DARK MOOR / Ars Musica
Release : 2013
Label : Scarlet

DARK MOOR の 9th アルバム。


ファンタジー映画のようなインスト #1. Ars Musica,キャッチーでオペラチックなコーラスが印象的な #2. First Lance of Spain,シンフォニック・ポップ・ロック? な甘っとろいメロディの #3. This is My Way,ミュージカル風の #5. Together As Ever,アップテンポだが、コーラスはゴシック・メタルな #6. The City of Peace,感動的なシーンのバックで流れそうなバラード #7. Gara & Jonay,スパニッシュな巻き舌 Vo を織り交ぜながら疾走する RHAPSODY 風の #8. Living in a Nightmare,スペイン語 + 巻き舌で歌われる大仰な唄メロの #9. El Último ReyIRON MAIDENTo Time a Land で引用したスペイン組曲のカバー #11. Asturias

前作のメロウさをさらに突き詰めて歌劇風にしてきた印象。もう少しメタリックな要素はあった方がいいとは思うが、(アルバムを重ねる度にレベルアップし、後頭部が心配な)Alfred Romero (Vo) の甘っとろい歌唱を聴くと、見事にこの音楽性にマッチしてて、これはこれで良いような。前作もそうだったが、これで1曲でも強力無比なキラー・チューンがあれば完璧なんだけどなぁ。

評価:84

DGM / Momentum

DGM / Momentum
Release : 2013
Label : Scarlet

DGM の 8th アルバム。


ゲストにで Russell Allen (Vo/SYMPHONY X) が唄う、完全にソレっぽい #1. Reason,リフが ROCK BOTTOM な爽やかプログレ・ハード #2. Trust,パワー・メタリックに攻める #3. Universe,しっとりしたメロディをパワフルに聴かせるバラード #6. Repay,メロディック唄メロとバッキングが印象深い #7. Chaos,雰囲気が初期の SYMPHONY X なパワー・メタル・チューン #9. Overload,シャレたピアノ・ソロからのギターとキーボードのソロ・タイムが鳥肌モノな #10. Void

曲のクオリティは前作同様の安定感。サウンドは(極端には変わらないけど)若干失速してプログレ・ハード寄りになった分かなり聴きやすくなった。捨て曲らしい曲もないし、是非この路線のままで次もお願いします。

評価:75

DREAM THEATER / Dream Theater

DREAM THEATER / Dream Theater
Release : 2013
Label : Roadrunner

DREAM THEATER のバンド名を冠した 12th アルバム。


ゲームのボス戦みたいなイメージのインスト #1. False Awakening Suite,今の彼らの全てを詰め込んだような曲で、今後の代表曲になりそうな名曲 #2. The Enemy Inside,ポップでメロウな唄メロが初期を彷彿させる #2. The Looking Glass,哀愁のパワーバラード。メロウなギターソロの裏でそれを食わんばかりのライドが堪らない #5. The Bigger Picture,サビでテンポダウンしてしっとりと聴かせる #6. Behind the Veil,どことなく初期っぽさを感じさせる #7. Surrender to Reason,短編映画を見ているかのような壮大な大曲 #9. Illumination Theory

#1. The Enemy Inside が最初に公開されたため、てっきりメタリックな路線かと思いきや、かなり Octavarium してるなぁ、という印象。タイトルからも、当人たちは「これが俺達だ!」と言いたいんだろう。確かにその通りに感じるし、レベルの高いアルバムであることは間違いない。いつもより既視感が強いのかもしれない。

前作が「Dream Theater」で、このアルバムが「Dream Theater II」ならすんなり納得できそうな気がする…。

評価:69

FAIR WARNING / Sundancer

FAIR WARNING / Sundancer
Release : 2013
Label : Avalon

Rainmaker」と対をなすらしい FAIR WARNING の 7th アルバム。


出だしのドラムとベースが Burning Heart と同じでいかにも Ule が書きそうな #1. Troubled Love,シンプルなリフで引っ張るロック・ナンバーで天空を駆け巡るソロが堪らない #2. Keep It in the Dark,盛り上がりに欠けるものの、彼ららしいアレンジが聴ける #3. Real Love,#2 と同じくシンプルなリフが先導し、サビメロが Forever の焼き直しな #4. Hit And Run,出だしが #1 の使いまわし? な #5. Man in the Mirror,妙なスウィング感のある #6. Natural High,レイドバックしたメロディが印象深い #7. Jealous Heart,彼ららしい曲だが、どこか決め手にかける #8. Touch My Soul,#2 や 4 と同じ方向性の曲で唄メロが DREAMTIDE っぽい #11. Get Real,ルーツにでも戻ったかのようなオールドテイストな #13. Living on the Streets,縦ノリ感の強いシンプルなロック・チューン #14. Cool

巷の評価がよろしくないようだけど、再結成以降の彼らに18年前の Rainmaker みたいなアルバムが作れると思うほうが間違っているし、Aura を考えれば幾らかマシだし想定内な内容だ。確かにメロディの即効性は落ちたが、メロディアスであることに変わりはなく、十分に彼ららしいものだと思える。まぁ、ちょっとレイドバックしすぎではあるし、Helge には「その手のリフに目覚めたのか」と問い詰めたくなるが!(笑)

そもそも、再結成以降( というか DREAMTIDE の 2nd から )のアルバムは音作りが低音寄りになっていて、ギターとベース、ドラムの音域がぶつかってるような気がするんだよね。勿論、聴く環境にもよるが、実際イコライザーで低音域を絞ったら凄くクリアで聴きやすくなった。で、そうして聴くとそんなに悪くないように聞こえるんだよね。なので、あまりいい印象ではなかった人には是非聴きこんで貰いたいね。

評価:65

FERGIE FREDERIKSEN / Any Given Moment

FERGIE FREDERIKSEN / Any Given Moment
Release : 2013
Label : Frontiers

Fergie Frederiksen (Vo/ex-TOTO) の 3rd ソロ・アルバム。


Alessandro Del Vecchio の 全く期待を裏切らない王道メロハー #1. Last Battle of My War,エレピ連打系リフの #2. Let GoRobert Sall と共作した、いかにも WORK OF ART#4. I’ll Be The One,普遍的ピアノ・バラード #6. How Many RoadsJim Peterik と共作の #8. Any Given Moment,レーベルメイトの ISSA とデュエットした #9. Not AloneTOTO 時代の名曲セルフ・カバー #11. Angel Don’t Cry

