- 1999.05.21 : ARCH ENEMY / Burning Bridge
- 2009.10.06 : ARCH ENEMY / The Root of All Evil
- 2006.03.10 : CHARON / Songs for the Sinners
- 2001.10.24 : KAMELOT / Karma
- 2011.10.04 : OPETH / Heritage
- 2010.05.14 : PRETTY MAIDS / Pandemonium
- 2012.09.24 : PRIDE OF LIONS / Immortal
- 1998.11.11 : RHAPSODY / Symphony of Enchanted Lands
- 2009.06.02 : ROSWELL SIX / Terra Incognita
- 2010.09.17 : THE MAN-EATING TREE / Vain
- 2006.05.10 : THE POODLES / Metal Will Stand Tall
Search for ‘78’
ARCH ENEMY / Burning Bridge
Release : 1999
Label : Toy’s Factory
スウェーデン産デス・メタルバンド ARCH ENEMY の 3rd アルバム。
#1、アグレッシヴに刻み込むギター、ミドルレンジで押す Vo、両者のハーモニーは素晴らしい。そのアグレッシヴさからは想像も出来ないエモーショナルでキャッチーなギターソロ。ワウペダルの使い方も抜群。 #2、#1 に似たリフから泣きのギターがまでもが炸裂するイントロで既に放心状態。テンポアップで爆走する様は見事。 #3、このキャッチーなギターメロを誰がデスラッシュだと思うだろうか?手際よいテンポチェンジも流石の一言。 #4、しキャッチーなギターソロは聴きどころ。まさに日本人好み。 #5、アグレッシヴさを前面に出している。と思いきやまたもやキャッチーなギターソロ。必然なんだろうか? #6、刻みが単調でつまらん。ギターソロは相変わらずかっこいいが。 #7、イントロから炸裂する馴染みやすいメロディが特徴的。そしてなんと言っても後半の劇的ギターメロ。最高。 #8、インストみたいなもん。 #9、攻撃的且つ叙情的なメロディが美味しい。ここまでこの2つが調和する曲も珍しい。かっこ良過ぎ。 #10、やはりギターソロのキャッチーさが売り。四季/冬に似たラストのソロは素晴らしいね。
なんと言っても Amotto 兄弟の奏でる超級ギタープレイに限る。攻撃的でありエモーショナルであり・・・。IN FLAMES や DARK TRANQUILITY のそれを遥かに上回るメロディセンスは疑う余地がない。ただ、音が少し安っぽい気がするのは気のせいか・・・。
評価:78
ARCH ENEMY / The Root of All Evil
Release : 2009
Label : Century Media
ARCH ENEMY の Johan Liiva 時代の初期3作を現ラインナップでリ・レコーディングした企画盤ベスト・アルバム。
#6,8,10,11:Black Earth
#2,4,13:Stigmata
#3,5,7,9,12:Burning Bridge
チューニングが半音上がったおかげかギター、ベースの音がかなりクリアで聴きやすくなり、Michael Amott のソロにいくらかの変更が見られる。Angela の Vo はモタリ気味で吐き捨てるタイプの Johan よりもリズムに忠実で整合性が取れているのが良い。この2つが原曲との大きな違いかな。ただ、どちらも聴きやすいという半面、ブルータルな攻撃性が失われてしまっているのが残念だ。
初期3作を聴いたことがない人と Johan の Vo に満足できない人向け。俺は Johan 時代のが好きだけど、音がクリアだからどうしてもこっちをかけてしまうという、Amott 兄さんの策略にまんまとハマってます (笑)
Fields of Desolation もやってほしかったと思ってるのは俺だけじゃないよね…。
評価:78
CHARON / Songs for the Sinners
Release : 2006
Label : Experience
フィンランドのメランコリック・ゴシック・メタルバンド CHARON の 5th アルバム。
