- 2010.01.25 : IHSAHN / After
- 2011.09.26 : PAIN OF SALVATION / Road Salt Two
- 2009.04.22 : PLACE VENDOME / Streets of Fire
- 1975.09.17 : SCORPIONS / In Trance
- 1976.03.24 : SCORPIONS / Virgin Killer
- 1993.08.25 : X JAPAN / Art of Life
Search for ‘94’
IHSAHN / After
Release : 2010
Label : Candlelight
EMPEROR の遺伝子を受け継ぐ Ihsahn のソロ、3rd アルバム。
前作、前々作を彷彿させるプログレッシヴな展開が魅力的な #1. The Barren Lands,強烈なトレモノ・リフからブラスト・パートへ雪崩れ込み、サクソフォンが絶妙な暗黒美を感じさせる #2. A Grave Inversed,前作で感じられた “OPETH / Damnation” 風味をさらに独自のセンスで消化したかのような構築美が素晴らしい #3. After,Dave Mustain もビックリのインテクチュアルなリフを展開場所によって変化させているそのセンスに脱帽させられる #4. Frozen Lakes on Mars,超 OPETH タイプの大曲 其の1。テーマとなるメロディを怪しく奏でるサクソフォンが素晴らしく、静と動に分れた展開も見事な #5. Undercurrent,70年代のサイケなプログレを彷彿させる #6. Austere,プログレッシヴな浮遊感を組み込んだ展開が素晴らしい #7. Heavens Black Sea,そして #5 と双璧をなす圧巻の大曲 #8. On the Shores と当アルバムも “当然のように” 捨て曲なしの名盤だ。
若干サクソフォンを使い過ぎてる気もするが、アルバム全体から見ればそう多いわけでもないし、絶妙なアレンジなので聴いているうちに耳に馴染んでくる。その点は流石だとしか言いようがない。さらに、前作で強く感じられた OPETH 風味も完全に自分の世界観にしてしまったいるのが凄い。いやぁ、判ってはいたもののここまでいいアルバムとはね。恐れ入った。
しかし、ここまで名盤を連発してるのに来日公演がまだないなんて…。信じられない事だな。
評価:94
PAIN OF SALVATION / Road Salt Two
Release : 2011
Label : Century Media
PAIN OF SALVATION の 8th アルバム。
前作 Road Salt One の続編なので、サウンド的な変化はない。新作は Metal っぽさが上がるとかという噂があったようだが、前作同様 70’s プログレッシヴ・ロックをモダンにしたような音だ。
コンセプト・アルバムらしくインスト #1. Road Salt Theme で始まり、そのテーマ・メロディを軸に展開する #2. Solftly She Cries,ブルージーなリフが印象的な #3. Conditioned,リュートかシタールのような弦楽器の裏でドコドコ叩きまくる #4. Healing Now,民謡調メロが堪らない #5. To the Shoreline,優しいメロディを軸に民謡メロを奏でる笛が悶絶必死の #7. 1979,変拍子リフを中心にした8分越えのプログレ・チューン #11. The Physics of Gridlock,そしてコンセプトを締めくくるインスト #12. End Credits で幕を閉じる。
全ての曲に隙がなく、全てが必然。前作の様な PINK FLOYD 的浮遊感がなくなったのは残念だが、聴く度に新たな未開の音楽への旅へと導いてくれるこの音楽性こそが PAIN OF SALVATION の魅力なのであろう。
海の向こうでは OPETH とツアーしてるらしいが、何故そのまま一緒に来てくれないのか!!
評価:94
PLACE VENDOME / Streets of Fire
Release : 2009
Label : King
伝説の人 Michael Kiske の為の AOR プロジェクト PLACE VENDOME の 2nd アルバム。
#1:美しいピアノの調べから哀愁のメロディへと流れる。前作の1曲目と同様、ハード・ロックよりな曲。 #2:Frontiers 御用達、Magnus Karlsson 作曲の素晴らしい曲。 #3:まさに AOR な美しい曲。珍しくファルセットを使っている。 #4:前作における “I Will be Waiting” な位置づけかな。 #5:CASTING CROWNS というバンドのカバー。原曲のポスト・グランジっぽさを払拭する Kiske とバックの面々は見事だね。 #6:前作の Place Vendome に通ずる明るいアップテンポの曲。 #7:HR/HM 畑のミュージシャンは絶対に書きそうにないソフトなタッチのロック。 #8:北欧ロック風のアレンジが美味しい佳曲。Kiske、ハイトーン余裕じゃないか・・・。 #9:前作の “Right Here” 系の曲。 #10:一般受けの良さそうな明るいロック・ナンバー。こういうポップなセンスは好きだな。 #11:まさに AOR な大人な曲。 #12:あまりに感動的で劇的な悶絶必死バラード。SOLEIL MOON というバンドのカバーだが、軽く原曲を超えている。素晴らしすぎる。 #13:#2 のアコースティック・バージョン。俺はこっちの方が好き。