期待を裏切らない高品質なメロハー・アルバム。作曲は Frontiers Records お抱えのソング・ライターたちなので、当然といえば当然なんだが…。Fergie は、流石に昔ほどではないものの、相変わらず抜けのいいハイトーンを披露している。

しかし、克服したと思われていた癌が再発し、闘病生活に入ったらしい。まさか、それを見越しての Angel Don’t Cry なのか、なんて考えてしまう…。もういい歳だし、ゆっくりと静養して欲しい。そして、可能ならまた素晴らしい声を聴かせて欲しいと願うばかりだ。

評価:80

FIND ME / Wings of Love

FIND ME / Wings of Love
Release : 2013
Label : Frontiers

Daniel Flores (Dr/MIND’S EYE, THE MURDER OF MY SWEET) と Robbie La Blanc (Vo/BLANC FACES) によるメロディック・ロック・プロジェクト、FIND ME の 1st アルバム。


メロハーのお手本のような爽やかさとドラマチックさのある #1. The Road to NowhereJOURNEY / Separate Ways を意識しまくりなイントロの #2. Another WorldW.E.T. っぽい北欧メロハーな #3. Dancing to a Broken Heartbeat,哀愁メロと透明感のあるアレンジが素晴らしいバラード #4. Eternally,ポップでコマーシャルな歌メロが美味しい #6. On the Outside,いかにも 80’s なアレンジの #7. One Soul,爽やかなメロディが駆け抜ける #9. Bottom of My Heart,哀愁の唄メロを優しく奏でる #11. Wings of Love

Frontiers Records お抱えのソングライター達が楽曲提供しているので、曲のクオリティは折り紙つきの “まぁいつものメロハー・プロジェクト” ではあるんだけど、捨て曲はないし Bobbie La Blanc の Vo も素晴らしいし、2013年トップクラスのメロディック・ロック・アルバムだと思う。

ところで、Vo の Bobbie La Blanc、このアルバムで初めて聴いたけど、Tony Kakko (Vo/SONATA ARCTICA) に近い声質でかなりいいね。BLANC FACES、チェックしないと。

評価:91

GAMMA RAY / Masters of Confusion [mini]

GAMMA RAY / Masters of Confusion [mini]
Release : 2013
Label : Earmusic

GAMMA RAYHELLOWEEN とのツアーのためアルバムに先駆けてリリースしたミニ・アルバム。


JUDAS PRIEST 直系の疾走曲でブリッジがモロに IRON MAIDEN / Aces High、ギターソロが HELLOWEEN / I’m Alive + MSG / Into the Arena#1. Empire of the UndeadSend Me A Sign っぽい、いかにも Kai が書きそうなシングル向きの曲でセルフ・パロディー感満載の #2. Master of Confusion,自身の曲のネタ元である SWEET の名曲カバー #4. Los Angeles

#5~10 以降はライヴDVDの音源。

先日の Hellish Rock Part II 用の予習CDでしかないが、#4 で堂々とネタ元を演ってるのには流石に笑った。いいのか Kai よ。

評価:70

GHOST B.C. / Infestissumam

GHOST B.C. / Infestissumam
Release : 2013
Label : Republic

スウェーデン産サイケデリック・メタル・バンド、GHOST B.C. の 2nd アルバム。


教会風のクワイヤが先導する #1. Infestissumam,気だるいリフと気だるいボーカルが相変わらずだが、あまり妖しさのないポップな #2. Per Aspera Ad Inferi,3拍子のオルガン・リフがいい味を出してる #3. Secular Haze,バンドのイメージとは裏腹に、跳ねるリズムとキャッチーかつポップなメロディが楽しい #4. Jigolo Har Megiddo,「CAMEL かよ」とツッコミたくなること間違いなしの #5. Ghuleh/Zombie Queen,妖しい儀式風だがやっぱりどこかポップな #6. Year Zero,彼ららしい悪魔的 70’s ポップ・ロック #9. Depth of Satan’s Eyes,いかにもな(ちょっと笑える)エンディングだが、やはりそこまで怪しさが感じられない #10. Monstrance Clock

やってる事は前作と変わらないサイケデリック・ロックなのだが、唄メロの予定調和率が高くなっているのが残念。前作の「なんだこのオドオドしい唄メロは!」と思わせたあのメロディはどこへ行ったのか。次ではアレが大いに復活することを期待する。

権利関係の問題でバンド名に B.C. が付くのは US 盤のようで、付いてないのもある模様。そして B.C. は発音しなくていいみたい。

評価:67

GOLDEN RESURRECTION / One Voice for the Kingdom

GOLDEN RESURRECTION / One Voice for the Kingdom
Release : 2013
Label : Liljegren

ネオ・クラシカル・メタル・バンド、GOLDEN RESURRECTION の 3rd アルバム。


HELLOWEEN 直系リフの王道パワーメタルな中でネオ=クラシカルなソロが光る #1. The Temple Will Remain,ギターソロに劇的に組み込んだトルコ行進曲が見事な #2. Spirit War,ギャロップ・ビートと 80’s なシンセ・アレンジが印象的な #3. One Voice for the Kingdom,クサメタリックに疾走し、ヴィヴァルディの四季から [夏-2楽章] を引用した劇的なソロを聴かせる #5. Golden Resurrection,唄メロは平凡ながら劇的なギターソロは素晴らしい #6. Can’t Slow Down,ネオクラ全開のインロとハモンドとの掛け合いソロが楽しい #9. Born for the StrangersGary MooreJon Lord に捧げられたインスト。

前作が 1st と比べるとややスピードを抑えたアルバムだった反動なのか、今作はネオ=クラシカルに疾走する割合が増え、さらに劇的に進化。ネオ=クラシカル・メタルが好きな人には堪らないアルバムなんじゃないだろうか…。本家の王者はあんな状態だし、数多のフォロワーも消えてしまった以上、ある意味で彼らが最後の砦のような気もするので、是非ともこの調子で頑張ってほしいね。

前作から続くテンプル騎士団的なアートワークは CHILDREN OF BODOM の死神みたいにシリーズ化?