#1、いきなりの女声で「あらっ」となるが、そこに空かさず現れる Mr. 色気 Singer Juha-Pekka leppäluoto が素晴らしい。 #2、いい感じのリフだね。シンガロングを誘いまくるサビが美味。 #3、チェロの陰鬱イントロがいいなぁと思うも、全体的にメロディが弱い気がしてならない。 #4、シンガロングとエアプレイを誘うサビメロがいいわ。抜群のタイミングで切り込んでくるギターも生唾もの。 #5、典型的ゴシックチューンが並んで 「そろそろミドルかバラードが聴きたいな」 というリスナーの衝動を 「ふははは、見切った!」 と言わんばかりに、ピンポイントにバラードを入れてくるセンスに万歳。 #6、効果的に女声を絡ませてくるな。バラードの後だからこの曲にしたってんなら素晴らしいね。 #7、メロディアスなリフがカッコ良すぎ。Bメロまではなかなか良いな、とは思うがサビが弱い。 #8、ちょっとダレてきたかな? まぁ悪い曲ではないんだけどね。 #9、ギターソロのセンスいいな。 #10、このアルバムの使った手法を駆使したであろう曲。哀愁と慟哭さを撒き散らすようなギターソロは圧巻。 #11、ボートラ。この曲を本編に収録すればいいのに・・・。 #12、ボートラ。なぜこれがボートラなんでしょうか? アルバム中一番冴えてるよ、ギターソロ。 #13、ボートラ。これも、本編に入ってない理由が知りたい。
昨今、HIM,THE RUSMAS などを筆頭にゴシック・メタル流行の波が来てるが、なぜこのアルバムが長い間日本盤が出なかったのか不思議でならない。同型の音楽性を持つ HIM と比べてみると、唄メロの充実度やギターの貢献度を考えれば明らかにこっちのが上なんじゃ・・・。ただ、いい曲が並びすぎてるせいか、一発がないかも。
評価:78
KAMELOT / Karma
Release : 2001
Label : Victor
前作で脅威の名曲を生み出した多国籍メタルバンド KAMELOT の 5th アルバム。
#1、お得意のインスト。笛の使い方が前からあんまり変わってない。 #2、メロディアスなリフ。でもこの曲 ( クラシックの ) カバーなんだよね。名前は忘れたけど。 #3、キャッチーなサビメロがいい。随分成長したな・・・。 #4、これも彼らの十八番である妖艶なメロディ。コレも KHAN の実力の賜物。 #5、KAMELOT 史上最高傑作バラード。 #6、最初のピアノメロが印象的。メロディアスなサビメロが良い佳曲。 #7、前半の曲ほどではないものの、展開美に優れた佳曲。 #8、#5の出来が良すぎて隠れてしまっているバラード。実際#5には遠く及ばない。 #9、イントロは良かったがちょっとメロディが煮え切らなくなってきた。 #10、悲壮感と恐怖感を上手く描写した感じ。 #11、ゲスト参加のオペラ歌手に拍手。上手すぎ。 #12、スネア表打ちだが、かなりの疾走感を感じる曲。Voの定位移動もいい感じ。ギターメロに前作の “The Fourth Legacy” らしき箇所が見られる。 #13、日本版ボーナストラックだが、これがまたなかなかの名曲。
前作でも才能の芽が見え始めていたが、それが一気に開花したようだ。しかし何より筆頭すべきは KHAN の声質が全ての曲において生かされていると言う事だ。特に #5 は素晴らしい出来。
評価:78
OPETH / Heritage
Release : 2011
Label : Roadrunner
OPETH の 10th アルバム。
グロウルを排除したという事前情報と、どこからともなく聴こえてきた “Damnation っぽい” という声に、 “OPETH で一番好きなアルバムは誰が何と言おうと Damnation” な俺は、並々ならぬ期待を膨らませていたわけだけど、そんな俺の浅はかな期待を Mikael Åkerfeldt は見事に打ち砕き、実はというと、さらにその斜め上辺りにいたようだ。
Mikael のヴィンテージ・レコード収集癖はファンなら皆知っているだろうが、そこからも想像できる彼のルーツを、ついに OPETH でやってしまった、という印象。サウンドも全く現代的ではなく、まるでレコードのようなウォームで暖かい音だ。まぁ、そこらへんのテクニカルな事は、共同プロデューサーで同じくプログレ・ヲタク仲間でもある Steven Wilson の手腕によるところか・・・。ただ、やはり気になってしまうのは、Ronnie James Dio に捧げた “Kill the King の OPETH 的解釈” な #3. Slither だ。ソロとか、まんま Ritchie Blackmore じゃん・・・。何もここまでやらんでも。