外部ライターを採用したにも関わらず、前作と変わらないクオリティの曲を聞かせてくれるのは流石。Frontiers 社長の選曲力とバックのアレンジの貢献度は大きい。それでもやはりキモになるのは Kiske の歌唱で、全盛期と変わらない素晴らしさを保っているのは素晴らしいとしか言いようがない。本人はソロでのライブを先にしたいようだが、PLACE VENDOME としての来日を期待せずにはいられない。( もしソロで来日したとしても100%行くけどね。)
評価:94
SCORPIONS / In Trance
Release : 1975
Label : BMG
ドイツの老舗 HR バンド、SCORPIONS の 3rd アルバム。
#1、Uli 作曲。Klaus Meine の凄まじいスクリームが印象的だね。 #2、Kiaus の声とバンドの持つセンス ( てか、Rudolf Schenker の作曲センスか・・・ ) 、素晴らしいね。 #3、凄い哀愁。これぞ SCORPIONS だな。 #4、狂気のソロが素晴らしい。流石 Uli Roth 。 #5、イントロのギターメロが最高。 #6、Rudolf の十八番。キャッチーなサビがいいね。 #7、ラストのソロは凄い。泣きまくり。唄メロは後に尾崎さんにパクられ・・・。 #8、神よ、仙人よ、なぜ貴方は唄ってしまったのか・・・。しかも唄メロをなぞるだけのリードだなんて・・・。 #9、リズムギターは Rudolf に任せて自分はソロだけ弾いてる Uli ・・・。でもそのソロが素晴らしいんだよな。 #10、Uli のインスト。
Mr. 哀愁 HR バンド万歳。Uli Roth が唄ってしまっている #8 以外一切の隙なし。てか、Uli Roth の曲は唄メロよりも自分のソロに重点が置かれてるから、これが Uli マニアには堪らんのよねぇ。マニアじゃない人は -30 くらいが丁度良いいと思う。
評価:94
SCORPIONS / Virgin Killer
Release : 1976
Label : BMG
ドイツの老舗 HR/HM バンドの 4th アルバム。HR/HM ファンでなくてもジャケだけは知名度があるんだよね・・・(笑)
#1、Klaus の綺麗なトーンとエモーショナルな Ulrich Roth のギターが魅力的な名曲。 #2、キャッチーなサビメロが美味しいね。泣きのギターソロは流石としか言いようがないな。 #3、元祖哀愁 HR だね。 #4、バッキングに時代を感じます。まぁ、それがいいんだが。 #5、HR/HM 界屈指の名リフ、名曲。ぶち切れテンションの Vo を披露する Klaus が素晴らしいよ。勿論ギターソロも最高。 #6、コミカルな曲だな。しかし何故、彼は唄ってしまったのか・・・。いや、俺は好きだよ、この曲。 #7、これまた哀愁を振りまく佳曲。魂の篭ったソロは相変わらず素晴らしいです。 #8、だから何故、彼に唄わせてしまったのか・・・。これ、Klaus が唄ってたらかなり良くなってたと思うんだけど。 #9、Rainbow / Rainbow Eyes と並んで催眠作用のあるであろう曲。魂持ってかれそうになります。
HR/HM の歴史的名盤でしょう (もう一つの意味でも) 。仙人が唄ってしまった曲を含めても捨て曲なしの名盤だと言える。
評価:94
X JAPAN / Art of Life
Release : 1993
Label : East West Japan
海外進出の為 ( 同名のバンドが海外にいた為 ) X JAPAN に改名。ベースが Taiji から Heath に。そして作られた Yohiski の半生を描いた壮大な大曲。
#1、世界には多くの長い (メタルの) 曲があるが、それらと比べても引けを取らないどころか軽々しく飛び越えてしまう。そんな29分。 アコースティックなイントロからは生命の息吹の様な印象を感じる。そして劇的なパワーメタルへと変わり綺麗なオーケストレーションの中を疾走する。サビメロ1の高揚感といったらもう、堪らない。 ハープシコードの後の大サビはただ目を閉じてそのメロディに酔いしれるだけだ。そして、次のギターメロ ( 9:42~11:37 ) 。これカッコ良すぎ。 Silent Jealousy のソロに匹敵する。裏のオケアレンジも最高。そんで 11:38~11:48 の神パート。これ最高。そんな神懸ったパートの直後、オケアレンジはそのままに唄メロが入ってくるところなんて泣くわ。 そして・・・狂気のピアノソロ。ファン以外には無駄パートとしか思えないココも、ファンにとっては一音すら聴き逃せない。16:31~23:00 の鍵盤を叩きまくるメロディは最高だ。そして、バンドが入ってきたところでガッツポーズ。「やっと終わったぁ」なんて微塵も感じない。 また、ピアノソロの空気から戻った後は何か凄く心地いい。土砂降りの空が一気に晴天へ変わったかのように感じる。そしてメインメロ・・・。もう、この感動を言葉でどう表現したらいいか判らない。 ただ・・・ただ・・・終わり方だけは疑問を感じる。もっと何か劇的なラストになっていれば・・・。う~ん、コンセプトが半生だからこれでいいのかもしれないな。うん。納得 (早っ)。
奇跡の名曲。これ以上の芸術性のあるメタル曲がこの世に存在するなら誰か教えてくれ。
評価:94