評価:88

HELL / Curse & Chapter

HELL / Curse & Chapter
Release : 2013
Label : Nuclear Blast

奇跡の復活を遂げた HELL の 2nd アルバム。


JUDAS PRIEST 風の王道メタルに乗るヒステリックな Vo がカタルシスを届ける #2. The Age of Nefarious,絶妙なオドロオドロしさがある3連の #3. The Disposer SupremeQUEENSRYCHE 風のコーラスが印象的な #4. Darkhangel,リフで押す正統派 NWOBHM ながら、要所要所でとてつもないクサさを発する #8. Something Wicked This Way Comes,カラフルな展開美を持ち、ソロで IRON MAIDEN が顔を覗かせる名曲、 #10. Land of the Living Dead,キャッチーなバッキングやオカルチックな展開が素晴らしい #12. A Vespertine Legacy

前作もかなり良かったが、それを凌ぐ素晴らしい出来。NWOBHM だが、古さを全く感じさせないアレンジ力も流石。見た目も曲も最高にマッチしている、いかにもフェス向きなバンドなので、是非とも LoudPark 等で来日して欲しいね。

評価:92

HELLOWEEN / Straight Out of Hell

HELLOWEEN / Straight Out Of Hell
Release : 2013
Label : The End

初期の曲を演奏する必要性に疑問が生じ始めてきた HELLOWEEN の 14th アルバム。


緊張感のあるリフと Andi の特徴的なスクリームが印象的な #1. Nabataea,クサクサなイントロとモダンなヴァース、魔女の宅急便 (疾走.ver) なサビメロが見事に融合した #2. World of War,どこかで聞いたことあるようなリフとシンプルイズベスト?なサビを持つ #3. Live Now!,どことなく初期の彼らを彷彿させ、サビのキメが Keeper of the Seven Keys – The Legacy / Silent Rain と一緒な #4. Far From the StarsRob Halford を思わせる Andi の歌唱と、いかにも Weikath らしいメロディックなサビが堪らない #5. Burning SunIf I Could Fly タイプの #6. Waiting for the Thunder,能天気なサビメロがいかにも、な #9. Straight Out Of Hell,センセーショナルなタイトルの、ライブ受けしそうな #10. Asshole,キャッチーなメロディの階段を駆け上がっていくかのような展開が素晴らしい (最後に大サビに行かずに終わるのも見事) #11. Years,サビが STRATOVARIUS / Black Diamond にしか聞こえない #12. Make Fire Catch the Fly,多彩な展開のドラマチックな #13. Church Breaks Down

海外盤のボートラ Another Shot Of Life はミッドテンポで “いかにもヨーロピアンが好みそう” な曲。日本盤ボートラ No Eternity は明るくてキャッチーなメロディが爽快にドライブする “いかにも日本人が好きそうな” パワメタ。Burning Sun [Hammond Version] は後ろで気持ちハモンドが聴こえるな~って程度。

前作が張り切り過ぎて空回りしてた感の強いアルバムだったのに対し、自分たちらしさを素直に表現した HELLOWEEN らしいアルバムに。作曲面でも個性がはっきり分かれてきた印象で、それぞれが足りないところを補っていように感じられた。らしさをヘヴィさを調合した Andi、キャッチー + モダンの Sascha、高度な(無意識?)パクリッシュと焼き直し専門の Markus、そして、一切ブレない安定感の王道パワメタ・ライター Weikath 。本人たちが今が最高のラインナップと言うのも頷ける。

初期 Andi 期っぽいとか何とか言われてるけど、Gambling with the Devil の次のアルバムだと仮定すると順当な気がする。
ちなみに、輸入盤はブックレットの印刷ミスが酷過ぎる。

評価:86

HIBRIA / Silent Revenge

HIBRIA / Silent Revenge
Release : 2013
Label : Afm

ブラジル産パワー・メタラー HIBRIA の 4th アルバム。


スラッシュ・メタルの影響が強く、妙にモダンなサウンドが気になる…。前作の「グルーヴ重視?」な方向性から変わったのは嬉しいが、日本の多くのファンが願うサウンドからは斜め方向に行ってしまった感があるような。#7. The Place That You Belong#8. The Scream of an Angel が今までの正統派寄りなのが救いだけど、これらの曲が良いかと言われると…。

良いバンドだけに「初期だけだった」なんてことにならなきゃいいけど。

評価:46

H.I.M. / Tears on Tape

H.I.M. / Tears on Tape
Release : 2013
Label : Universal

フィンランド産ラヴメタル・バンド H.I.M. の 8th アルバム。


哀愁漂う唄メロとヘヴィなリフが交差する彼ららしい #2. All Lips Go Blue,エモーショナルな Vo が素敵な #3. Love Without Tears,憂いのあるメロディのバラード #5. Tears on Tape,シンプルなリフとカラフルなアレンジ、色気のある低音 Vo が美味しい #6. Into the Night,ドゥーミーなリフと低音過ぎる Vo が印象的(というか衝撃的)な #12. W.L.S.T.D

前作の哀愁キャッチー路線から一変、バンドのダークな部分を強調したかのようなアルバムに。PV になった #6. Into the Night がリーダー・トラックになるんだろうけど、それでも唄メロが弱い、というより、いったい何があったのかってくらいに暗い。Ville Valo (Vo) の声量が弱いのも気になるところ。

評価:47

IHSAHN / Das Seelenbrechen

IHSAHN / Das Seelenbrechen
Release : 2013
Label : Candlelight

Ihsahn 先生の 5th アルバム。


ミニマル風の反復フレーズを効果的に使った #1. Hilber,冷たく暗いイメージのピアノが映える前半とヘヴィかつオペラチックに攻める後半の対比が美味しい #2. Regen,リズミカルなリフと 70’s プレグレみたいなイメージのメロディが心地よい #3. NaCl,多彩な音色を纏った哀しみのメロディが印象深い #4. Pulse,即興ドラムと Ihsahn のスクリームのみで構成された #5. Tacit2,そしてそれを発展させた #6. TacitPINK FLOYD のような浮遊感を感じさせる #8. M,不気味なメロディとダークでアンビエントなアレンジの #9. Sub Alter,ダークな雰囲気をこれでもかというくらい詰め込んだホラー映画みたいな #10. See,#10 と同様にホラー映画のサントラチックなインスト #11. Entropie,#10,#11 同様にホラー映画風だが、どこか近未来的な音もあるインスト #12. Hel