この変化は賛否両論あるだろうけど、個人的には素晴らしい変化だと思うね。メタルな要素も残ってるし・・・。まぁ、プログレッシヴ・メタルを聴いてプログレの何ぞやを知ってるようなフリしてた人たちは、もしかしたらこのアルバムで離れていくのかもしれないけど、このアルバムからプログレのルーツに遡っていくってのもアリだと思うよ。
評価:78
PRETTY MAIDS / Pandemonium
Release : 2010
Label : Frontiers
PRETTY MAIDS の 12th アルバム。
キーボードを使ったリフが初期を彷彿させる #1. Pandemonium,シングル・ヒットを狙えそうな程メロディアスな #2. I.N.V.U,極上のメロディアス・ロック #3. Little Drops of Heaven,初期を彷彿させるイントロと素晴らしい唄メロを持ったリーダー・トラック #4. One World One Truth,哀愁 AOR な #5. Final Day of Innocence,キャッチーな唄メロがヘッドヴァンギングを誘発する #6. Cielo Drive,映画のサントラにも使えそうなスケールの大きさをもつ #7. It Comes at Night,哀愁のメロディが心にしみる #8. Old Enough to Know,Frontiers Records タイプド真ん中な (笑) #10. Breathless 。と、疾走曲こそないものの、ほぼ全曲いい曲じゃないか。
初期の音楽性が戻ってきたっていうのは100%言い過ぎだと思うけど、ここ数作で模索してきた音楽性はここに来てやっと実を結んだと言ってもいいだろうね。久々の会心作だ。
評価:78
PRIDE OF LIONS / Immortal
Release : 2012
Label : Frontiers
PRIDE OF LIONS の 4th アルバム。
一聴して Jim Peterik だとわかる #1. Immortal,落ち着いた曲調と二人のツイン・ボーカルが素晴らしい #2. Delusional,泡やかな風を感じるメロディが秀逸な #4. Shine On,絶妙すぎるオブリガードを隙あれば切り込んでくるギターが素晴らしい #8. Vital Signs,彼ららしさ全開の爽快で熱情的なメロディとツイン・ボーカルの対比が美味すぎる #11. Ask Me Yesterday 。
Jim Peterik と Toby Hitchcock がそれぞれに活発な課外?活動をする中、このプロジェクトが誕生した時ほどの重要性は保てていないような気がするが、ほかの作品が哀愁強めの欧州型メロハーなのに対し暖かくて爽やかな北米型のメロハーだという点で存在感は維持できている感じか。相変わらず曲の出来は高水準で捨て曲らしい曲が全く見当たらないのは流石としか言いようがない。
評価:78
RHAPSODY / Symphony of Enchanted Lands
Release : 1998
Label : Victor
イタリアのシンフォニック・RPG・メタル・バンドの 2nd アルバム。
#1、インスト。 #2、やばい程のかっこよさです。ここにある種のRPGメタルは極まった。 #3、#2 のせいであまりにも影が薄いけど、結構いい曲。 #4、鳥、馬、笛、おっさんの為のインスト。なのかどうかは知らん。 #5、唄メロがまたしても単調ですね。判りやすい。展開がつぎはぎなのは前作譲りか・・・。 #6、#5 が比較的長い曲だったので短くして欲しかった。ギターソロがなかなか面白い。 #7、笛、ピアノを使ったバラード。前作にもあったね、こんなの。 #8、引用元がいまいち思い出せないが、ヴィヴァルディかな?アレンジは素晴らしいんだからさ。もうちょっとねぇ。 #9、前作と同様 #9 にいい曲を持てきたのか?と思わせるほど。ぶっちゃけてしまえば、#2よりこっちのが好き。飛翔感のあるストリングスが、「飛んでいいよ~」みたいに聴こえて・・・。RHAPSODYって、無駄に装飾を付けまくるよりも、ある程度ストレートな曲の方がいい気がするんだよね。 #10、Fabio Lione の感情篭りまくりの歌唱が素晴らしい。
随分とクラシカルなアプローチが増えた。#2. Emerald Sword がいいのは当然だけど、個人的には #9 の方が・・・。
評価:78
ROSWELL SIX / Terra Incognita
Release : 2009
Label : Progrock
STAR WARS のスピンオフも書いてる SF 小説家 Kevin J. Anderson の小説と連動したロック・オペラ・プロジェクト ROSWELL SIX の 1st アルバム。
