陰陽座 / 鬼子母神
Release : 2011
Label : King
陰陽座 の 10th アルバムにして初のトータル・コンセプト・アルバム。原作は 瞬火 の書き下ろしたオリジナル戯曲的脚本「絶界の鬼子母神」。
コンセプトのテーマとも言える抒情的メロディのインスト #1. 啾啾,いかにもジャパメタ的なリフにポップセンスの光るサビメロが印象的な #2. 徨,スラッシュ・メタル風のフレーバーが色濃い #4.膾,演歌+民謡。これも陰陽座だからこそ出来るであろう #5. 鬼拵ノ唄,緊張感のあるリフと不穏なストリングスが印象深い #8. 鬼子母神,シャッフルである事が妙に強調された #9. 怨讐の果て,前後半で静と動の変化がある #10. 径,そして、テーマ・メロディから劇的に疾走する #12. 鬼哭 。
あえて原作は読んでないが、場面描写が上手いおかげで十分コンセプト・アルバムとして楽しめる。というか、コンセプト云々がなければ音的にはいつもの陰陽座だからね。そういう意味でも、コンセプト立案から作曲に至るまでを手掛け、ベース弾いて唄うならまだしも、ギターまで弾いてる 瞬火(b,Vo) は本当に素晴らしいよ。
ただ、そのコンセプトに縛られたゆえか、曲毎のメロディの質が普段に比べて低く、キメも弱い気がするんだよね。まぁ、そんな事は原作を読めば相殺されるかもしれないけど…。
魔王戴天 / #2. 魔王 以来のスネア裏打ち疾走曲 #12. 鬼哭 がなかったら -5 してたかも。
評価:82