今までのアルバムとは比べ物にならないほどアンビエントでプログレッシヴなアルバム。Black Metal から可能な限り “メタル度” を減少させたような、あるいは Black Metal の雰囲気を残した初期型プログレッシヴ・ロックと言うべきか…。STORM CORROSION を Ihsahn の解釈で作ってみた感じ、だとわかりやすいかな。

前半4曲はまだメタルの領域内にあるけど、特に後半は完全に聞き手の精神世界に踏み込んでくるような恐怖感が素晴らしく、メタルの観点から見ると全然だけど、音楽的に言えばこれもまた芸術。是非とも Steven Wilson と組んで (ソロとは別に) 何か作って欲しいね。

評価:70

JAMES LABRIE / Impermanent Resonance

JAMES LABRIE / Impermanent Resonance
Release : 2013
Label : Inside Out Music

James LaBrie (Vo/DREAM THEATER) の 3rd ソロ・アルバム。


前作同様、Peter Wildoer (Ds/DARKANE) のグロウルから幕を開ける SOILWORK みたいな #1. Agony,キャッチーな唄メロに程よくグロウルを絡ませた #2. Undertow,ポップでメロハーちっくな #4. Back on the Ground,北欧メタルみたいな透明感のある #7. Lost in the Fire,哀愁の唄メロが美味のパワー・バラード #13. Unraveling,#1 と同様 SOILWORK 風の #13. Why

前作を踏襲したメロデス風の曲・アレンジなのは変わらず。これといったキラー・チューンはないものの、捨て曲らしい曲もなくクオリティも申し分ない。ただ、気になるのは Vo を重ねすぎている事。シンガーのソロ・アルバムだし、ヴォーカル・オリエンテッドな作品なのは当然と言えば当然なのだが、もっとシンプルに LaBrie の歌声を聴いたいと思うこともしばしば…。

評価:68

LAST AUTUMN’S DREAM / Ten Tangerine Tales

LAST AUTUMN'S DREAM / Ten Tangerine Tales
Release : 2013
Label : Bad Reputation

もはやスタジオ・バンド化してる LAST AUTUMN’S DREAM の 10th アルバム。


キャッチーな唄メロが爽やかな哀愁とともに駆け抜ける #2. Pickin’ Up the Pieces,夕暮れ時のドライブに良さそうな #4. For You,80s アメリカの青春映画みたいな #6. I Will See You Thru,哀愁メロディの染みわたるパワー・バラード #7. When I Found You,ニューヨーカーが雨の中颯爽と歩いているかのような情景を思わせる #9. New York Rain,優しいメロディのバラード #11. My Final Love Song

ズブ濡れ哀愁ハードロック路線からほんわか AOR 路線に。優しいメロディが多く、心が温まってしまうアルバムだ。これはこれで良いんだけど、どうも求めてるのとは違う気がするんだよなぁ…。

評価:65

LEPROUS / Coal

LEPROUS / Coal
Release :2013
Label : Inside Out

IHSAHN の バックバンドも務めるノルウェー産アバンギャルド・メタル・バンド LEPROUS の 3rd アルバム。


シアトリカルな Vo をうまく聞かせる #1. Foe,シンプルな演奏に綺麗なファルセットの Vo が乗る #4. The Cloak,リズミカルなリフが印象的。さらにはラストでテンポ・アップするのがオシャレな #5. The ValleyIhsahn がグロウルでゲスト参加し、完全にバンドを食ってしまっている #8. Contaminate,爆走する爽やかドタバタ・プログレ・メタル #9. Bury

Vo の上手さを活かした曲作りは見事で、たとえそれが Ah- Ah- 言ってるだけでもかなりの形になっているのは凄い。Vo も楽器な感じなのかな。ただ、正直なところライブではアルバムの良さを半分も再現出来てなかったような気がするので、そこは課題だね。

評価:64

LIONVILLE / Lionville II

LIONVILLE / Lionville II
Release : 2013
Label : Avenue Of Allies

Stefano Lionetti 率いる AOR プロジェクト LIONVILLE の 2nd アルバム。


爽やかなイントロから透明感のあるメロディを聴かせる #1. All We Need,爽快感のある唄メロとソリッドなサウンドが心地よい #2. The Only Way is Up,哀愁のメロディと 80’s 北欧メタルのようなアレンジが秀逸な #3. Another DayBill Champlin (Vo/CHICAGO) もゲストで唄う、突き抜ける泣きの唄メロが素晴らしい #4. Higher,見事なコーワスワークの聴ける北欧ハードポップ #6. All This Time,キャッチーな唄メロとバックのシンセバッキングがいい雰囲気を醸し出す #7. Next to MeBOY MEETS GIRL’S のカバー #8. Waiting for a Star to Fall,軽快にドライブする #10. One in a Million,哀愁のピアノ・ソロと泣きギター・ソロが素晴らしい #11. Shining Over Me

前作同様の爽やか哀愁メロハー(AOR)な立ち位置は変わらず、高品質な曲を量産している。ただ、どの曲も同じようなテンポで同じような展開なので、アルバム1枚をそのまま楽しめた前作とは違い、数曲抜き出して聴くアルバムになってしまっている事と、 (#4. Higher はかなりいい線いってるけど) 前作のキラー・チューン、With You に匹敵する名曲がなかったのは残念なところ。サウンド的には、前作がハードポップか AOR かというくらいリズムギターの比重が少なかったが、ソリッド館のあるギターリフが聴け、よりメロディアス・”ハード” なサウンドに変化したと言える。

アルバムを作るだけのプロジェクトかと思ってたら、ちゃんとライブもやってたようで…。( Lars Säfsund (Vo) は大変そうだけど) WORK OF ARTECLIPSE あたりと一緒に来日しないかな…。

評価:83

MASTERPLAN / Novum Initium

MASTERPLAN / Novum Initium
Release : Afm
Label : 2013

Rick Altzi (Vo/AT VANCE),Jari Kainulainen (Ba/ex-STRATOVARIUS),Martin Skaroupka (Dr/CRADLE OF FILTH) を迎えた MASTERPLAN の 5th アルバム。