#1:オルガン・ソロのイントロが美味しい大曲。ロック・オペラ。疾走するクサメロ・パートが素晴らしいね。 #2:キーボードの宇宙的シンセ音中心の様式美ハードロック。てか、キーボードの人どんだけクサメロ好きなの? #3:シンフォニック・メタル化した BLACKMORE’S NIGHT みたいな曲。リード Vo は James LaBrie (DREAM THEATER) 。 #4:哀愁のメロディが美味しすぎるアコースティック・バラード。 #5:Lana Lane が歌う、まんま LANA LANE な曲。 #6:これまた BLACKMORE’S NIGHT をハードにしたような曲。 #7:地味。 #8:DREAM THEATER 的なフログレ要素の強いインスト。 #9:クサい…。この曲でこそ LaBrie に唄ってほしかったなぁ。 #10:サントラ風。小説をベースにしてる以上は仕方ないのか…。 #11:アコースティックなバラード。 #12:哀愁のメロディが光る曲。 #13:スペーシーなインスト。疾走する劇的なクサメロが最高。2009年最高峰のクサメロだ
LANA LANE のキーボードの人が中心人物なだけあってキーボード・ソロがその凄まじいクサメロでもって美味しいところを全部持っていってしまう。ただ、そのクサメロが所謂 “めろすぴ” のソレとは比較にならないほど劇的で、演じ手に回り素晴らしい歌唱を披露している Lana Lane や James LaBrie をも霞ませてしまうほど。これだけいいアルバムだと、次のアルバムも期待したいが、きっと単発企画なんだろうなぁ…。
評価:78
THE MAN-EATING TREE / Vain
Release : 2010
Label : Century Media
SENTENCED の血脈を継ぐノーザン・メランコリー・メタル・バンド、THE MAN-EATING TREE の 1st アルバム。
SENTENCED 譲りの慟哭に OPETH / Damnation の “アノ” 雰囲気を足した、と言うのが一番判りやすいだろうか…。特に #3. This Longitude of Sleep は Damnation が好きなら確実にリーダートラックになりうるであろう曲だ。しかし他の曲も淡々としていて強力なキラー・チューンと言えそうな曲はない。その点も含めて OPETH / Damnation 的で良いのかもしれないが…。
#7. Nights in White Satin は THE MOODY BLUES のカバーで、ただでさえ陰鬱な原曲をメランコリック・メタルに進化させてるのが素晴らしいね。
元々は09年に急逝した Miika Tenkula (Gt) が SENTENCED の同僚 Vesa Ranta (Dr) と始める予定だったバンドだ。もしこの音に Miika のソロが乗ったらと思うと…。それと、Vo が Timo Kotipelto を渋くしたような印象なので好みが分かれるかもしれないな。
評価:78
THE POODLES / Metal Will Stand Tall
Release : 2006
Label : Afm
スウェーデン産メタルバンド THE POODLES の 1st アルバム。
#1、哀愁のメロディが美味しい曲。サビがちと単調か・・・。 #2、凄まじくキャッチーなサビメロにノックアウト。”WIG WAM / In My Dream” に匹敵するなこりゃ。 #3、70’s ハードポップな風味の佳曲。いい曲書くね。 #4、モロ GUNS ‘N ROSES なバラード。 #5、キャッチー過ぎるほどのメロディが美味しすぎる。 #6、唄メロが単調でアレ。キャッチーにしたいのは判るんだけどね。 #7、いまいち面白みのないバラード。 #8、ダンスミュージックのハードロックアレンジみたいなリズム感がアレ。まぁ、面白いけどね。 #9、この人たちも間口が広いね。ちょっと ZENO っぽい。 #10、古典的 HR 。イマイチ。 #11、そうきたか・・・。ははは、ついつい笑顔になってしまうよ。哀愁を撒き散らすギターソロもいいねぇ。 #12、最後に静かなバラードを持ってくる姿勢に Hail! 判ってるね。
最近こういうバンド増えたね。LORDI とか WIG WAM とかさ。それ等が好きなら迷わず手にとって欲しいね。てか、Vo が Mats Leven に聴こえるんですけど。次のアルバムは #2 みたいな曲を量産してくれると嬉しい。
評価:78