いかにも彼ららしいパワフルでメロディックなコーラスが素晴らしい #2. The Game,ズッシリとしたリズムの中でピアノが引き立つ #3. Keep Your Dream AliveSTRATVARIUS 風のシンプルなメロディック・メタル #4. Black Night of Magic,北欧メタルを思わせる透明感のあるキーボード・メロが美味しい #7. Pray On My Soul,哀愁のメロディを暑苦しく聴かせる #9. Return From Avalon,スケール感のあるメロディをじっくり聴かせるパワー・バラード #10. Through Your Eyes,様々な展開を見せる10分の大曲 #11. Novum Initium

とりあえず、メンバー・チェンジによるマイナス点はなし。Rick Altzi は元々 Jorn Lande タイプだし、SYMFONIA がなくなって丁度ヒマしてた? Jari Kainulainen はソツなくこなし、Martin Skaroupka に関しては、Uli Kusch 期の手数の多さが戻ってきたイメージで、かなりいいスパイスにはなっている。

曲に関してはどれもキャッチーで悪くはないんだけど、あとほんの少し何か足りないような…。

評価:75

MEGADETH / Super Collider

Megadeth - Super Collider
Release : 2013
Label : Universal

MEGADETH の 14th アルバム。


Dave Mustain はたまに緊張感のないロックな曲を書いているが、今回はアルバム全体がそういった雰囲気に包まれている。アルバム中数曲その手の曲があるのはいい、ただ、マジでこの路線にするなら歌えるゲスト・シンガーを呼んだほうがいいね。

オープニング・チューンの #1. Kingmaker#9. Forget to Remember はマシなのでそれが救いか…。

「よし、MEGADETH でも聴くか」と思った場合、まずこのアルバムを手に取ることはないだろう。前作のレビューで「Youthanasia から Cryptic Writings に近い」なんて書いたけど、だんだん RISK に近づいてきてるような気さえしてくる。

評価:44

NAUTILUZ / Leaving All Behind

NAUTILUZ / Leaving All Behind
Release : 2013
Label : Spiritual Beast

ペルー産メロディック・パワー・メタル・バンド NAUTILUZ の 1st アルイバム。


クサメタルの王道を突っ走る、凄まじいクサメロを撒き散らす #2. Under the Moonlight,どこかイタリアン・パワー・メタルを彷彿させる #3. The Mirror,感動的なメロディを持つバラード #6. Unwritten SerenadeSTRATOVARIUS 風の #7. Eden’s LairRHAPSODYDRAGONFORCE を足して2で割ったような疾走曲 #9. Chasing the Light,冒頭のシャウトから怒涛のクサメロ疾走を聴かせる #11. Leaving All Behind

ここまで王道ど真ん中なメロパワ・メロスピなアルバムは久しぶり。Vo は Tobias Sammet をいくらか細く爽やかにしたような声質で、このキラキラ・メロパワな音楽性に非常にマッチしている。ネオ=クラシカルなシュレッド・ギターでガンガン攻め、アルバムの半分がツーバスドコドコの疾走曲というのも、あの懐かしきB級メロスピ黄金時代を思い起こさせる。

OPERA MAGNAGOLDEN RESURRECTION に歓喜した方々は必聴だ。

評価:87

ORPHANED LAND / All Is One

ORPHANED LAND / All Is One
Release : 2013
Label : Century Media

イスラエル産オリエンタル・メタル・バンド ORPHANED LAND の 5th アルバム。


シンフォニックなアレンジとキャッチーな中東洋的唄メロが見事に調和したオープニング・ナンバー #1. All is One,哀愁メロが程良い民族調アレンジに包まれた #3. BrotherKobi Farhi の色気のある歌唱と中東洋メロをキャッチーに聴かせるギターソロが素晴らしい #4. Let the Truce Be Known,女性シンガーとの対比が美しい #4. Through Fire and Water,語り調とグロウル、DIMMU BORGIR 風のコード進行が聴ける #6. Fall,昭和歌謡みたいな #8. Shama’im,エスニックな中東愛にあふれたプログレッシヴ・チューン #11. Children

前作はイスラエルの OPETH (初期) って感じのアルバムだったけど、このアルバムはそこからさらにメタル度を減衰させ、彼らの生まれ持つ中東の魅力を壮大なアレンジと共に一気に開放したような印象だ。グロウルがあるのは1曲。メタルというよりはハードロックの方が近い。個人的にはこのアルバムと前作との中間あたりの音楽性を探ってほしいところだが…。

評価:79

PLACE VENDOME / Thunder in the Distance

PLACE VENDOME / Thunder in the Distance
Release : Frontiers
Label : 2013

Michael Kiske のための AOR プロジェクト、PLACE VENDOME の 3rd アルバム。


クラシカルなイントロから、前作の Streets of Fire を彷彿させるハードな #1. Talk To Me,憂いを帯びた優しいメロディが心にしみる #2. Power of MusicTimo Tolki (Gt/AVALON,ex-STRATOVARIUS) が提供した #4. Lost in Paradise,いかにも A.O.R なロック・バラード #5. It Can’t Rain Forever,爽やかな香りと哀愁を運ぶ絶品のメロディが堪らない #7. Hold Your LoveUNISONIC の曲とは同名異曲のアップテンポの王道メロハー #8. Never Too LateTommy Denander 作曲の、いかにも彼らしい #10. My Heart is DyingMagnus Karlsson (Gt/PRIMAL FEAR …etc) 作曲の前作 My Gurdian Angel を彷彿させる #11. Break Out,チーム LABYRINTH 作のしっとりと聴かせるパワー・バラード #12. Maybe Tomorrow,王道メロディック・ロック・ソング #13. Thunder in the Distance

Michael Kiske のいかにも彼らしい特徴的な歌唱が堪能できる、捨て曲なしの素晴らしいメロディック・ロック・アルバム。作曲陣も豪華で、特にここ最近数多くのメロハー・プロジェクトで引っ張りだこの Alessandro Del Vecchio は6曲も書いていながら全曲素晴らしいという圧巻の職人っぷり。

こういう風にメイン・バンドとは違うタイプの曲を歌ってくれるのはファンとしては嬉しい限り。

評価:89

PRETTY MAIDS / Motherland

PRETTY MAIDS / Motherland
Release : 2013
Label : Frontiers

PRETTY MAIDS の 13th アルバム。


前作の I.N.V.U をアップグレードしたかのような #1. Mother of All Lies,スケール感のあるギターメロが印象的な #2. To Fool A Nation,初期を彷彿させ、ペダルトーンのバロック風ソロがアレな #4. The Iceman,いかにも Frontiers の社長が喜びそうな哀愁メロハーチューンの #5. Sad to See You Suffer,彼ららしいメロディをパワフルに聴かせる疾走曲 #9. Motherland,ライヴ映えしそうなミドルテンポでシンプルな佳曲 #10. I See Ghosts,曲名の印象とは違ってヘヴィでメロディアスな #12. Who What Where When Wahy,無骨な哀愁をまき散らすパワー・バラード #13. Wasted

本人たちも自覚したであろう前作での復活。それを意識したかのように前作を踏襲しながらもヘヴィさを増した方向性に。個人的には、前作のメロハー要素強めの路線も好きだったけどね。

評価:76

RHAPSODY OF FIRE / Dark Wings of Steel

RHAPSODY OF FIRE / Dark Wings of Steel
Release : 2013
Label : Afm

Luca Turilli と袖を分かった RHAPSODY OF FIRE の 9th アルバム。


以前に比べても薄味な #1. Vis Divina,初期4作を彷彿させるテイストの #2. Rising from Tragic FlamesMANOWAR 色が濃い #3. Angel of Light,アルバム唯一の疾走曲で “Steelgods of the Last Apocalypse” を彷彿させる #7. Silver Lake of Tears,スローテンポで重厚感のある、まるで SYMPHONIC MANOWAR#11. Sad Mystic Moon

作曲面における Luca Turilli (Gt) の功績がどれほど絶大であったかを証明するかのようなアルバム。クサメロ爆発なイントロはフツーなリフに変わり、劇的な展開はシンプルに。オーケストレーションは薄っすら。Fabio Lione の歌唱は伸びやかで素晴らしいものの、オペラ歌唱やグロウルはなく少し物足りない。しかし、まさかここまでハッキリと音楽性が分かれるとは思ってなかった。

「こってり味噌ラーメン」から「あっさり減塩ラーメン」か。

評価:62

ROYAL HUNT / A Life to Die For

ROYAL HUNT / A Life to Die For
Release : 2013
Label : Frontiers

ROYAL HUNT の 12th アルバム。


壮大な9分半の大曲 #1. Hell Comes Down from Heaven,メロディックな唄メロと女性シンガーがいい味を出している #2. A Ballet’s Tale,キャッチーだが、既視感の強い #3. One Minute Left to Live,韓国ドラマ辺りを彷彿させる哀愁メロとクラシカルなギターソロが堪らない #5. Sign of Yesterday,エンディングの D.C. Cooper のオペラ風歌唱が素晴らしい #7. A Life to Die For

前作のほぼ延長上のサウンド。新鮮味は皆無。D.C. の声に合わせるとこうにしかならないのかもしれないけど…。個人的にはミックスで凄く損してるような気がする。まぁ、リーダーは Andre Andersen だし、キーボードの音がデカイのはい方ないか。

評価:66

SAXON / Sacrifice

SAXON / Sacrifice
Release : 2013
Label : Udr

SAXON の 20th アルバム。


重厚かつアップテンポに攻める、ライヴ受けの良さそうな #2. Sacrifice,いかにも彼ららしいタイトルの疾走曲 #4. Warriors of the Road,旅館のBGMを彷彿させるようなイントロから、年季の入った渋いパワーメタルを聴かせてくれる #5. Guardians of the Tomb,ブリッジでコール & レスポンス風に入ってくるギターが素敵な #6. Stand Up and Fight

前作で復活を覗かせた、若々しさと “初期っぽさ” は影を潜め、地味さが増してせいか少し落ち着いた印象が強い。曲も安定していると言えばそうだが、もう1曲くらいパワフルな曲があれば良かったかも。

評価:44

SILENT FORCE / Rising from Ashes

SILENT FORCE / Rising from Ashes
Release : 2013
Label : Afm

メンバーを一新した SILENT FORCE の 5th アルバム。


YNGWIE MALMSTEEN タイプの疾走曲 #1. Caught in Their Wicked Game,レース中のBGMに使われそうなシンセが印象的な #5. Before You Run,既視感全開なリフが潔い #10. Kiss of Death

メンバーが変わって、D.C. Cooper 在籍時とは違うバンドになった。でも、これなら VOODOO CIRCLE 名義でもいいような…。
中心人物の Alex BeyrodtMat Sinner 人脈をフル活用して活動の幅を広げているみたいだが (PRIMAL FEAR, SILENT FORCE, SINNER, VOODOO CIRCLE) 、ただでさえ金太郎飴気味なのに、掛け持ちしすぎて更にネタ切れにならなきゃいいけど…。

評価:49

SIRENIA / Perils of the Deep Blue

SIRENIA / Perils of the Deep Blue
Release : 2013
Label : Nuclear Blast

ノルウェー産ゴシック・メタルバンド、SIRENIA の 6th アルバム。


大仰なクワイアとグロウル、スラッシュ・メタルみたいな演奏に Ailyn のオペラチックな歌唱が乗る #2. Seven Widows Weep,北欧らしい寒々しいサウンドの #3. My Destiny Coming to Pass,ゲストの男性シンガーがメインで唄う #4. Ditt Endelikt,エレクトロ要素が印象的な #7. Decadence,アートワークのような情景を思わせるドラマチックな #9. The Funeral March,巧みなアレンジを詰め込んだ劇的な #11. A Blizzard is Storming

Ailyn 加入から前作までの2枚と違い、シンフォニックなアレンジが際立っていて、WITHIN TEMPTATION なんかのポスト NIGHTWISH 勢に近づいたような印象。

前作の Winter LandThe Lonely Lake みたいなキャッチーでほのかにクサめなメロディが全くないのと、Vo ラインが今までよりも高音域よりで、個人的には Ailyn の声はもう少し低いところが魅力的だと思っているので、その2点は残念。

評価:54

STEVEN WILSON / Raven That Refused to Sing

STEVEN WILSON / Raven That Refused to Sing
Release : 2013
Label : K-scope

Steven Wilson (PORCUPINE TREE) のソロ 3rd アルバム。


軽快なリズムで始まるや、フルートが漆黒のプログレ・ワールドの門を開いたかと思えばジャズ・ロック風のリフでヘッドバンギングを誘い、PINK FLOYD よろしくのトリップ感をまき散らし、ピアノの幽玄な調べと共に再び暗黒世界に戻る #1. LuminolOPETH / Damnation 風の物静かで優しいメロディ、エンディングのエモーショナルなギターソロが素晴らしい #2. Drive Home,英国ブログレ要素を詰め込めるだけ詰め込んだような KING CRIMSON 風の #3. The Holy Drinker,3拍子の(このアルバムの中では)シンプルで分かりやすい部類でサックス・ソロが素敵な #4. The Pin Drop,曲全体がアルペジオのステージの上で劇を行っているかのような雰囲気の #5. The Watchmaker,優しい音でいかにもエンディング的な雰囲気と安らぎを感じさせる #6. The Raven That Refused to Sing

ここ数作で彼の作ったアルバムの集大成のような世界観。幽玄で美しい漆黒の世界へと旅立たせてくれる最高クラスのプログレッシヴ・ロック・アルバムだ。

ところで、ドラムが余りにも変態的だと思ったら Marco Minnemann 、リードギターのエモーショナルさが尋常じゃないと思ったら Guthrie Govan だったという…。凄まじいメンバーだ。

評価:92

STONE SOUR / House of Gold & Bones Part 2

STONE SOUR / House of Gold & Bones Part 2
Release : 2013
Label : Roadrunner

STONE SOUR の 5th アルバムにして、前作から続くコンセプトの後編。


Part 1 は 「PINK FLOYD + ALICE IN CHAINS」の後者が強めだったが、この Part 2 は 前者が強い印象。前半の鬱々とした感じは The Wall 以降の PINK FLOYD のイメージそのもの。

ダークかつパワフルに聴かせる哀愁の唄メロが絶妙な #14. Sadist,アレンジが相当ごり押しに感じる #16. Stalemate#3. A Rumor of Skin の メロディが顔を出す #21. Do Me A Favor#2. Absolute Zero と対をなす #23. The House of Gold & Bones などは抜き出して聴きいても強力な名曲だし、もちろん他の曲も素晴らしいのは言うまでもない。

Part 1,2 共に素晴らしいアルバムだ。…というか曲のナンバーもつながってるし、本来2枚組としてあるべきアルバムだろう。Part2は1と比べて失速するので、聴く人によっては評価が下がるかもしれないが、個人的にはどっちがいいかは選べないね。

買ったのは輸入盤なので、もしコミック版が翻訳されたら(というか、翻訳してください)購入したい。

評価:95

STRATOVARIUS / Nemesis

STRATOVARIUS / Nemesis
Release : 2013
Label : Eagle Rock

Jorg Michael の後任に Rolf Pilve (Dr/STATUS MINOR) が加入し、平均年齢がまた若返った STRATOVARIUS の 14th アルバム。


アップテンポにドライヴし、ギターとキーボードのテクニカル・ソロ・バトルが聴ける #1. Abandon,いかにも北欧っぽい音色のキーボードとパワフルなバッキングでメロディアスな唄メロを飾る #2. Unbreakable,モダンに始まってサビで重厚なクワイアを聴かせる #3. Stand My Ground,トランス風のキーボード・アレンジとキャッチーでポップな唄メロの調和が絶妙な #4. Halcyon Days,透明感のあるイントロが北欧らしいメロディック・メタルな #5. Fantasy,ゆっくりとネオ=クラシカルな調べを聴かせてくれる #7. Castles in the Air,テンポとザクザク刻むバッキングの対比が面白い #8. Dragons,いかにも北欧産っぽいバラード #10. If the Story is Over,シンプルなパワーメタル #11. Nemesis

Timo Tolkki 脱退以降はバンド名が同じだというだけで違うバンドだと思ってきたけど、今回それがやっと鮮明になった感じがした。ツーバスをドコドコしながら疾走する曲が(本編に)1曲もないのが少し悲しい気もするが、これで Tolkki の呪縛からはほぼ解放されたと言っていいような気がする。願わくば、この変化が SONATA ARCTICA と同じにはなならいよう祈るのみ。

メロスピ・ファンが喜びそうな裏打ち疾走曲はボートラの Kill it with Fire だけなようなので、そっちが聴きたい方は日本盤を。iTunes でも「アルバムのみ」扱い。

評価:74

STRYPER / No More Hell to Pay

あああ
Release : 2013
Label : Frontiers

クリスチャン・メタル・バンド STRYPER の 8th アルバム。


スローテンポで重厚に聴かせる #1. Revelation,初期の彼らを彷彿させる、いかにも 80’s なミッドテンポの #2. No More Hell to Pay,イントロのシャウトから疾走感とともに一気に畳み掛ける #3. Saved by Love,ゴスペル・ソングのカバー。今まで何故この曲をやらなかったのか不思議なくらいバンドに合っている #4. Jesus is Just Alright,しっとりとしたメロディが沁みるロック・バラード #5. The One,Michael Sweet のキレのあるハイトーンが冴える #6. Legacy,ライブ中・後半でのコール&レスポンスで盛り上がりそうな #7. Marching into Battle,パワーメタリックなアップテンポのラヴ・ソング (しかし、何故あえてスペイン語なのか…) #8. Te Amo,王道 80’s L.A.METAL な #10. Water into Wine,サビのコーラスが美しい #11. Sympathy,リフでパワフルに攻める #12. Renewed

再結成後のアルバムではダントツの最高傑作。前作のレビューで「今さら初期の音を期待しても…」なんて書いたが、これはまさに 80’s のサウンド。これこそファンが待ち望んでいたサウンドだと思う。(LoudPark で見た時にも思ったが) 衰えを感じさせない Michael Sweet 喉も流石の一言。

是非とも次は単独での来日公演を期待したい。

評価:87

THE POODLES / Tour De Force

THE POODLES / Tour De Force
Release : 2013
Label : Frontiers

THE POODLES の 5th アルバム。


アップテンポでキャッチーにドライヴする #1. Misery Loves Company,ウェット感のあるメロディとヴィンテージなリフが印象深いアリーナ・ロック・ナンバー #2. Shut Up!,重く跳ねるリズムがいい味を出す #4. Viva Democracy,程よい哀愁が胸を突くバラード #6. Leaving the Past to Pass,哀愁メロを爽やかにドライヴさせる、いかにも彼ららしい (3rd の 7 Days & 7 Nights は無関係?) #7. 40 Days & 40 Nights,80s な風を封じ込めた #8. Kings & Fools,北欧らしいアレンジが耳を引く #11. Now is the Time,2013年アイスホッケー世界選手権大会のスウェーデンチーム・オフィシャル・テーマ曲らしい #13. En For Alla For En

北欧哀愁メロハーから少しダークになっているのは前作同様だが、メロディのキャッチーさは勿論、持ち前のアリーナ・ロック的な要素が復活している。捨て良くらしい曲も見当たらず、絶妙な曲順も相対して実に見事なアルバムだとしか言いようがない。ただ、やはり爽やかな哀愁メロハー路線の曲がもう1曲は欲しいところ。

評価:82

THE WINERY DOGS / The Winery Dogs

THE WINERY DOGS / The Winery Dogs
Release : 2013
Label : Loud & Proud

Mike Portnoy (Dr/ex-DREAM THEATER),Billy Sheehan (Ba/MR.BIG),Richie Kotzen (Vo,Gu/ex-MR.BIG) によるスーパートリオ・バンド THE WINERY DOGS の 1st アルバム。


オープニングを飾るキャッチーでスリリングな #1. Elevate,ロック・バーでかかったら最高そうなバラード #13. Regret

Richie Kotzen はブルージーなリックは流石だし(しかも指弾き!)、歌も十分以上に上手い。Billy Sheehan は相変わらずジャズ系、ギター風のアプローチが素晴らしい。Mike Portnoy の歌うリズムは要塞のようなセットではないシンプルなセットにも関わらず生き生きしてる。

ただ曲が…。こんな凄い人達が集まってるのに、曲は Richie Kotzen のソロ・アルバムみたいなのがね…。

評価:51

TIMO TOLKKI’S AVALON / A Metal Opera – The Land of New Hope

TIMO TOLKKI'S AVALON / A Metal Opera - The Land of New Hope
Release : 2013
Label : Frontiers

Timo Tolkki (ex-STRATOVARIUS) のメタル・オペラ・プロジェクト、TIMO TOLKKI’S AVALON の 1st アルバム。


ゴージャスなオーケストレーションの大曲志向な感じだが、意外とコンパクトな #1. Avalanche AnthemREVOLUTION RENAISSANCE / Last Night On Earth 直系のシンプルな #2. A World Without Us,Tony KakkoRob Rock の声質が以外と似ているのだと気付かせられる #5. We Will Find A WayElize RydAMARANTHE では聴けないような堅実かつパワフルな歌唱が聴ける #6. ShineSTRATOVARIUS 時代のように、シンガーに無理なハイトーンを強要し Jens Johansson が彼らしいソロを弾く疾走曲 #8. The Edge of the NightGary Moore を彷彿させるメロディのバラード #9. I’ll Sing You HomeMichael Kiske が唄う、いかにも Keeper of the Seven Keys な展開の #10. The Land of New Hope

REVOLUTION RENAISSANCE の 1st をゲストとオーケストレーションでゴージャスに盛ってみました」ってな印象。メタル・オペラということで、豪華なシンガーが顔を揃えているものの、メインとなるのは Rob RockElize Ryd の2人と1曲のみだけどフルに唄ってる Michael Kiske で他はちょい役程度。どうせならもっとフィンランド人脈を使えばいいのに…。

コンセプトと契約?は3部作らしいんで、精神の安定しているうちに次を作り始めてください。

評価:60

TRIVIUM / Vengeance Falls

TRIVIUM / Vengeance Falls
Release : 2013
Label : Roadrunner

TRIVIUM の 6th アルバム。


いかにも US METAL なグルーヴ重視なリフとキャッチーな唄メロが調和する #1. Brave This Storm,ツインのリードから格好よく流れこみ、牧歌的メロディも聴ける #3. Strife,北欧メロデス系のリフが心地よい #5. To Believe

その後も彼ららしい曲が続くも、なんかどの曲も似たり寄ったりに聴こえ、唄メロにもいまいち説得力が感じられない。全体的なクオリテイは高いけど、通して聞くと飽きるかも。1,2曲でも系統の違う曲があればいいのかもね。

評価:54

TURISAS / Turisas2013

TURISAS / Turisas2013
Release : 2013
Label : Century Media

フィンランド産バトル・メタラー TURISAS の 4th アルバム。


シンプルだがクサいメロディを着実に聴かせる #2. Ten More Miles,ゲームのバトル・テーマみたいな #3. Piece by PieceENSIFERUM みたいな牧歌的メロディが印象的な #4. Into the Free,芝居がかってて、もはやミュージカルな #9. We Ride Together

前作がコッテリ味噌ラーメンだとしたら、今作はさっぱり薄味塩ラーメン。メロディのクサさは相変わらずだし、若干パンクっぽいノリもそのままなんだけど、とにかく薄い。音もアレンジもシンプル過ぎて、凄く物足りない。ライブで再現するならこのくらいのシンプルさがいいんだろうけどね。

評価:52

W.E.T. / Rise Up

W.E.T. / Rise Up
Release : 2013
Label : Frontiers

メロディアスハード・プロジェクト、W.E.T. の 2nd アルバム。


重みのあるリフと大衆受けの良さそうなメロディがいかにも欧州人向けな #1. Walk Away,そんな #1 を幾分かソフトにして Erik も唄うキャッチーな #2. Learn to Live Again,産業ロックよろしく、なタイトル連呼型の #3. Rise Up,前作にも似たような曲があった気がする、普遍的なロック・バラード #4. Love Heals,ライヴ受けの良さそうなロック・ナンバー #7. Bad Boy,少々モダンながら ECLIPSE 風味が強い唄メロを持つ #8. On The Run,スケールの大きい唄メロが印象的な #10. Shot,ドラマのエンディングに合いそうなバワー・バラード #11. Still Believe in Us,なぜアルバムの前半じゃないのかが謎なメロハーのお手本のような #12. Still Unbroken

このプロジェクトの水準を満たすクオリティのコンパクトな曲を集めて収録しましたって感じか。前作と比べて [W] の割合が減って [T] の比率が上がったような気もするが、それがプロジェクトからバンドに変わるための一つのプロセスだとしたら喜ばしいことだと思う。[W] の人がマイペースなだけかも知れないけど。それと、相変わらずこれといったキラー・チューンがないのは少し気になるところ。

ボートラの様式美疾走チューンが聴きたい人は日本盤買いましょう。

評価:78


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